Organic Fertilizer

趣くままに、これ日々、雑記

目次

  • 戻る
  • RSS
  • 管理者用

記事一覧

INDEXⅡ 第18話

  • 2011年02月13日(日)06時42分

 ほんにまぁ、こっただえれぇモンどうやって使うだか? そうじゃそうじゃ、おい、ひとっ走り小学校行ってセンセ呼んで来いや、どうすりゃ動くだかさっぱり解ンねぇべさ・・・・・。

 その昔、三種の神器なる家電が田舎の町にも浸透し始めた頃には、全自動洗濯機を前に右往左往する神裂やオルソラ達と同じ光景がそこかしこで見られたことだろう。
 主電源が入った、それではと早速何か洗ってみたい。その衝動は今無理して洗わなくてもいいものを洗うはめにしてしまう。ここではありがたいことにシスター達が何の躊躇いもなく脱いでくれたが、昔の我が国ではおそらく子共達が裸に剥かれたのだろう。タライに洗濯板、そこへ砥石のようなでかい洗濯石鹸を擦り付けてゴシゴシやることもない。おおまさに神器じゃ、と人々は驚嘆の声を上げた。

 シスター達の黒いガウンや被りものは手で洗うに結構大変そうに思う。川で洗えばいいという発言から察すれば、川辺の石の上にべちゃっと置いて、そこらで拾ってきた流木でパンパン叩き洗いすることもあったのだろうか。着替えもなく下着裸でそれをやるとなれば道行く我々は目の保養をさせて貰えるが、藪の中から強姦魔でも飛び掛かってきたのでは助かったものではない。
ファイル 89-1.jpg 洗濯物として扱うに、彼女等のガウンはかなりかさばりそうだ。この自分の洗濯機なら2人分洗えるかどうかである。シスター4人分に神裂の帯を放り込んだとなれば、この機種はかなり大型なのだろう。下着姿となりその真白き肌を惜しげもなく視聴者に披露しつつ、取説に頼りながらもその機械本来の機能発揮にまで漕ぎ着けた彼女等には、厚く御礼申し上げると共に、絶大なる拍手を送って差し上げようではないか。

 宵闇に長剣を一閃煌めかせる精悍さも仁王立ちする凛々しさも、ここの神裂にはまるで無縁である。ゆかたの帯を奪われ、すっぽんぽんの裸体を曝して羞恥に赤面するおどけ役だ。真夏の花火大会に我等の目を惹くゆかた女性達はみなこのように下着を穿いてないのかと鼻の下伸ばす想像は、残念ながら当たっていない。妖しい羞恥をわざと求めるそのテの性癖を持つ人は別として、疎々たるゆかたや着物姿の和装麗人に今時下着無しの人はまずいまい。最近の下着はそのラインが表に浮き出ないようになっているのだ。
ファイル 89-2.jpg 冒頭に於けるアークビショップのあらわな濡れそぼりから始まって、シスター達の威勢良い脱ぎっぷりと下着無しの神裂と続き、ついでに10032号の縞パンツまで披露してくれる。なんともお色気サービスに満ちた第 18 話である。


 水上脚本にしてこれあり、とでも言おうか、美琴と10032号、アクセラレータとラストオーダーの掛け合いが素晴らしい。当麻君もアクセラレータも、共に迷子の子犬にまとわり付かれたような境遇に陥る。しかし彼等二人を対面させないところがまたミソで、物語は彼等の知らぬ処で意外な絡みを生みつつ進んでいるのがいい。

 「指輪」 と聞いて 「勝ち組」 に繋がるのか、10032号は奪われたゴーグルの件などすっ飛ばしてしまったようだ。そこで強引にも 「指輪を、ぜひ指輪を!」 と迫れないところが御坂の妹らしい性 (さが) である。身の上からなる性ならば、ひよこ饅頭を生き物として認識し、それが実験段階などと聞かされてにわかに怒り込み上げるのもまた然り。

 自身の過去に重ねられる悲しい誤認識は、アクセラレータとラストオーダーが小萌先生相手に見せた早とちりと同じである。彼等は脳を操作されない限り、死ぬまでその忌まわしい過去の記憶を背負ってゆかねばならない。ことアクセラレータに於いては、自分なりにそれをどう消化し決着付けるのかが今後のテーマなのだろう。黄泉川の接し方にも注目される。 クソッタレ! と吐き捨てても消せぬもどかしさ。彼にとって “鍵” はやはりラストオーダーの存在に違いない。
 
 そんなに 「妹」 って響きが好きか、と怒る御坂お姉さん。10032号でなくてもその僻み混じりのジェラシー・エネルギーは充分に感じ取れ、的を射た情報分析が可能だ。お姉さんはオバハンだなんて誰も思ってやしない。つまりは素直になれないのだなと、妹のセリフが鋭く胸をえぐる。やがては見透かされた狼狽を妹にからかわれる始末。お姉さんは立つ瀬無い。ラストオーダーが現れなければ美琴は10032号のオモチャにされていたことだろう。つくづく分かり易い反応のレールガンである。

ファイル 89-3.jpg 第 18 話はアクセラレータとラストオーダーのエピソードだ。この二人に黄泉川を加えた三人の語りはそれぞれ意味深く、そして重い。 心中を吐露する小さなラストオーダーが「あの人」と言い表す。ボロボロになったあの人を今度は自分が守ってやるのだと言う。ちっこいミサカにこんなセリフ吐かせるなど反則ではないかと、憎まれ口叩きながらたまらず泣けてくる。クソガキが、と毒突きつつも自由にならぬ脚で捜しに来たアクセラレータ、彼はそうするであろう事を知っているラストオーダー、それが今の彼等の繋がりだと簡単に片付けるには、我々はあまりにも彼等の物語を知りすぎている。

ファイル 89-4.jpg それ故に、人混みの中から “あの人” を見つけて手を振るチビミサカのあどけない姿は胸を打つ。雑踏を静まり返らせるかの如く自分の名を呼んでくれた彼のもとへ駆けゆく姿や、二人の兄がそれぞれの妹を見つけたかのような安堵、おいたの罰に連続チョップを与える仕草、そして並んで帰途に就く後ろ姿など、まるで欧州映画のラストシーンを見せられているかのようではないか。 この第 18 話、いやぁ、映画ってほっとにいいもんですね、と今は亡き水野晴郎を真似て感嘆に浸りたいくらいの一作である。

  • この記事のURL
  • アニメ
  • トラックバック(0)

石田ぁ~!

  • 2011年02月11日(金)05時04分

 NECO がガンパレード・オーケストラを流していたので、久しぶりに見た。朝日系列で放送していた頃は「白の章」だけしか見なかった。今見ても、のっぺりとした抑揚のない、一口で言えばさほど面白くない一品であることに変わりない。今回は 「緑」 も 「青」 も見てみるかと思うものの、それとて毎週楽しみにするほどの興味は湧かない。たぶん忘れてしまうだろう。

 2クールに三部作という作りは明らかにゲームの宣伝、PV代わり程度の発想だろう。「白の章」をまた見たのは他ならぬ石田咲良のキャラデザインが気に入っていたからだ。この制服がいい。雪ウサギの南天オメメみたいな紅い瞳も悪くない。
ファイル 88-1.jpg 見た目に大層キュートで凛々しくもあるのだが、これほど色気のないヒロインも滅多に見られぬ希少価値がある。肝心のゲーム上ではどうなのか知らない。とにかくこのアニメではノンセクシャルな主演である。思春期少女のボディラインでありながら、少女らしさが一向に窺えないのだ。ペンギンの大きな抱き枕を愛用し、本部出張にまでそれを持参で行くのも、餡蜜を食っている姿も、女の子らしいといえばらしい。だが、そこらに初々しい少女の香りがない。 たった9話の中にゲームの世界観を詰め込んで紹介すべく構成されているせいか、惚れた腫れたなど挟める余地もないのだろう、新米中隊長殿の悪戦苦闘物語に終始するだけである。

 それでもこの少年のような石田を好きである。己の嗜好にもまったく困ったものだ。お断りしておかねばならないが、自分はけっして制服フェチではない。 いや、石田の制服姿がたまらんというからにはキモいフェチなのか。 いやいや、断じてさようなことは・・・・。

ファイル 88-2.jpg

  • この記事のURL
  • アニメ
  • トラックバック(0)

いつもの茶番ながら

  • 2011年02月10日(木)22時33分

 菅と小沢が何をコソコソ話したのか、前もって世間が見透かしている通りのなりゆき。それこそ臭い芝居である。菅にしてみれば、一応要請だけはしたのだから党代表・総理の務めはこなしているとでも言いたいのだろうか。いくらなんでも党員資格停止なんぞで逃げようとしているならば、野党の追及は激しさを増すばかりだ。
 確かにCIAの工作もあるだろうし、小沢個人へ向けられたよからぬ力は存在するだろう。それにしても脇が甘すぎるし、若い衆を自分の囲いに閉じ込めてしまい、お前達は何も考えなくていい、“オザワ先生” の言うこと聞いて地元で選挙対策だけしていればいいのだ、といったいかにも旧自民党らしい手法は時代遅れぶりばかりが目に付く。今の自民党の派閥領袖でもここまでやれるやつはもう既にいない。

 一体誰が党の代表なのか。代表選で勝った菅なのか、その菅が御機嫌窺う小沢なのか。小沢派と反小沢派とに分けるならば、実に仲の悪そうな二つの政党が無理矢理同居しているようなもので、それぞれ他党との連立の方がまだ風通し良さそうに思える。その意味ではとうの昔に分裂したままの民主党なのであって、政権の座から降りたくない延命しがみつきというだけで同一政党のふりをしている。これでは野党が付け込むのも当然だ。党としての機能が全くないのだから 「党案を出しなさい」 と攻め込むのが手っ取り早い。そんなもの出せっこないのが分かり切っているからだ。

 驚くべきは、それでも今の政権支持率が 20 % あるという事実。 10 人に 2 人以上が支持するという訳だ。それが自民党アレルギーから来るものであれば、目の覚めるような変貌を遂げられない自民党の罪も甚だ重い。自分達が築いてきた政財官の癒着利権構造に対する画期的な対策を掲げねば、10 人に 2 人は今の腐れ政権の方がマシだと思っているということではないのか。

  • この記事のURL
  • 政治・社会
  • トラックバック(0)

お茶、コーヒー、パン

  • 2011年02月09日(水)01時40分

 コーヒー豆が値上がりだというので、姑息でみみっちい自分は少し買い溜めとばかりに多めに買ってきた。いつも炒った豆をその都度ガリガリ挽くので、炒り豆を切らさぬようにしている。これの値が上がるのはちと困りものだ。

 だいたいロシアなんてのはジャム舐めながらお茶飲んでればいいんじゃないのか、中国だってあの茶壺にどぼどぼ溢れさせてお茶飲むのだろう、インドなんてのはそれこそ紅茶の本場ではないか、何が悲しくてコーヒーなんぞの需要が急増するのか、などと言ってはいけない。我が日本人も昔ほどお茶を飲まなくなったそうだ。

 ペットボトルや缶のお茶は買って飲むというのに、家庭でお茶を入れて飲む機会が確実に減っているらしい。緑茶にせよ焙じ茶にせよ、寿司屋のあがりに至るまであれはいいものだと思うのだが、妙なハンバーガーだとか菓子パン類を食べる頻度に応じて、日本茶の需要も昔ほどでなくなっていくのだろう。
 お茶は飯を食った後に口の中が掃除される気分になる。いきおい、お茶で口の中をぐちゅぐちゅやる人もたまに見掛ける。あれは人前ではよした方がいい。確かに渋いお茶の成分は歯ぐきなども引き締めて綺麗にしてくれるが、やるなら洗面所でやるべきだ。

 菓子パンの部類になるのかどうだか知らないが、ヤ○ザキの 「食べきりサイズのフランスパン」 というやつを気に入っている。近くのパン屋でバゲットをよく買うものの、できればその時に喰ってしまいたいのだ。ヤ○ザキのそれは量が丁度良い。しかも日本人好みに中身がもっちりさせてある。然るに、バリッとした表面感触を求める人には向かない。
 ある日、いつも行くスーパーの陳列棚からこいつが消えた。けしからん、実にけしからん。メーカーが作らなくなったのか、売れ行き芳しからずで置かなくしたのか判らないが、言語道断、横断歩道だと憤慨している。

  • この記事のURL
  • 身近な話題など
  • トラックバック(0)

INDEXⅡ 第17話

  • 2011年02月06日(日)06時23分

 OPも新しくなり、キャラの衣装も冬向きになった。既製品のコスプレ衣装では常盤台中学の制服が最も売れたのだとかいう話であるから、この冬制服もまた売れるだろうか。
 ただ、美琴や黒子の夏制服がそれだけ好かれたのには 「禁書目録」 という世界観の面白さやワラワラとゴキブリの様に登場した御坂妹達の同制服姿以外に、外伝作品である 「超電磁砲」 の人気要因も見逃せない。希代の名オープニングだと未だ感慨深い 「only my railgun」 を用いた傑作OPアニメーションがファンのハートを鷲掴みにした如く、御坂美琴ら娘達の躍動する姿が 「とある」 シリーズの屋台骨であるのは誰もが認めるところではないか。
 魔術で周囲を制するインデックスよりも、激しく跳んで回る美琴や黒子のアクションに目を奪われるのも無理はなく、白いシスター衣装より常盤台中学の制服の方が売れても不思議ではない。なにより、常盤台中の制服コスプレならば街中の何処を歩いたとて目立つものではなかろう。そのまま冠婚葬祭に参列したところで奇異な眼差しを向けられる心配もない筈だ。

 秘かに女性週刊誌を読み耽り、他のシスターズに内緒でダイエットしていたらしい19090号の目的は “勝ち組” を目指すものだったのか。その一体だけ天然オイルを入れて貰ったバトーのタチコマが脳裏に浮かぶ。
ファイル 85-1.jpg 淡泊で無表情な瞳。 それでもその目を皿のようにして、これで貴女も勝ち組の仲間入り! なんて見出しの記事を、背を丸めて週刊誌を隠しながらも食い入るように読んでいる19090号を想像すれば、可愛らしくもあるではないか。
 彼女が他の妹達からどのような仕打ちを受けたのかはさておき、揃ってリハビリを始められるまでに回復したのはめでたい。医師から冬服を渡されるシーンに於ける一連の可笑しさはミサカネットワークあればこそで、並列状態であるべき中になんでお前だけ内緒で気色良い情報を元にダイエットなんぞしやがって、という笑いだ。無表情のまま抑揚無く淡々と喋るセリフ故に可笑しさが一層際立っている。
 
 黄泉川のマンション入口、10032号とラストオーダーの掛け合いも見事だろう。幼児の 「駄々っ子交渉術」 とは上手い表現で、幼児の頃は深い思慮や策略など巡らせはしないが、おそらく大人共の反応を体感蓄積しているのではないか。無意識下で「大人はこうすればオチやすい」という信号がもしかして脳から発せられるのではないだろうか。しかし、溺愛を誘うほどに可愛らしく見える筈だなどと下衆な考えまでは無さそうに思える。何事にも手助けを必要とする幼い生き物の本能だろう。臭い芝居でそれを用いるラストオーダーに笑ってしまうではないか。

ファイル 85-2.jpg それは同姓には逆効果だと跳ね返す10032号。 そうなのか、女性には腹立たしいのかと考える。 要するに “ぶりっコ" は最も嫌われるという事なのだろう。確かにそのようなお嬢さんは女性の間で村八分にされやすい。いけ好かないヤツ、サイテーなのだ。そこまで知識の無かったラストオーダーの負けである。だが、ここでまた考える。ラストオーダーではなく、小萌先生ならばどうだろうかと想像してみる。

 説明不能な生き物とはまたひどい言われようで、細胞老化抑制の研究モルモットだと勘違いされるくだりは可笑しくもあり少し悲しい。この小萌先生ならば “ぶりっコ" にはほど遠く、むしろ必死に大人ぶって見せようとするこまっしゃくれたマセガキだと受け取られるかもしれない。
 彼女の良いところは真面目でひたむきな性格にある。よって、彼女が涙ながらに御坂妹のスカートを引っ張って訴えれば、万に一つゴーグルを貸して貰えるかもしれないではないか。想像してみて欲しい。ピンクの小さな彼女が泣きながら自分に縋る姿を。三日三晩メシ抜きになったとしても彼女の願いを叶えてあげたいと思うではないか。


 御坂美琴は 「超電磁砲」 では正真正銘の主役にて、大人びた落ち着きをも含む頼り甲斐あるオネエ様、カッコいいオネエ様が前面に押し出されていたが、「禁書目録」 に戻れば中学少女並の恋心、その稚拙で愛らしい露見が再び展開される。 にしても、第1期作と比べればその感情にややの膨らみが窺え、なるほど当麻君への思いも本人が気付いているや否や、その炎、体内でかなり大きく燃え始めているのかもしれない。
 何でも言うことを聞く罰ゲームなのだからと、あれをさせ、こういう事もさせて、ムフフフ・・・と、その日を夢見る毎夜の寝姿には、黒子の狂おしいまでの嫉妬もドス黒くはなるだろう。オネエ様の見ている夢はあの類人猿との淫らな絡みに違いないとでも想像するのだろうか。黒子ならかくなる妄想もあり得そうで、それなら毎夜寝付けまい。

ファイル 85-3.jpg 思えばかなり強引ではないか。まだイタリアにいる当麻君に釘を刺し、ここで捕まえたが百年目とばかり服従を要求、要求、また要求。 ハンディアンテナ、ペア加入の通話料割引で男女ペアならゲコ太ストラップ進呈のキャンペーン。これに目を付けたのは一挙両得を狙った渾身の企てだった。 が、しかし、毎度の事ながら自分の思いを悟られるのを極度に恐れる縮こまりは如何ともし難く、慌てふためく赤面狼狽の様は、情け無いかなそこでもう一歩踏み込む勇気を奮い起こせぬ少女の純情である。 美琴はこうでなくては、と期待を裏切らぬ展開である。 ただ、ひきつった顔のツーショットとはいえ幾枚かは写されているのだから、それをささやかな収穫とすればよい。最も寄り添った一枚は黒子に邪魔されてボツになり、あの時にどきまぎせずさっさと写してしまえばと後悔しても後の祭だ。 恋とは、ラブコメとは、そういうものなのだ美琴君。 だから面白いのではないか。


 水上清資による少年少女の恋心で想い出すのは 「GUNPARADE MARCH」 のTVアニメ版 「新たなる行軍歌」 だ。ツンツン娘を絵に描いたような芝村舞と草食系そのものなぽややんのラブコメは、胸キュンながら端々がとても可笑しくて好きだった。徹底的に情け無い少年とそれに苛立つ勇猛且つ頑固一徹な少女である。この二人が一緒になってしまえば、ぽややんの残り人生は間違いなく恐妻家として生きねばならんだろうと思わせる可笑しさがあった。
 水上はこの作品12話中で5話分を担当しているが、やはり見せどころ脚本として強く尾を引くのはラスト2話で、クリスマスの買い出し作戦から大晦日、新年に至るまでを描いた、誤解と思い込みによるすれ違い、そして痛恨のひとことに振り回される双方の葛藤と恋慕だろう。
 幻獣相手に人型戦車で戦う5121部隊の話でありながら、ああこれはこの両名のラブストーリーであったのだと印象付ける仕上がりには意表を突くものがあり、やや学園ドラマ的な様相を漂わせつつも大人びた判断と決断に至る最後の停電エピソードなどは両キャラクターを昇華せしめるばかりの出来だった。

 この 「禁書目録Ⅱ-第17話」 を見れば、美琴と当麻君が先行き一緒になったとして、やはり賑やかなどつき漫才の家庭になるのではと思わせる。学園都市に舞台を戻したこの第17話、美琴に黒子だけでなくお馴染みの華やかな面々が溢れかえっているのが嬉しい。また、ワンショットギャグではない水上脚本の可笑しさが随所に見受けられ、楽しめた一作でもあった。
 黒子がオネエ様の闘いを知る第6話と第7話も水上が書いており、バスルームで美琴から隠れて傷の手当てをするくだりや、結標淡希とサシのバトルなど、さすがに 「超電磁砲」 のシリーズ構成だと思わせる。水上清資には今後も美琴と黒子のコンビにその大いなる力量を発揮して貰いたい。

  • この記事のURL
  • アニメ
  • トラックバック(0)

八百長騒ぎ

  • 2011年02月04日(金)17時13分

 大相撲の八百長騒ぎは、やくみつるの所見あたりがもっともらしく聞こえる。つまり相撲界の体質もタニマチも相撲ファンもみな同罪、おそらくそんなところだろうと踏んでおきながら黙認してきたツケであるという訳だ。
 その背景には 「みながみなそうではなかろう」 という腐食度合いの過小評価と、「そりゃまぁそんなこともあるだろうよ」 と波風立てるのを嫌う放任姿勢がある。日本人に限った性質ではなく、政治屋や役人の贈収賄が絶えぬ現状からでも判るように、人類社会の 「まぁまぁ堅いこと言いなさんな」 的展開なのだ。

 同じ興行でもプロレスというやつは早くからショーの要素が浸透し、人々はそれを承知の上で熱狂した。反則だらけのヒールにひどい目に遭わされ、這々の体で逃げ戻る吉村道明からタッチ交代した千両役者・力道山が悪役白人をやっつけるという、極めて単純明快なストーリーが高度成長への国民意欲を後押しもした。家庭のテレビ普及は大相撲、プロ野球と共にプロレスの存在抜きには語れまい。

 プロレスが欧米のショー的要素を上手く時代に合わせたものであったのに対し、相撲は国技とされていて、神前に奉納される神聖且つ冒さざるべき祀り事、神事儀礼に相当するという概念を強いていた。そういう土台がプロレスとはあまりに違う。
 それ故、人々が敢えて口の端にもしなかった裏側の汚点が表に出されると、それは俄に 「忌むべき部分」 となる。薄々感じてはいたものの、相撲ファンはその下劣な汚さをあからさまに見せて欲しくはないのである。見たいのは表舞台、花形役者の名演なので、楽屋で尻をボリボリ掻きながら鼻の穴ほじってる姿なんぞ見たくはないのである。

 裏ではそうなのかもしれないと漠然たる暗さを感じつつも、それを表立って知らされてしまったのでは相撲ファンの懐く嫌悪感は甚だ大きいだろう。蓋をしたまま見えぬ処で上手く掃除してくれるならまだしも、確たる証拠と共に目の前に突き出された事実への歯痒さや、やはりそうだったのかと崩れ落ちる偶像、もはや後戻りできぬ失望の鬱に、怒りの矛先は相撲界へと向けるしかないのである。

 理事になった貴乃花という若い親方が言っていたように、タニマチに囲まれ、何でもごっつぁんな在り方に問題もあるのだろう。ついでに星勘定も互助会形式で、という訳だ。競い合う勝負師であるべき相撲取りが労働組合ごっこでは話になるまい。
 新聞屋の親玉はじめ各業界の重鎮達が絡んでいる筈だから、協会そのものを路頭に迷わせるまではしないと思われる。国民のための国技という象徴的側面もあり、天皇杯も内閣総理大臣杯も、天覧相撲という面もある。ただ、それも今後発覚する規模にもよる。膿を出し切れと言われるが、どこまで出していいものか、国民に植え付けてきた格式と伝統というものが自浄行為と天秤に掛けられるであろう事は想像に難くない。

  • この記事のURL
  • スポーツ
  • トラックバック(0)

どのツラさげて

  • 2011年02月03日(木)18時49分

 厳つい赤軍合唱団のおじさん達による 「トロイカ」 を古ぼけた蓄音機で聴きながら、ハラハラと落涙に身を任せる民主党議員もいるのではないかと思ってしまう、この惨めでしかない通常国会。


  凍りつくヴォルガ川の上を走り行くトロイカ
  馬を操る若者の悲しい歌がひびく

  「何を嘆くか若者よ」 優しく尋ねる白髪の老人
  「聞かせてくれ 心の中の悲しみを そのわけを」

  ああ優しい親父さん あの娘に惚れた一年前
  異教の村長が目を付けて 苦しむ俺はただ耐えるだけ

  外はもうすぐクリスマス あの娘にはもう届かない
  金持ちの村長に嫁いでく 楽しい日々ももう終わりだ

  若者は黙ってムチをしまう
  「おい馬共!止まれ!静かにするんだ!」 悲しげな若者の溜息が響いた

                --- by worldfolksong.com ---


 野党時代に小沢、鳩山、菅 というトロイカの名を売った民主党。 政権の座に座ればそのトロイカの三馬が最も悪臭を放ち、国を混乱に陥れたのは皮肉と言うべきか。 いや、なるべくしてなった然るべき姿と言うべきだろう。
 与党幹事長の実権を握った途端に強権発動、傍若無人、ごり押し横暴三昧な小沢。 お前はハイネの愛の詩でも語っているのかと思える現実離れな理想論しか喋れないボンボン小僧の鳩山に、未だ批判政党根性丸出しで、挙げ句は手当たり次第抱き付きまくるしか出来ない菅。 三馬共この豪雪の中に浮かれてウオッカを飲み過ぎ、道さえ判らず脚も挫き、てんでバラバラに引っ張り合っているうちに倒れ込んでしまった。 おかげで橇の荷物はみなコケた。ろくでもないトロイカである。

 白紙から与野党議論しようではありませんか、だから野党案の具体的内容を提示して下さいよ、などと言うのは一見門戸を開いて自由会議場を提供しているように聞こえるが、実は小学校の学級会的なチイチイパッパでしかなく、私らでは政策立案すら出来ませんのでどうか助けて下さいと縋っている。積み木をバラバラに崩してしまい、積み直すどころか元の形にさえ戻せず、大人の顔を見て泣きわめいている幼児そのもので、極めて惨めったらしく哀れ。ふざけるなこの野郎と国民は怒りこそすれ叱咤激励の余地など全くない。

 そもそも、白紙から与野党議論を願いたいとはどういう了見か。それならそれで政権奪取した総選挙の際に、そういう国会運営が私どものスタイルなのですからどうぞよろしくと有権者に説明すべきだろう。実際やったことはその逆で、デカデカと大風呂敷を広げまくっては国民が泣いて喜びそうな甘い蜜汁滴るマニフェストを用い、そのパンフレットで有権者の横っ面をひっぱたいては票を獲得したのではないか。民主党に票を投じた者共が 「欺かれた、まったくの騙し討ちだ」 と憤るのも当然である。

 政権を担う与党として理念なりビジョンなりというものがないのか、と自民の石破は突っ込む。そういうものがきちんと出せないのは党としての統一見解がまとまらないからだろうと畳み掛ける。 的を射ている。 党をまとめられないのなら党を割れ、とバッサリ切り捨てる。 その通りではないか。
 雑多寄せ集め集団。批判だけしている政党ならばそれでもいいだろう。しかし与党として国家を与るに超多党連立政権と同じ形態では、よほど力量ある世話役がいなければそれぞれアサッテ向いて言いたい放題、ただの烏合の衆である。カネと数合わせだけに長け、肝心の本業に能がないのでは、さっさと分裂して貰わねば国民はたまったものではない。

 衆院選に勝って政権を取った日、のぼせ上がるばかりで、如何なる民意で勝たせて貰ったのかが解っていない。労組に支えられているような政党に公務員改革なんぞ誰も期待してはいなかったのは明白で、長年続いた自民党政権を降ろしたのだから速やかに政界再編に動けという民意のうねりではなかったのか。そもそも爆弾を幾つも抱かえたままの与党に、お前達に全て任せるなどと国民の誰も頼んだ覚えはない。
 読み書きソロバンの基本がない。動勢を読めず政策も書けず銭勘定も出来ないままに、音痴な外交と税金バラマキが使命であるとの戯言を言い続け、内紛と国民の罵倒に八方塞がりとなり果て、ま、ま、みなさん落ち着いてみんなで議論致しましょうとはどのツラさげて言えるのか。

  • この記事のURL
  • 政治・社会
  • トラックバック(0)

アジア杯 優勝

  • 2011年01月30日(日)03時15分

 よくやったザッケローニ・ジャパン、未だ負け無し。長友から李へと絵に描いたようなクロスボール、待ってましたのボレーシュートが綺麗だった。高さで勝り攻め続けた豪に精神的ダメージを与えるに充分だったのではないか。
 ドーハの悲劇からもう何年になるのか。その同じ地で並み居るアジア強豪を接戦で勝ち抜いた優勝カップの重さ、意味は軽いものではないだろう。

 高さと脚力でどうしても劣勢。カバーするのは素早いパスワークだろうが、安易なショートパスを面白いように奪われてしまう脆弱さが目に付く決勝戦でもあった。ここまでくれば蓄積疲労もかなりあるのだろう。その中で豪に得点させなかった総力の守りは立派ではないか。

 MVPに選ばれたのは本田圭。今大会で自分の目を惹いたのは守護神・川島といぶし銀・長友。よくやってくれた、本当にご苦労様だった。現地スタジアムに乗り込んだサポーターだけでなく、政治不審な日本国民にせめてもの光明を与えてくれたザッケローニ・ジャパンに感謝したい。

  • この記事のURL
  • スポーツ
  • トラックバック(0)

哀れ、ナオ吉

  • 2011年01月28日(金)22時48分

 なりふり構わず縋り付く・・・の名場面。 



「頼む、ナツ子ォ~、オレを見捨てねぇでくれぇ~!」

「しつこいねアンタも、いい加減にしとぉくれ!」  ドスッ! バキッ!

「ぅぐぁっ! おめぇも去年はその気だったじゃねぇか。
             な、なんでいきなり邪険にすンでぃ!」

「フン、イチさんならともかく、あたしゃね、アンタに気があるなんてこたぁ、
        ひとっことも言った覚えはないさ。世間様も見えないこの能無しが!」

「な、なんだとぉ・・・!」

「アンタのやってることはなんだい! 長屋からイチさんを追い出そうってンだろ。
   あン人はね、ウチの父っつぁんのお墨付きなんだよ。知らないのかい、唐変木!」

「そ、そりゃ、大作爺とイチ野郎の仲は知ってらぃ! け、けどよ、このまんまじゃ
    オレぁ首括らにゃなんねぇんだ! 頼む、ナツ子ぉ、オレを助けてくれぇー!」

「うっさいね! ヤだったらヤなんだよ!」  ボカッ! ボカッ! バキッ!



 それにしても哀れである。 ストーカー用GPSを足首に巻かれないうちにナオ吉は退散した方が身のためではないだろうか。

  • この記事のURL
  • 政治・社会
  • トラックバック(0)

かぁくぎゅうつ

  • 2011年01月27日(木)20時47分

 言い間違え、読み間違えはするわ、質問内容はすっ飛ばすわで実にしまりがない這々の呈。元より突っ込まれどころ満載にて先客万来の一大バーゲンセール国会だ。
 与野党で熟議を願いたいというのは市民運動家らしい反面、それではお前達政府はどういう策を持っているのかと突っ込まれれば何もないのである。野党の皆さんにもぜひ御協力願って・・・との低い腰は決して謙虚な姿勢ではなく、自民幹事長の言う「縋り付き」そのものだろう。鳩山も菅も、国政をしっちゃかめっちゃかにしておいて、身動き取れなくなったので責任を分かち合いましょうというのでは虫が良すぎており、根性が腐りきっている。

 実際の話、代表質問に対し何ひとつまともに答えてはいない。言い逃れさえ出来ない状況であるのが判る。現実を直視しない以上、野党は激しく突っ込みこそすれ論壇に上ってはくれまい。ヨレヨレながらも延命だけを考える麻生政権末期と同じである。そういえばあの総理も度々漢字を読み間違えた。
 「席巻」を「せきまき」と読んだNHKの女性アナなら、新婚の浮つきで心ここにあらずなんだろうと嘲笑されてそれで事は済むが、一国の首相答弁で他人の書いた原稿をアワくって読み違えるなどは「恥」と思わねばならぬ。

 自民党時代よりこの首相はイラ菅で煽られ易く、野党時代の突っ込みには饒舌であったが、こと守らねばならん立場になるとイラ菅が邪魔をして滑舌機能がまったく働かなくなる。痛いところを突かれて早く反撃に転じたいとの心理からか、実にいい加減な日本語発声になるのだ。
 「熟議いただきたい」 が 「熟議いたぁきたい」 になり、「科学技術」 などは 「かぁくぎゅうつ」 となるのである。障害を持つ人が懸命に発声練習して話してくれるのとは訳が違う。お前、内閣総理大臣だろう、辛いのはもっともだろうが、もうちっと落ち着いて喋れよとこちらはTVの前で呟いてしまうのだ。

  • この記事のURL
  • 政治・社会
  • トラックバック(0)

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ移動
  • ...
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 32
  • 33
  • 34
  • ...

最近の記事

陵辱された国民
2015/09/19 20:29
サトジュンのせらむん
2015/08/24 22:05
大正桜に浪漫の嵐
2015/03/27 02:12
甘すぎる風潮
2015/03/13 02:06
ローリング☆ガールズ
2015/01/11 08:58
プロのソリスト
2014/12/23 23:46
羽原大介
2014/11/30 01:45
カジノ
2014/11/07 01:14
躾け
2014/10/03 22:53
狂気
2014/09/16 01:00
燃費
2014/08/25 23:27
NHKの愚行
2014/08/04 23:41
この夏 雑感
2014/08/04 09:57
天才女優
2014/06/19 00:46
妹に魅せられて
2014/05/21 00:53
Scripted by Web Liberty / Designed by uz