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羽原大介

 NHK朝ドラの冒頭テロップで羽原大介の名を見ると、なぜだか嬉しい。 言うまでもなく、かの脚本家は何を隠そう我が 「ふたりはプリキュア」 の “あの" 羽原大介であるからだ。
 まっさんの女房役である米国人女優のインパクトと魅力的立ち回りに惹き込まれるが、羽原大介が久しぶりにNHKのドラマを書いているという事実が自分を視聴させもする。

 初年度のプリキュアで振り返れば、ピーサードの最終戦、夏子と京子の偽物プリキュア、ポイズニー最終戦の偽物ほのか、さなえ婆さんの過去が見えるレギーネ初戦、文化祭のロミオとジュリエット、そしてあの第42話に於ける 「これがプリキュアだ、どうだ、見てくれ!」 とでもいうようなエピソードなど。
 マックスハートになれば、最終回をはじめ、莉奈のポンポコ物語や京都への修学旅行、第38話に於けるなぎほの二人のキャッチボール等々・・・・。
  羽原大介はホンマモンのプリキュアに欠かせぬエピソードをもたらしており、彼の書いたものなくしてプリキュアはここまで自分を魅了しなかっただろうと思われる。 その後もプリキュアシリーズで書いているのかどうなのか、この自分にはあまり興味のあるところではない。 マックスハートの最終回を彼が書いて終わった時点で 「ふたりはプリキュア」 という名作は終焉を迎えたのだ。

 東映、BANDAIのプリキュアブランドを確立したのは2年目までのなぎほのである。 それ以降はそのブランド名で喰っているに過ぎない。 かような辛辣とも言える論じ方は四方八方から批判されるかもしれないが、実際、そうではないのか。 もしも、なぎほのプリキュアが存在せず、その後に10年も手を変え品を変えして放映しているどの年度の作品を取り上げても、ナージャの後釜に据えてプリキュアブランドたるものが得られたろうかと考えてみれば分かろうというものだ。 東映、BANDAIはなぎほのに足を向けて寝てはならないのだ。 職場に神棚を設けてなぎほののホンマモンプリキュアを祀らねばならぬ。

 キャラ設定や年度構成や販促条件など、それはそれは練られたものであろうことは承知するにしても、各エピソードの毎週の楽しみは大人をも虜にした。 その中でまことに有り難い働きをしてくれた羽原大介に、NHK朝ドラを見ながら今、改めて感謝したいと思うのだ。