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プロのソリスト

 「オーケストラ!」という映画をTVでやっていた。 コミカルで面白かった。 おフランスの映画だから原題は 「 Le Concert 」。 コンサートという意味かな?
 ブレジネフなんていう書記長名が出てくる。 歴代のソ連共産党書記長で、あの顔はいかにも 「ソ連共産党」 というイメージが残っている。 厳ついオッサン連中を集めた重圧的な 「赤軍合唱団」 なんてのが有名だった頃ではなかったか。

 ヴァイオリンのソリストを演じる女優は美しいのだが、チャイコフスキーのコンチェルトをクライマックスのあそこで演奏して観客に聴かせるのであれば、おい、あの演奏演技はもちっとなんとか出来なかったのかと、がっかりしてしまった。 かなり興醒めさせられたのだ。
 勿論、監督の演技指導によるものなんだろうけれど、音楽学校の生徒が練習しているのではないのだから、プロのソリストがチャイコフスキーを弾く、しかも見せ場のクライマックスにあれはないだろう・・・と。

 あれでは宮園かをりの方がはるかにソリストらしい。 面白い映画だったが、それだけにどうにも気に入らない。 口直しに 「四月は君の嘘」 の録画データを回して、かをりちゃんの演奏をまた見てしまった次第。

 さて、今宵は神尾さんのステージライヴでも聴いて寝るとしよう。

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躾け

 昨日よ、ウチの姉さがな、真っ昼間に道ばたでイノ公に出くわしたらしいんだ。 歩き方がよ、我が物顔の闊歩だったらしいぜ。

     はぁ、イノシシでっか。 冬に備えて食い溜めしたいんでしょうなぁ。

 オレならよ、積年の恨みで2,3発ぶっくらわしてやるとこだ。 チキショーめ。

     そりゃしかしアンタ、そいつがアンタの畑荒らす個体とも限らんでしょうが。

 ンなこたぁどうだっていいんだよ。 見つけたらぶん殴らにゃいけねんでぃ。

     やれやれ、イノシシも気の毒でんなぁ。

 躾けだよ、躾け! 人間様の臭いのするトコをウロウロしてりゃいいこたぁねぇ、ってのを教えなきゃなんねぇ。 人間もイノ公も一緒だぜ。 ちゃんと躾けてりゃあそれなりのわきまえってモンも育たわぁな。

     エラい剣幕やなぁ。 野生動物の愛護団体が怒りよりまっせ。

 なぁにをぬかしてやがンでぃ。 メリケンなんてなぁバイソンを絶滅寸前まで殺しまくりぁがって。 あいつらぁな、先住民の食料断ち切るために片っ端からバイソンぶち殺したんだぜ。 ただ絶やすためにだけ殺しまくってよ。 片方じゃあちこち教会建ててアーメンなんて神妙な顔しぁがってな。 クジラもよ、奴等ぁ油採るだけで殺しまくったんだぞ。 おクジラ様は粗末にゃ出来ねぇってんで一切無駄にしなかった日本人たぁえれぇ違ぇだわな。

     せやかて、見つけ次第ぶん殴るっちゅうんは蛮族のするこっちゃで。
     そらアンタの腹の虫治まらんのは解りまっけどな。

 畑の害獸もよ、馬鹿じゃねんだぜ。 学習能力ってなぁオレ様以上かもしんねぇ。 だぁから躾けるんでぃ。 この国ぁな、遠い昔っから躾けがあるからな、民度が高かったんでぃ。 今日びの世の中ぁ見てみろい。 それがなっちゃいねぇからひでぇ有様じゃねぇかい。

     いや、外国の人から見りゃ、まだまだ捨てたモンやおまへんで。
     日本の精神文化に憧れるっちゅうガイジンさんも仰山いて・・・。

 

燃費

 なんという高湿度な日々であることか。例年ならば風も通って乾いてしまう納屋の裏も湿りっぱなしだ。 喜ぶのは石垣にへばり付くヒバだけである。 お礼肥はやれても防虫散布が出来ない。 晴れ間が覗くかと思えばケツネの嫁入りが如く容赦なく降りやがる。 高温多湿にて、今年の雑草はキツい。 草刈りもたまったものではない。
 降って降って降りまくり、広島はじめ全国各地で大変な被害だ。 自分の地元でも一時どこも道路が通れなくなり、孤立に近い状況に陥った。
 胸クソ悪いので温泉へ浸りに行ったはいいが、帰りにBEERを買いに寄ったれば秋限定発泡酒があったので500缶を6本仕入れ、帰宅して飲めばこれまたなかなかイケて、あっという間に3リッター飲み干し、こんなものいくらあったって足りやしないと、己の腹を棚に上げてはブツクサ言う。

 「SUPER DRY」 というヤツが自分の “燃料" である。 こいつがないと夏場に働けない。 どうにも年々消費量の増加が著しく、言い換えれば 「燃料喰い」 な身体になっていってるようである。 自動車は燃料消費を抑えた低燃費車旺盛の世の中であるというのに、自分の身体はなんという燃費の悪さであることよ。 これは時代に逆行している。 よって、最近は農作業機器を誉めてやりながら使う。 オレに比べりゃあ、おめぇらは低燃費でよく仕事してくれる。 えれぇヤツらだぜ、おめぇらはよ、と。

 

コスモス

 最近ナショジオで 「コスモス」 という番組を放送している。 随分と前にカール・セーガンの同名著書がベストセラーになり、本人が同名TV番組でも案内役を務めていた。 確か朝日系列の番組じゃなかったか。 当時静岡市内に住んでいて、静岡朝日TVの番組だったような記憶がある。 今の番組はニール・ドグラース・タイソンがホスト役だ。  サイエンスものはまずウケない、というその頃の日本TV業界の常識を覆して多くの人々が興味を持って視聴した。 ひとつにはカール・セーガン特有のエンターテナーな一面があり、ボイジャーが惑星の近接映像を送ってきた時代背景も後押しした。 もっとも、出版社も企画側もこの機を千載一遇と捉えていたには違いない。 但し、その反響は想定外だっただろうと思う。  人類の宇宙開発の中で、自分にはアポロよりボイジャーの方が数倍胸躍る出来事だった。 EXPO'70でアメリカ館の月の石が大変な見物行列を作ったらしいが、そんなものには全く興味がなかった。 ボイジャーが送ってくる電送写真こそ自分を虜にした憎たらしいものだ。 当時よく通っていた街中の蕎麦屋に 「なんたらグラフ」 という写真誌が発売毎に置かれていて、ざるを2,3枚啜りながらボイジャー撮影の最新画像を食い入るように見ていた。  あの 「コスモス」 というTV番組を録画したテープが今でも押し入れの箱に収まっている。 録画機器がないので職場で残業しつつ、会社のビデオデッキで録画した。 勿論、テープだけは自前だ。 思えばいい時代だった。 年月は流れ、今は自分のビデオデッキも動かなくなって久しい。 しかしながら録画テープだけは捨てられないでいる。

 現在放送されている 「コスモス」 は明らかにカール・セーガンへのオマージュ番組だろう。 何十年もの時を経た今、科学の理論も天文機器も恐ろしいほどの進歩がある。 あの男が生きていればさぞかし喜んだことだろうと思うのは自分だけではあるまい。  


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足摺

ファイル 356-1.jpg NHKの世界ネコ歩きじゃないけれど、この前、足摺岬に行ったらジョン万次郎像の傍でネコ達が日向ぼっこして虫干ししていたので、写してきた。 ^^;)  彼等は5~6匹いても親戚なのか赤の他人なのか・・・・。 似たような毛模様で分類すれば親子か兄弟姉妹に概ね推察されよう。 にしても、エラソーに威張っているヤツもいなければ卑屈そうなのもいない。 物乞いは相身互いという訳か。  観光地だけにネコ屋敷の婆さんみたいな人はいないにせよ、ここの展望台から四国最南端の日の出を拝みに来る観光客も多いと聞く。 ならばその人々は夜中に車走らせてきてこの駐車場で朝を待つ。 そのおこぼれを僅かでも頂戴できるのだろう。  近付けば人の顔を見上げて足下に擦り寄ってくる。 ネコ特有のおねだりだ。 四国88ヶ所霊場の第38番札所があるので、お遍路さんも多い。 野良ネコを杖でぶっ叩く罰当たりなお遍路さんもいないだろうから、白装束の旅人にどつき回される心配もまずはない。 全てのネコに警戒心がなく安心感に満ちており、いたってのどかなものだ。 ただ、この時季のネコは毛が抜ける。 ジーンズの裾を毛だらけにされたのでは少々迷惑だから、名残惜しくも早々に退散してきた。




 好天だったので灯台付近の眺めも良かったが、大岐海岸の浜が大層美しかった。 ゴミも流木もない。 地元の人が清掃するのか、サーファー達が美化に努めるのか、とにかく綺麗。 国立公園はこうでなくては。

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雪の日

 道路に面して張り出してきた枝を片っ端から切り落とさねばならないのだが、この雪では何もする気にならない。 かといって、林は我が家のだから管理責任上そのままにもしておけない。 この雪でさらに枝がたわみ、ますます道路の邪魔になるかもしれん。 まぁ今日のところは何年かぶりの雪景色でも堪能しよう。 豪雪地域ではないのだから畑の納屋が雪で潰されるといった心配も無用だ。

 雪見酒とでも洒落込むのも悪くない。 かつて仕事で付き合いのあった社長さんが高そうな焼酎を送ってくれた。 親戚がお裾分けしてくれた清酒の樽酒もある。 姉が自家栽培大根を漬けた白タクアンもなかなかに美味だ。 それでも、少しは宵に近付かねば躰が欲しない。

 静かでいい。 降り続く雪片が音の縦波を遮る。 EVのクルマに乗せて貰ってるような静けさだ。 十代の頃からこんな日には何故かヴァイオリンの楽曲を聴きたくなる。 幼い自分に何かしらの想い出があるのかもしれない。 しかし、それがなんだか分からない。

 今季は南天の赤い実がやたらに多く目に入る。 作物でいえば豊作に値する。 雪景色に南天はいいものだ。 後で雪ウサギでもこさえよう。


 まぁとにかく、豪雪に御苦労されている地域の方々にはいささか申し訳ないが、ヨコハマ買い出し紀行のアルファさんのようにコーヒー豆を炙って碾いて、ゆったりと香りを味わいつつ、降り続く雪を眺めながらヴァイオリンコンチェルトにでも身を任せよう。

 

八島

 香川の金刀比羅宮へお参りに行ってきた。 あの長い石階段はもう少し 「蹴上がり」 が小さいかと思っていたのだけれど、けっこうな蹴上がり代で、腰が痛くなった。 ^^;)  それだけ急峻階段だという事だ。

 合格祈願の高校生だろうか、はしゃぎながら登って行く数人のお嬢さん達の中、短いスカートにナマ脚の女の子もいる。 夏ならこんなありがたい光景はないのだが、この真冬では見ただけで背筋が寒くなる。 それにしても、この急階段であの短いスカートはやめた方が良かったのではないだろうか。 盗撮魔でなくても簡単に覗かれてしまいそうだ。 ただ、ここはショッピングモールのエスカレーターではないのだから、顎を上げて上方ばかり見ていたのでは踏み外して石段を転げ落ちるのが関の山だろう。 一方、かなり踵の高い靴で登ってくる奥様もいて、驚いた。 あれは降りる際におっかなそうだ。


 帰りのついでに八島へ登ってきた。 源平合戦を特に好きという訳でもない。 有名な那須与一の扇射落としなどが語り継がれる場所だ。 八島での合戦、語られる昔話はどこまで本当なのか分からぬまでも、那須与一が見事に扇を射止めた時に両軍共に大喜びしたというくだりは嫌いでない。
 家来の一人が義経の盾代わりになって射られた逸話は、エヴァンゲリオンのヤシマ作戦で用いられた。 弓矢による遠距離射殺は目標距離レンジ外超長距離からの直接狙撃となり、義経は碇シンジ、盾となる佐藤継信は綾波レイだ。 「笑えばいいと思うよ」 のセリフと綾波の笑顔で印象強いエヴァのあのエピソードは、ヤシマ作戦の下、二人の思いが少しばかり交錯する。



 久しぶりにあのアニメを見たくなった。 どこかに録画したのがあった筈と、しばらく家捜しをしてしまった。 ^^;)

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親切な若夫婦

 清水と言えば 「ちびまる子ちゃん」 なんて答える人がいて、ちょいと膝が折れたりする。 清水と言えば次郎長だろうが、の我が身なれば、どっかに資料館ぐらいあるだろうと思い、朝の9時頃から港の辺りをウロウロしていた。
 若い御夫妻が散歩していたので、失礼ながらクルマから降りずに車窓から尋ねてみた。 あの辺りに生家があって、こうこう行けばそれらしい展示物のあるトコがありますよと教えてくれた。 ただ、10時にならないと開かないですよ、とも。

 それじゃあオイラのクルマは反対向きですね、もちっと先へ行けばターンできる広い場所もあるでしょう、どうもありがとう御座います、向こうへ行って向きを変えてきますワ、と挨拶して150mほど先へ進んだ。
 お、ここならいいな、そこへケツ突っ込んで方向転換しようとバックさせていたら、「待って、待って、待って下さい!」 と叫びながら先程の奥様が懸命に走ってくる。 な、なんだ! あの追っ掛けてくる様は尋常でないぞ。


 私の車まで走り着いた奥様は前屈みで両膝に手を置き、凄くゼイゼイ呼吸しながら息を整えようとしている。 なんだ、おい、オイラぁとんでもない失礼なことでも言っちゃったのかい? そんな筈ぁないけどなぁ・・・・。 驚きと当惑、ちょっぴりの不安。

 「あの、ハァハァ・・・あの、想い出しまして、ハァハァ・・・・」 

   「な、なんですか?」

 「そのまま真っ直ぐ行って、ハァハァ・・・こうこうした所にお寺があるんです、ハァハァ・・・」

   「は、はぁ? それで・・・?」

 「お墓もあって、そこにもゆかりの品、色々置いてますので、そこはもう開いてる筈で・・・・」

   「え? それを教えてくれるために走って下すったんですかぃ!」

 見れば旦那さんが後から小走りに近付いてくる。 おーい、間に合ったのかぁ、などと言いながら。

 なんちゅう親切な御夫妻なんだと朝から感激してしまい、丁寧にお礼申し上げた次第。 おかげでその日は寝るまで爽やかな気分でいられた。 いやぁ日本人ってなぁええなあ・・・・などと、改めて 「オ・モ・テ・ナ・シ」 精神に万歳。
 まずそのような人もいないだろうけれど、面倒臭いヤツだな向こうの方へ行ってもういっぺん訊いてみろ、なんて言われた日には、なんだよここらの連中は、としか思わない。

 臨済宗妙心寺派の梅蔭禅寺とある。 次郎長菩提寺の禅寺だ。 横に次郎長遺物館があり、受付が次郎長グッズの土産物売店になっていて、順路に従って遺物館に入れば、次郎長の使った博打道具や喧嘩頭巾など興味深い品が展示されている。 次郎長墓石の横には並んで石松、大政、小政などがあり、反対側にはお蝶さんのが三代、三塔並んでいる。
 弁天さんのお堂があって、お蝶弁天とある。 バチが当たるかなと思いながらも中を覗かせて貰えば、なるほどお蝶弁天も三人分おわしまする。 それがまた艶っぽく並んでおられ、真っ昼間から弁天さんのおみ脚と乳房に欲情したのでは御利益なんぞ夢のまた夢だわなと、苦笑いも出る。

 帰りしな売店で幾つか買ってきた。 小松園の “萌えお蝶紅茶" があって、パッケージの絵が気に入った。 やるではないか小松園。 このお蝶さんはいいなぁ、こんな女房に毎晩お酌して貰いてぇやな、なんて呟いていたら、売店のオネエさんが申すに 「中に小さいポスターが入っています」 とのこと。 小さくてもポスターは折り込んじゃあいけねぇ、それよか2箱買えばポスター進呈にした方が喜ばれるぞ、と喉元まで出掛かったが、よけいなことはかろうじて言わずに済ませた。 ^^;)

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富士

 小僧っ子の頃に大層世話になった人が亡くなった。 送られてきた喪中はがきで知った。 せめてもう一度会いたかったと、しばし言葉を失う。 10年ほど前に出会った姿が自分の脳裏に残る最後の映像だ。
 その人は海軍の特攻兵だった。 といっても戦闘機乗りではない。 今でいう海兵隊のような部隊で、米軍上陸となれば爆薬を躰に括り付けて敵戦車の腹の下へ突入、自爆するものだ。 その特攻の日にちも決められ、その日付が 「これが貴様らの戒名だ!」 と命じられたという。 あの時の武者震いは忘れられないと、ことある毎に語ってくれた。 しかし、当該作戦決行の 「戒名日」 を待たずして、ウンカの如く襲来した敵爆撃機に兵舎も作戦本部も跡形もなくなり、その作戦遂行には至らなかったそうだ。

 その人の言葉を借りれば 「死ねなかった」 無念さが重すぎるのか、軍人魂が世俗風潮をはね除けるのか、世渡りが上手いとか要領が良いなどの評が決してあてはまらない人だった。 ただ、何をするにも潔く、上司やお得意さんに一礼する姿勢など、受け返事の歯切れ良い言葉までまさに軍人の礼だった。
 今ではかなり少なくなってしまったが、「○○戦友会」 という集いが昔はけっこうあって、何を放ってでもそれだけは顔を出したいと言うお爺さん達が少なからずいたものだ。 だがその人はそういう集まりには一切出向かなかったように記憶している。

 二人の息子さんがいたそうだが、長男が幼い頃に事故で亡くなったという。 そのせいか、世間知らずな小僧っ子の自分などは可愛がって貰った。 人間は潔くなければいけない、ケツは己で拭かねばならない、卑怯な手段をもって動いてはいけない・・・・。 そのようなことを自らの行動で示し教えてくれる人だった。 頑固者の職人だった自分の親父とどこか重なっていた。


 自分の先祖はおそらく平家の落人かなんかでしょう、戦後教育で育ってますンで武士道というのはせいぜいおぼろげに分かるような気がする程度で、どちらかと言えば、自分は武士よりも山本長五郎みたいなのが好きですね、今の暴力団とは明らかに違うような・・・・などと話をすると、ニヤリと笑う。 おお、そいつは面白い、次郎長か、あれは博打打ちの斬った張っただが大人物だ、と喜んだ。
 子供の頃からチャンバラ映画と長谷川 伸の股旅が好きなので、そう言うとますます眼を細めた。 あれのな、汚ったねぇ道中合羽でな、ボロボロの三度笠でな、品の無ぇ飯の喰い方がいいんだな、と夜の更けるまで道中無宿な話に付き合ってくれた。

 義理は欠いちゃあいけねぇよ、というのが親父の教えだし、なんでオイラに黙って逝っっちまたんだとの思いもあって、畑の冬支度も終わったので静岡まで線香上げに行ってきた。
 遺影は少し以前の、引き締まった元軍人の御尊顔だった。 もう一度お会いしとう御座いました。 呟きながらボロボロ泣けてきた。 少し耳が遠くなられたかに思える奥さんに深々と頭を下げられ、教わりました事を礎に私は今を生きております、と絞り出すのがやっとだった。


 そういえば富士山が文化遺産になったのだったなと、あまりの晴天にも押され、帰りがけに清水の美保へ寄ってみた。 いつの間にか久能から清水までの海岸線はハイウェイ並みの道路になっている。 人工物が良くない、などと評されたらしいが、このテトラも六脚ブロックも無ければ浸食され放題なのだからして、現状ではやむを得まい。 松原の管理も大変そうだ。 「活性剤を注入しています」 という札が各所の松に括り付けられている。 しかし、久しく味わったことのない 「松林の香り」 に満たされ、得も言われぬ気分になった。 松林の匂いは良い。 富士と合わせて写真を撮りながら呟きが出た。


   どうですかぃ、富士にゃあやっぱし松原で御座んしょう。
   振り分け荷物に縞の合羽、三度笠。
   ここにゃあそういう旅人さんが
   一番似合うじゃあありやせんかぃ。

   迷わず成仏しておくんなせぇ・・・・・。


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フェリー

 熊本の人吉まで行くのに列車使ってもいいけれど、生憎こちとら鉄道の趣味はひと欠片もなく、ウロウロ寄り道しつつ好きな時に好きな所に寝て好きな居酒屋で飲むというのんびり旅の方が性に合っている。 ちっちゃなクルマでチンタラ旅をすることにしたものの、大阪まで出て山陽道を行くのもかったるい。 よって、フェリー併用で四国を横断する事にした。 南海の萌えフェリー始発に乗れば、四国をどんなにまったり走っても陽の落ちる前に八幡浜から宇和島フェリーで晩飯前には大分の別府に着ける。

 八幡浜のフェリーターミナルは道路管理者と協議してもうちょっと何とかならないものか。 乗船待ちで並んでいる場所とフェリー乗車口の間に一般公道があるため、入り乱れて混雑し、車両誘導員も結構大変そうだ。
 豊後水道では紀伊水道より利用車両が格段に多く、宇和島フェリーに乗ると乗用車は船倉でなく二階へ上げられることが多い。 つまり甲板デッキに乗っけられる。 三時間ほど経って到着するとクルマが潮晒しになっており、降りた後はフロントガラスだけでも洗い拭きせねば乱反射してしまう。

 数時間だけとはいえ、それでも船旅は楽でいい。 トドかアザラシのように寝てればいいのだ。 バスの団体さんなどと一緒になるとやや賑やかで、中にはクソ喧しい大奇声を上げて喋くり続けるオバサンもいるが、寝れない程の迷惑騒音でもない。

 帰路の徳島ターミナルで時間潰しにキャラ商品のひとつも買って帰ろうかと物色したものの、萌えキャラ饅頭は無かった。 ^^;)  きらら&まいのタオルがあったが、一新されたキャラなので 「これは要らんなぁ」 と、初代キャラのシールだけ買った。
 売店にオニイさんがいたので、「おい、なんでセーラールックやめちまったんだよ。 あれじゃそこら歩いてる中学生じゃねぇか」 と、ひとくされブータレてみた。 「フェリーなんだぜ、船だよ、船。 セーラー服みたいなんでいいじゃねぇか。 以前のヤツの方がぜってぇいいぞ。 なんだかよぉ、今のヤツは近所の子みたいでよぉ、どうにもなぁ・・・」と。

 

「いやぁ、作者が代わったらしいんですよ」  さすがにオニイさん、苦笑い。 「なんでぇ、なんたら若菜ってぇ人と著作権の喧嘩でもしたのかい?」   「さぁ、そこまでは自分らも分からんですよ・・・・あ、それでも前の絵はあちこちにありますよ」、お釣りをくれながらオニイさん、また苦笑い。

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