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狂気

 このキナ臭さ、一朝一夕に消せるとは誰も思わない。 大きな車輪がゆっくりと、しかし確実に転げ始めたような漠然とした不安感が人々の中にないだろうか。 東欧の共産圏崩壊に見たような、破壊と再生を見据えた上での争乱とは明らかに異なる。
 人類社会は混沌とした中に狂気を生んだが最後、とことん殺戮を極めなければ理性的精神構造に立ち戻れないものなのか。

 人質を一人ずつ殺害する様を映像で世界中に流すやり方は、弱小集団が強大軍事国家相手に挑む手段として、やはりそれしかあり得ないのかとの絶望の思いに突き落とす。 多くの同胞が拉致連行されているこの国にとっても大変危惧される。

 唯一神以外は認めぬ狂信性は八百万の神を尊ぶ殆どの日本人にとって理解し難い。 独裁と武力強制。 或いは宗教的洗脳。 そこから生じる狂気と悲劇。 世界がある一定の周期をもって大量殺戮を伴う大争乱を繰り返さねばならないのであれば、人類の未来などない。 イスラム国の蔓延りは軍事国家同士のエゴが蒔いた種、その発芽でもある。 アワ喰って根絶やしにしようと欧米を中心に騒ぎ始めたが、困難さは否定出来ない。
 空爆だろうが地上攻撃だろうが、大型火器は使い辛い。 3万以上あるだろうという狂信的戦闘員はひとかたまりにそこに居るわけではない。 ミサイルぶっ放せば一般人を殺してしまう確率の方が高かろう。 武力制圧されている地元の民がこれから空爆の憂き目に遭う事は間違いない。