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大正桜に浪漫の嵐

 夕方、ニュースを見終わってチャンネル繰っていたら、懐かしのサクラ大戦TV版の一挙放送を今からやるぞと出た。 一挙? おおそれは良いな、と飯を喰うのもしばし忘れてずっと見ていた。 2クール作品を半分ずつ二晩で放送するというヤツだ。

ファイル 373-1.jpg 当時は気付かなかった佐藤順一の名が絵コンテに1話だけある。 このアニメが作られていた頃はおじゃ魔女でもやっている時代だったか? また脚本に成田良美の名前もある。
 モーションキャプチャやトゥーンシェーディングが多用され始めたのはこの頃なのか、当時、このサクラ大戦TVのOPも既に使っているような映像に見えたものだった。
 どうであれ、面白い。 いつの時代に見ても面白い。 未だこの作品世界に根強いファンが多いらしい。 さもありなん。 設定のユニークな魅力は細部に行き届いている。 アニメーションの技術は段違いに進歩しているし、今や手作業という労力は希少価値となり、手作りとしての味わいがジャンル化している。 15,6年は過ぎようか、それでもなお、メディアミックス作品での魅力は色褪せていない。

 ゲームと異なり、全編動画のアニメにすると物語性により幅が出る。 こまかな端部エピソードも色々添付し易い。 ゲームでも数多くの枝葉を重いほどぶら下げることは出来るが、シミュレーションスタイルの分岐では所詮縦割りに過ぎず、因果をも含めた統一性という点ではひとつの物語として確立し得ない。 また、シミュレーションを持つゲームは縦割りの多様性故に値打ちがある。

 桜華絢爛、轟華絢爛などのOVAに比較すると、ゲーム作品視点では目新しさや作りのクオリティに見劣りは否めないものの、このTVアニメの色恋沙汰を外した書き直しなどは、帝都防衛の特殊機甲師団的要素が黒之巣会との攻防戦を前面に押し出す形となっており、ゲームでは描き難いおどろおどろしい部分もやや余分に味わえる。 また、諜報及び解析を担当する月組、夢組が活動する様子もここでは描かれているのがいい。

 日本人は桜だ。やはり桜の花が好きなのだ。