記事一覧

どのツラさげて

 厳つい赤軍合唱団のおじさん達による 「トロイカ」 を古ぼけた蓄音機で聴きながら、ハラハラと落涙に身を任せる民主党議員もいるのではないかと思ってしまう、この惨めでしかない通常国会。


  凍りつくヴォルガ川の上を走り行くトロイカ
  馬を操る若者の悲しい歌がひびく

  「何を嘆くか若者よ」 優しく尋ねる白髪の老人
  「聞かせてくれ 心の中の悲しみを そのわけを」

  ああ優しい親父さん あの娘に惚れた一年前
  異教の村長が目を付けて 苦しむ俺はただ耐えるだけ

  外はもうすぐクリスマス あの娘にはもう届かない
  金持ちの村長に嫁いでく 楽しい日々ももう終わりだ

  若者は黙ってムチをしまう
  「おい馬共!止まれ!静かにするんだ!」 悲しげな若者の溜息が響いた

                --- by worldfolksong.com ---


 野党時代に小沢、鳩山、菅 というトロイカの名を売った民主党。 政権の座に座ればそのトロイカの三馬が最も悪臭を放ち、国を混乱に陥れたのは皮肉と言うべきか。 いや、なるべくしてなった然るべき姿と言うべきだろう。
 与党幹事長の実権を握った途端に強権発動、傍若無人、ごり押し横暴三昧な小沢。 お前はハイネの愛の詩でも語っているのかと思える現実離れな理想論しか喋れないボンボン小僧の鳩山に、未だ批判政党根性丸出しで、挙げ句は手当たり次第抱き付きまくるしか出来ない菅。 三馬共この豪雪の中に浮かれてウオッカを飲み過ぎ、道さえ判らず脚も挫き、てんでバラバラに引っ張り合っているうちに倒れ込んでしまった。 おかげで橇の荷物はみなコケた。ろくでもないトロイカである。

 白紙から与野党議論しようではありませんか、だから野党案の具体的内容を提示して下さいよ、などと言うのは一見門戸を開いて自由会議場を提供しているように聞こえるが、実は小学校の学級会的なチイチイパッパでしかなく、私らでは政策立案すら出来ませんのでどうか助けて下さいと縋っている。積み木をバラバラに崩してしまい、積み直すどころか元の形にさえ戻せず、大人の顔を見て泣きわめいている幼児そのもので、極めて惨めったらしく哀れ。ふざけるなこの野郎と国民は怒りこそすれ叱咤激励の余地など全くない。

 そもそも、白紙から与野党議論を願いたいとはどういう了見か。それならそれで政権奪取した総選挙の際に、そういう国会運営が私どものスタイルなのですからどうぞよろしくと有権者に説明すべきだろう。実際やったことはその逆で、デカデカと大風呂敷を広げまくっては国民が泣いて喜びそうな甘い蜜汁滴るマニフェストを用い、そのパンフレットで有権者の横っ面をひっぱたいては票を獲得したのではないか。民主党に票を投じた者共が 「欺かれた、まったくの騙し討ちだ」 と憤るのも当然である。

 政権を担う与党として理念なりビジョンなりというものがないのか、と自民の石破は突っ込む。そういうものがきちんと出せないのは党としての統一見解がまとまらないからだろうと畳み掛ける。 的を射ている。 党をまとめられないのなら党を割れ、とバッサリ切り捨てる。 その通りではないか。
 雑多寄せ集め集団。批判だけしている政党ならばそれでもいいだろう。しかし与党として国家を与るに超多党連立政権と同じ形態では、よほど力量ある世話役がいなければそれぞれアサッテ向いて言いたい放題、ただの烏合の衆である。カネと数合わせだけに長け、肝心の本業に能がないのでは、さっさと分裂して貰わねば国民はたまったものではない。

 衆院選に勝って政権を取った日、のぼせ上がるばかりで、如何なる民意で勝たせて貰ったのかが解っていない。労組に支えられているような政党に公務員改革なんぞ誰も期待してはいなかったのは明白で、長年続いた自民党政権を降ろしたのだから速やかに政界再編に動けという民意のうねりではなかったのか。そもそも爆弾を幾つも抱かえたままの与党に、お前達に全て任せるなどと国民の誰も頼んだ覚えはない。
 読み書きソロバンの基本がない。動勢を読めず政策も書けず銭勘定も出来ないままに、音痴な外交と税金バラマキが使命であるとの戯言を言い続け、内紛と国民の罵倒に八方塞がりとなり果て、ま、ま、みなさん落ち着いてみんなで議論致しましょうとはどのツラさげて言えるのか。