Organic Fertilizer

趣くままに、これ日々、雑記

目次

  • 戻る
  • RSS
  • 管理者用

記事一覧

センバツが始まった

  • 2012年03月22日(木)23時38分

 春の選抜甲子園大会が始まった。 「泣くな別所、選抜の華」 なんて言われた大投手がいたそうだが、自分が生まれてもいないそんな昔の事は当然知らない。 とんでもない化けモンみたいな投手が現れたと大人達が騒いでいたのが作新の江川卓だったり、今や解説者となって報道STAなんかで喋っている工藤公康が絶妙のカーブコントロールで面白いように三振の山を築き、ノーヒットノーランをやってのけた辺りがせいぜい子供心からの古い記憶だ。

 が、緑の外野芝生に飛んだ白いボールを追って選手達が走り回り、グランドの土に汚れたユニフォームを見ると、観戦の楽しみもあるけれど、今や季節感を与えてもらっているのも事実。 天候不順なこの時季、できれば上々のコンディションでプレーさせてあげたいと思うのは大会関係者だけではないだろう。
 逆転して、勝ち急ぐ心理に突き動かされてしまったか、投手が制球できなくなった石巻工業は初戦突破かなわなかった。 それでも、これは悔し涙ではないとしたマネージャー女子生徒の言葉が印象的だ。 秋の大会で準優勝ならば、この夏こそはと手中に出来そうな目標に向かい励んでくれることだろう。

ファイル 230-1.jpg クロスゲームの月島青葉ちゃんの映像を想い出すのはこの選抜でなく夏の選手権で、それは物語がそうなっていることもあるし、青葉ちゃんと言えば夏の入道雲の下でなければ不似合いだ。
 女子の高野連では目下のところ参加校は10校に満たないそうだ。 それでも春の選抜、夏の選手権それぞれ大会が開かれている。 ただ、戦後の野球文化マスメディアの中で生きてきた両親に育てられた今の女子選手達にとって、我が国で高校野球をやる以上、自分達もあの大甲子園で野球をしてみたいと願ってやまないのではなかろうか。 サッカーの国立、ラグビーの花園と共に、高校球技の頂点を競う聖なる場所はやはり特別だろう。

 勝ち残らねばその場所に行けないという重みを共有するには、女子の連盟参加校が今のところ少なすぎる。 気の毒ながら、それは現実として後輩達のために今ある体制で精一杯プレーするしかない。 裾野である少年野球チームにはそれなりに女子がけっこう含まれているのだろうか。 最近は軟式で女子小中学生を集めたチームもポツポツあるらしい。
 彼女等の聖地たる硬式球場が誕生するのはまだかなり先のことだろうが、少子化の中、それでも高校女子球児は増えていくものと期待する。

ファイル 230-2.jpg 吾郎君の愛弟子であり彼に憧れる清水薫ちゃんは、青葉ちゃんのようなスーパーガールではないものの、幼い頃から吾郎君と共に大人になってゆく様がいい。 この子の魅力は、三船ドルフィンズでイージーフライも捕れない頃から花も恥じらう大学生になっても、その可愛らしい性格は変わらないというところではないか。 彼女が進学した高校にもしも女子硬式野球部があったなら、野球バカに野球で繋がっていたい彼女としては躊躇なく入部していただろうと思える初心な一途さ、そこが良いのである。

 

  • この記事のURL
  • スポーツ

あひょひゃひゃ

  • 2012年03月19日(月)17時34分

 夜になっても天気は良くないし、妙に生暖かくて清々しないからビールでも飲んでかましてやろうと、冷蔵庫にあった安物肉を焼いた。 他に何もないので生キャベツに食卓塩をパラパラ降りかけ、パリパリ囓りながら焼き肉を食っていると、突如、口の中がゴロリとなった。 奥歯の被せものが外れてしまったのだ。 これはかなわん。

 晩酌ビールどころでない。 おまけに被せものを支えていたクレーターの縁が一箇所欠損したらしく、そこが槍ヶ岳の如くとんがりやがって、舌に触れては激しく痛い。 なんてこった。 クレーター出現と共に凶器の剣が峰が口の中に聳え立ってしまったのだ。
 なるべく舌をそちらの方にやらないようにして、しょうがないから明日の朝に歯医者へ行こうと、食いかけの肉を苦々しく眺めていると電話が鳴った。 舌を動かせばそこに触れて痛いので、まともな発声になりはしない。 何か喋ろうとすれば 「あひょひゃひゃひょほ・・・・・」 なんてことになって、これはもう日本語ではない。 面倒だから電話を切った。 するとまたかかってくる。 「はぁひひゃひひえ、ははほんほ・・・・」 なんて涙ぐましく発声して切断した。

 あの馬鹿、萌えアニメばっか見てやがるからとうとうイカれちまいぁがった、などと相手は思ってることだろう。 チクショーめ、なんて災難だ、面白くもねぇ。 みみっちい我がプライドもズタボロである。 それにしても、ゴクリとやる度に舌が触れて痛いのなんの、うかうか唾も飲み込めない。
 のこのことコンビニまでガムを買いに行き、クチャクチャ噛んだガムを剣が峰の上に被せておくことにした。 おお、これならなんとか舌ベラが傷付かないで済みそうだ。

 朝になって歯医者へ行ったら嘘のように楽になった。 こういうものが外れてしまった場合、間髪入れずすぐ歯科医に来たのは、あなた、正解ですよ、放っておくといけません、この際こちらの悪い箇所も治療しておきましょうと言われ、しばらく通わにゃならんが、舌をどこへ動かしても痛くないという自由のありがたさが身に浸みた魔の一夜・・・・。

 

  • この記事のURL
  • 身近な話題など

稲上晃

  • 2012年03月18日(日)17時40分

ファイル 228-1.jpg なんと! 作画監督に稲上晃の名がある。 なぎほの、咲舞らをデザインした生みの親。




 なんだったか、ビジュアルファンブックだったか、稲上晃が無印のキャラクターデザインするにあたり、ティーン誌をどっさり渡されて研究したとか書いてあったと思う。 総作画監督という肩書きはどこまで手を入れるのか知らないけれど、無印及びマックスハートの全話で 「作画監督」 という担当名で稲上の名を見ることはなかった。

 稲上 - 川村と変わり、次の香川久では懐かしのセーラームーンばりの体型になり、続く馬越嘉彦ではおジャ魔女のようになったプリキュアのデザイン。 今期、5人組なら川村だという訳でもなかろうが、再び川村敏江のデザインになると、どこかプリキュアらしくハマるところにハマって見えるから、なぎほの至上主義の偏見もここに極まれり。 やはりセーラームーンの伊藤、プリキュアの川村、といったところではないか。

 どうであるにせよ、川村デザインのプリキュア作画監督に稲上晃の名があると、なかなかどうして、スマイルも捨てたモンじゃなかろうと単純に喜ぶアブナイおじさん。 ^^;)

ファイル 228-2.jpg

 

  • この記事のURL
  • アニメ

地滑り、液状化

  • 2012年03月17日(土)23時25分

 またそぞろ関東の方で揺れている。 中越では地滑りがまだ止まらず、紛糾国会と同じく 「どうにかならんのか」 の嘆き節が聞こえてくる。

 庭石の上に砂をまぶし被せたようなもの・・・、それが我らが国土ではないかと思う。 石を揺すれば砂はパラパラと剥げ落ち、上から水を掛けても流れ落ちてしまう。 表土とはその程度のものだ。
 山の崩落、地滑りはウルトラマンの兄弟がみんなして手で押さえたところで止まりはしない。 落ちたがっているもの、滑りたがっている表土は気の済むまでそうさせてやるのが一番だ。 だからといって、集落、住宅があれば呑気な話ではない。 だが、そこで何らかの人工物によって懸命に抑え止めたとしても、そこに溜まるポテンシャルエネルギーはそのまま残る。 実に危うい折衝の中でその状態を保ち続けていくのは得策でない。 やはりエネルギーを吐き出させてやるのが肝要だ。 地下水を抜いてやるのもそのためのひとつだ。

 山を背負っている場所は多かれ少なかれそういったリスクはある。 ここは良い湧き水があるからというだけでろくに調べもせず安易に住宅でも建てれば、ゆくゆくひどい目に遭うこともある。
 我が国に平野は少ない。 それもすべて河口に広がるものだ。 それは何を意味するのかというと、堆積土砂が広がって平地を形成しているわけで、アンデス高地のように山を水平にスパッと切ったような場所とは違う。 つまり、日本の平地は河口付近や沼地跡の豊富な地下水を含んだ堆積層なので、殆どの都市部で地震時液状化は避けられない。 揺すられればそいつは必ず付いてまわる。

 免震構造なんていう “逃がし” の考え方はいい。 エネルギーをはね除けようとすれば無理があり、むしろ 「ひょっこりひょうたん島」 のような浮き構造から発想すればどうか。 実際に軟弱地盤上の構築物では不等沈下や揺れに対して沼地に浮かぶような考え方で設計しているものもあるだろう。
 地盤を固めて液状化しないように出来ないのかという人がいるかもしれない。 それは当該面積が広大すぎるし、人間の手が下せる地盤改良深さなどたかがしれている。 野山も市街地も全面に亘って水洗いで放射線物質を除洗するという途方もない話と変わらない。

 揺れれば液状化する上に生きているのだという認識がまず必要だ。 あとはプカプカ浮いて、それでも水平を保つという、クルマの賢い独立懸架や巨大天体望遠鏡の鏡面補正システムのような事が、住宅、ビル、公共施設らに取り入れられればどうか。 マンガみたいな話にも思うが、実際に研究はかなり進んでいるのではないのかなと想像する。
 それでも地中埋設のライフラインはフレキシブルでない限り甚大な被害は免れない。 特に下水道なんていうのは圧力で送っていく構造ではない。 ヘッド差のもたらす勾配のみが頼りなのだから、困ったものだ。

 

  • この記事のURL
  • 身近な話題など

眺望

  • 2012年03月15日(木)18時17分

 春の寒いのと秋の腹減りはこたえる・・・、随分と前に他界した私の祖母さんが言っていたことだ。 春は名のみの風の寒さや、の通り、やれやれちったぁ暖かくなるだろうと一息吐いて、その身が春モードに変わり始めた頃の寒さは想定外に身に浸みるというのだ。 秋は秋で、収穫の季節でもあり冬に備える支度も多く、忙しい。 徐々に気温の下がっていく中、急がねばならん仕事も多く、そこでの空腹は実にこたえるものだと。

 展望の利く場所はさすがに風が冷たい。 しかし真冬の刺すようなものではない。 春らしい霞がかった眺望だ。 ポカポカ陽気に恵まれて春の施肥を終え、気分任せに見晴らしのいい山へクルマを走らせた。 所々、山腹からの浸みだし水が路面を凍らせているものの、なにせ快晴の天気にそれも苦にならない。
 なんだかよく解らないが、こういういい天気に暇な時間が出来ると高いところに登りたくなる。 山岳信仰や登山趣味や行者修行の真似事などとはまるで無縁で、ただ高く見晴らし良い所に行きたくなるのだ。 どうも馬鹿と煙はなんとやらで、その類に違いない。 先頃完成した東京スカイツリーに登りたがる人々もこの自分と似たようなものではないのか。

 昔の戦国武将達は天守閣からの眺望にどのようなひとときを過ごしたのだろうか。 野心と戦略の目で眺めただろうか。 自分もここまでの城を持ったのだとご満悦だっただろうか。 見張り条件や敵からの防御条件などによって高台に構築された城は多い。 雲海を下に望む城跡まである。 水や兵糧を担ぎ上げるだけでも大変だっただろう。
 松本城の天守に上がったのを想い出す。 さすがに国宝、石落としにしても床にしても年代を感じさせた。 なるほどなと感じたのは天守に上がるまでの極度に狭い階段や通路だ。 これでは刀を振り回せない。 また長尺ものを手にして登るのも難儀しそうだ。 身動き取れぬ階段で上から槍を突き刺されたのでは防ぎようがない。 そんなところに感心しながら上がった天守からの眺めはたしか5月。 このように頬にちょいと冷たい風の当たる快晴の日だった。

 

  • この記事のURL
  • 身近な話題など

DX

  • 2012年03月11日(日)15時06分

ファイル 225-1.jpg ANIMAX で 「プリキュアオールスターズ DX みんなともだちっ ☆ 奇跡の全員大集合!」 をやってたので見た。

 今更何を隠そう、なぎほのの扱いがぞんざいであれば 「気に喰わん」 と言い、白黒プリキュアの動きがそれらしくなければ 「なんちゅうこっちゃ!」 と画面に向かって文句言うであろう事は自分でも解っている。 だが、それでもなぎほのの勇姿を見たいのだ。 ^^;)
ファイル 225-2.jpg そもそもファイブ以降のプリキュアは、どれが何というシリーズ作で何という名のキャラであるのかさえよく解らない。 十把一絡げで 「最近のプリキュア」 と呼ぶことにしている。 自分のアタマの中では初代のみがプリキュアなのだから仕方ない。 二代目の咲と舞は知っているものの、ファイブになるともう五人の名前を全部並べろと問われても 「りんちゃんに、かれんさんに・・・・え~と・・・・」 なんて調子で、まったくおぼつかない。

 ブツクサ文句垂れるのなら全員集合映画なんぞ見るな、と諭してくれる人もいる。 いやいや、恐れ多くもなぎさ殿とほのか殿が御出演なされるのであるぞ、美空ひばりさんのファンである方々は未だ定期的に集まって、大スクリーン画面に映し出されて歌う今や亡き希代の歌姫、そのお姿に酔いしれるではないか。 ファンというものはかくなる生き物なのだ。
 オールスターズと称するからにはまさか本家本元抜きにはしまい。 画面上でなぎほのの御両人が動いて喋って飛び跳ねてくれれば、それだけで値打ちものの作品、見る価値は充分にある。


ファイル 225-3.jpg これは最初の全員集合映画なのか。 青山充の絵が随所に見られる。 主役扱いは当時放映中だったのだろう三人組、これは何というプリキュアだ、桃にブルーベリーにパイナップルらしいから 「フレッシュ」 というヤツか。 その割には与える印象が薄い。 キャラクターデザインにもよる。 目立っているのが前年まで2年間放映されたファイブで、S☆Sと初代は御隠居扱いに近い。

 が、ひょうたん岩は無しにしても PANPAKAパン店の外観は懐かしく、太ったネコが日向ぼっこしていて、中では満が店員をしており、キントレ男が買いに来るんじゃないかと想像させる。 マックスハート御一行がそこで美味そうなものを仕入れ、大樹の陰でなぎさがホクホク顔にて食べようとするくだりは微笑ましい。 また、タコカフェにファイブの面々が賑々しくやってくるというのも集合映画ならではの取り合わせ。 莉奈と志穂がそこにいるのもいい。
 ブラックの 「ぁだだだだだ!」 なマシンガンアタックが見られ、ホワイトによる豪快なぶん投げもある。 ターミネーター並の変幻自在軟体化け物は無印の黒い巨人そのもので、その声は誰あろう美墨家の御主人、なぎさのお父さんだ。



 あなた達もプリキュアなのねと問うシーンがある。 こともあろうにファイブの緑が初代御本家様に向かって言うのだ。 なんということだ。 その物言い、無礼千万も甚だしい。 それは初代様のセリフであろう、けしからん、実にけしからん。 ^^;)
 


ファイル 225-4.jpg 

 この映像が・・・・







ファイル 225-5.jpg 今や映画 「プリキュア オールスターズ New Stage」 ではこのようになるのだそうで。

 それにしても、ウンカかバッタの大群だ。 これだけウワッと襲い掛かって来られたのでは、敵の化け物も怯むのではないだろうか。
 おーい、なぎさとほのかはどこにいるのだ、どこにいるのだぁー! 

 

  • この記事のURL
  • アニメ

震災の日

  • 2012年03月11日(日)04時01分

 東日本大震災から丸一年。 TVが一斉に特番を流す中で、自分は去年のあの日、何を思っていたのかと振り返る。 これは自分に限らず多くの人がそうであるに違いない。

 タールのように真っ黒な水が何もかも飲み込んで荒らし回る光景に 「なんだこれは」 と息を詰まらせ、自分達の住む世界が無くなってゆく様を為す術なく高台から見ているしか出来ない人達の心中如何ばかりかと思った覚えがある。
 生きる生活基盤、土地の文化、愛や喜びの記録も苦労の賜も、文字通り我々の世界がそこにあるのであって、それが数分の間にすべて掻き消されてしまう災害。 人間の営みはなんと脆弱なものだろうかとも感じた。

 日が経つに連れ、腹立たしさ、憤りばかりが蓄積されていった一年でもあった。 原発事故の詳細隠蔽や政府、国会の無機能無能力ぶり。 現に一年過ぎてもこのザマだ。 やった事はと言えばこの災害に乗じ、被災を人質に取った増税の押し付けだけだ。 挙げ句に、実は当時の議事録はありません、誰がどういう発言したのか記憶に御座いませんという。 到底、国家国民を思っての任務遂行とは思えない。 お前達は我が保身のために国民を殺しても平気なのかと激しい怒りを覚えるのはこの自分だけではあるまい。

 揺れたのと津波が来てしまったのは天災だ。 だがその後のお粗末な対処や原発に関連する諸事は明らかに利権保持と責任逃れ、保身絡みの人災であることを改めて認識する3.11、震災の日である。

 

  • この記事のURL
  • 身近な話題など

昭和を描いて

  • 2012年03月09日(金)11時50分

 最近目立つ 「昭和の時代」。 それも昭和30年代ぐらいの古さだ。 「三丁目の夕陽」 は変わらぬ人気だし、去年の劇場アニメでは 「コクリコ坂から」 が最も観客を集めた。 TVアニメでは 「昭和物語」、実写ドラマの 「とんび」 なんていうのもあった。
 もはや戦後ではない、と言われたのは敗戦から10年ほど経った頃。 焼け野原の占領下から徐々に立ち上がり、もの作りニッポンが本格始動した時代。 やがてオリンピックへ、そして万博へと、高度成長する中で暮らしが中流意識に包まれ、比例して汚染公害もひどくなっていった。


 あの頃は良かった・・・・と、ノスタルジックな現実逃避に走りたがるオヤジ共がひとときの安息を楽しむのか。 みな均等に貧しかった故の連帯感が懐かしく思えるのか。 なにより、先に向けての希望があったというのだろうか。 上昇一途な未来を誰もが信じていた時代だったのだろうか。
 ならば、お先真っ暗にしか思えない今、あの頃の国民のバイタリティな意識を取り戻したい戦後昭和回顧なのか。 昨年の忌まわしい震災と原発事故の混乱は米軍による本土絨毯爆撃と原爆投下された無差別大量殺戮、避難の田舎疎開という悲しい歴史を蘇らせるからか。
 そう考えれば、仕掛けた連中がいるいないに関わらず、ブームのようなこの傾向は我らの復興を鼓舞せんとする日本社会の自然治癒作用のひとつであるかのようにも思えてくる。

 だがしかし、80年代の狂乱バブルに浮かれていた頃、西岸良平の 「夕焼けの詩」 は連載開始からかなりの年数を経て既に多くの読者を虜にしていたし、「となりのトトロ」 はバブル真っ直中辺りではなかったか。 エスメロードばりなボディコン・ミニスカートで妙ちくりんな扇子を手にお立ち台で阿呆踊りを夜な夜な繰り広げていた時代、昭和30年代への郷愁は少なからず既にあったということだ。

 バブルだ円高だという経済面の異常さが活力を削いでいるというよりは、人が織りなす社会変化への戸惑いと、ある種の失望感に思える。 あの頃は良かったと口端に出すのが爺さん達ならまだしも、若い人々でさえ過去ばかり振り返りがちな状況は、決して健康な社会ではない。

 今の政治と公務員の体質を見る限り、崩壊前の旧ソ連が想い出される。 ソビエト共産党を中心に仕事をせず、働かずに暮らしたいという腐食の極み。 蔓延していた汚職、賄賂の腐敗構造も、現代日本の地方公務員採用過程を見ればそのままあてはまる。 裏金もコネも使わず試験や面接だけで採用された者は1割もあるのだろうか。
 腐りきった毒素の空気は民間の域までを蝕み、公務員は身分保障と特権で仕事せず、民間人はバラマキ餌に飼い慣らされて仕事せず、国家がなんとかしてくれて当たり前だと考えるようになってしまった。 結果、何が生じたかといえば、他人のフンドシばかりアテにするラリった麻薬中毒患者の如き退廃の虚脱感。 もはや認知症老人を嘆くことすら出来まい。

 ゆとり教育だのと称した手抜き教育、教育義務の放棄に走る傍ら、株価の読み方と投資で儲ける方法を小学校の特別授業で教える始末。 汗をかく奴は馬鹿だと言わぬばかりに我が子の将来は一にも二にも身分保障された親方日の丸な公務員。 後は天下りと渡りで安泰の老後余生。 子らの将来に託す夢がそれでは、向上心も広い視野も備わりはしない。
 最近の子供は耐えることが出来ない、我慢という性根がない、などと学者がエラソーに宣っているが、何をほざいているのか。 我慢して耐え忍ぶ事の出来ないのは大人達ではないか。 それが出来るくらいなら安易に騙したり盗んだり殺めたりの犯罪に走りはしない。 震災の火事場泥棒などは畜生以下だ。 利己の欲望だけに染まり、人様が見ていなければ何をやっても許される、あとは知らぬ存ぜぬで責任とらず逃げおおせるというのは、中央政治、行政省庁からして率先行為に及んでいる悪徳ではないか。 西の大陸、一党独裁の言論弾圧国家の傍若無人なあさましさを蔑むことなど出来ようか。

 そんな虫ずの走るような世の中ながら、かといって昭和の時代を数多く描いたところで、それを鑑賞した人々が容易に何かを変えられるとは思えず、アニメに於けるメイド衣装キャラの如く乱発して、多くの視線を集められるわけでもない。
 ただ、先人達がそういう時代を作り、そこを懸命に生きてきた事実は今、再認識する必要があるだろう。 当時の人々と今の我々ではあまりに環境が違いすぎるものの、打ちひしがれた無力感の克服に於いて通じるところあるようにも思う。 くれぐれも、解っていてもらいたい。 あの頃は良かった・・・的な老人の懐古に終わるだけでは我らの歴史、先人達の残せし遺産にはならないということを。

 

  • この記事のURL
  • 政治・社会

滑空

  • 2012年03月04日(日)01時26分

 スキー・ジャンプ女子の高梨選手は15歳だという。 あなおそろしや、あの滑り台、いやさジャンプ台からエライ勢いで宙に飛び出すわけだ。 滑降という競技もアドレナリン出まくりそうだが、ジャンプ台の勾配はどのくらいなのか。 優に30°以上はありそうだから、高速道路の切り通し斜面勾配より急かもしれない、と思ってスポーツニュースを見ている。

 切り通し道路の側道から金網越しに見下ろせば、真っ逆さまに見える。 あんなところを滑り降りて100m彼方までムササビの如く滑空するのだ。 高所恐怖症でなくとも気絶しそうだ。 親父さんが選手だったらしい。 スキーを履かせて間もない頃にもう飛びたがったそうだから、その “血” ではあるのだろうけれど、元選手ならではの育成法が功を奏しているにも違いない。

 踏み切りのタイミングを覚えたとしても、前傾姿勢で飛び出さねばならない。 崖の先で頭から突っ込むようなものだ。 無論、初心者の少女にいきなりあのような高さから飛び出せとは練習させないだろうが、おそらく相当に怖い。

 なんともあどけない女の子が最高到達点を記録する。 そのギャップに戸惑い、驚き、そして感嘆するしかない。 モモンガ・沙羅ちゃん、当該競技のファンは将来を期待するかもしれないが、まずはさしあたり、大会で気持ち良く滑空することを楽しんでくれればと思う。 クソ度胸に欠けるオジサンは、大気に乗るグライダーのようなそのV字シルエットに、ただ見とれるばかり。

 

  • この記事のURL
  • スポーツ

春の宵

  • 2012年03月01日(木)23時53分

 三月になった。 雨は嫌いだが、この時季、気温上昇と共に雨をくれてやってもらわねば伸びる芽も伸びない。 スコールのような狂った降り方だけは勘弁願いたいと今年も祈る。 あと、遅霜も御遠慮願おう。 心なしか、お天気コーナーの春ちゃんが鮮やかに見える。 草の匂いがしてくるのはもうすぐだ。
 小泉今日子の 「春風の誘惑」 でも聴こう。 ちょいとコーラス効かせたあの間奏ギターの小気味よさが浮かれ気分にしてくれる。 今から思えば何かのコスプレじゃないのかと思えるような三流アイドル的ピラピラ衣装が目に浮かぶ。 そういえば 「親衛隊」 なんていう人達がいた。 今じゃ大変なオジサン達なんだろうけれど、当時を振り返って今、何を思うや。

 オタ芸の乱痴気ニイチャン達もやがて歳を取る。 いずれ彼等も若き日の愚かさを懐かしむのだろうか。 乱痴気といえば、今のお婆さん達はロカビリー全盛時代、平尾昌晃や山下敬二郎、ミッキーカーチスらにパンツを投げたそうな。 プレスリーファンを真似たらしいが、ステージに若いオナゴのパンツが飛び交うわけだ。 ちょっと壮絶ではないか。
 で、その日のステージ終了後、それら夥しいパンツは誰の手に渡ったのかどのように処分されたのか。 残念ながらそれは私の知るところではない。 そのテのものを盗んででも欲しがる特異な人が当時もいたことだろうから、ネットオークションはないにせよ、案外そういった趣向の人にお裾分けされたかもしれない、などとアホな想像に耽るのも弥生月のせいか。


 Here we come,
 walkin' Down the street.
 We get the funniest looks from
 Every one we meet …… 

 続くスネアの三連が懐かしいモンキーズのテーマ。 デイビー・ジョーンズが亡くなった春の宵。

 

  • この記事のURL
  • 身近な話題など

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ移動
  • ...
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • ...

最近の記事

陵辱された国民
2015/09/19 20:29
サトジュンのせらむん
2015/08/24 22:05
大正桜に浪漫の嵐
2015/03/27 02:12
甘すぎる風潮
2015/03/13 02:06
ローリング☆ガールズ
2015/01/11 08:58
プロのソリスト
2014/12/23 23:46
羽原大介
2014/11/30 01:45
カジノ
2014/11/07 01:14
躾け
2014/10/03 22:53
狂気
2014/09/16 01:00
燃費
2014/08/25 23:27
NHKの愚行
2014/08/04 23:41
この夏 雑感
2014/08/04 09:57
天才女優
2014/06/19 00:46
妹に魅せられて
2014/05/21 00:53
Scripted by Web Liberty / Designed by uz