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NHKの愚行

 畑でラジオを流しつつ片付け作業をしていたら、なんと、「精霊の守り人」 を実写ドラマにするそうな。

ファイル 364-1.jpg 同じNHKだというから笑ってしまう。 あのアニメの女短槍使いを実写女優で演ろうというのだ。 「あずみ」 を実写映画化してとことん馬鹿にされたのと同レベルな愚行ではあろうに、と肩をすぼめて呆れる始末。
 綾瀬はるか? ふむ、化粧品のCMやってるくらいだし、大河ドラマで鉄砲撃ってたから今度は短槍を振り回させようということか。
 くだらない企画だから見る気もさらさら無いが、銭を徴収して成り立てているNHKなれば、ひとくされ文句を垂れねば腹の虫も治まらぬ。

 神山健治のアニメに於ける主人公・バルサは魅力的だった。 沈着な短槍使い用心棒ながら、ひとたび牙を剥けば 「虎」 になる凄まじさ。 一方でチャグムを見守る眼差しは母親であり、その身の上にあるべき生き方を説いて聞かせる。 タンダの好意には気付いているものの、己の生き方を変えることはしない。 哀愁に憂える表情を見せる時、どこか攻機2ndGIGの草薙素子と重ねてみたくもなった。

 原作小説はさておき、あのアニメ作品を好んで見た者はおそらく実写ドラマなんぞ見る前から幻滅の至りだろう。 バルサのキャラもそこでひとつの確固たる形が成されている以上、どうひいき目に見たところで 「無理な駄作」 にしかなりはしない。
 嘆かわしきは企画力の無さではないか。 朝ドラも大河も国民的ドラマと言われる程のコンスタンスな視聴率を得られている状況は、そこにあぐらを掻く怠慢を生んではいないのか。 韓国時代劇でも定期的に流しておけばオバサン視聴者を喜ばすことが出来る、というように安易な前例崇拝主義に陥っているのではないのか。 一定の評価を得たアニメ作品の尻を拝んで済ます企画を見れば、 「いや、これはアニメを見なかった人達のためにですね・・・また違ったバルサを見ていただければ・・・」 なんていう能書きも冷ややかに受け止められるだけに思う。

 どうあれ、これだけは断言出来る。 アニメ作品を楽しんだ視聴者からはおそらく総スカンを喰らうだろう、と。

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