Organic Fertilizer

趣くままに、これ日々、雑記

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さても不信任案

  • 2011年06月01日(水)21時51分

 解散・総選挙になるのは困るからと首根っこ押さえられる議員達。 ちょいと待て、それはどういう了見なのだと言いたいのが国民有権者。
 今、解散されては自分が選挙で勝てる見込みがないからという理由で国政の方向を決めるというのである。 マスコミもそれが当然の如く報じている。 それはおかしいだろう。 そこに選んでいただいた真の義はあるのか。 政を司る身として、理を説明できるのか。 頭の中にあるのは我が身の保身だけだろう。 与党も野党も万事この調子。 なんたらチルドレンや、なんたらガールズなどというのはまるで話にもなりはしない。 裏を返せば、有権者が如何に馬鹿であるかということだ

 この時機、解散だけは避けたいと狼狽えたその時点で既に選出議員の資格放棄ではないか。 誰もお前達個人のために票を投じているのではない。 そこまで再選の危機感を持つのであれば、どうして有権者の意向を汲む政治活動をしなかったのだと糾弾されても仕方なかろう。 身から出た錆とはこのことである。 神妙にお白州に座し、裁きを受けるがよい。

 ただ、解散・総選挙を打てるだけの気骨、国を思う気概が総理にあるかといえば甚だ疑問。 返す返すも国民は不幸である。

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利権構造体

  • 2011年05月31日(火)11時33分

 貴族共、何故にバラなんぞを歌うか。人民を養うデモクラシーのジャガイモを歌え!

 ハイネなりな血の叫びといったところだろうか。 政官財、そして学とメディアをも含めた五者により構築された現代日本の利権構造。 その見事なまでなシステムの前に、人民の力はあまりに弱い。

 官邸はその場しのぎに役人制作の耳障り重視な発言を繰り返し、世界に向けては無能丸出しの嘲笑買い声明で恥をかき、銭がないなら人民から更に巻き上げればそれで済むと馬鹿殿ぶりな高笑い。
 業界がお役所的独占電力業者と国家政策の下にある以上、電気料金値上げは実質的増税である。 さらに復興税だの消費税増税だの、ここぞ絶好機とばかりに年貢の吊り上げに掛かっている。 被災地、被災者が大変困っているのだからと、それにかこつけて横行している詐欺犯罪とまったく同類である。 端的な話、彼等利権構造体のやることは国民に対する「震災詐欺」なのである。

 銭がないなら年貢吊り上げ前にまず身を切らねばならないだろう。 あの徳川ですら 「飯は一汁一菜」 とやったのだ。 今のあまりに高額な議員報酬や公務員人件費は、庶民一家に喩えれば親父のパチンコ代、いわばむざむざとドブに棄てている血税国費である。 赤字なれば最初にそこから手を付けるのが筋道というもので、もはや無駄遣いではなく組織規模の公金横領行為である実状を正さねばならぬのは幼児のママゴト世界でも正道にして真理。 御用メディアはそこに一切触れず、国会は権力しがみつきと引き摺り降ろしの政局算用に終始。 未曽有の震災を人質に取った悪辣極まる政権争いである。 省庁はこれ幸い、描いた通りな展開に着々と利権基盤固めや増税画策にホクホク顔なことだろう。

 列強の侵略帝国が何をほざくかという思いが最初に来るものの、「民衆を支配するのは議会であってはならぬ、議会を通じて民衆自らが支配すべきである」 とは英・チャーチルの弁だ。 言葉そのものは賛同の一説ながら、残念なことに我が国の現状を見れば夢のまた夢ではないかと自虐に陥る。
 利権構造体の運営システムは愚かな人民に深く根を張る。 議会に送り出す人間を選ぶのも個人の損得計算でしかない。 国家がどうなろうとも我が身、我が家族さえ保障してくれればいいのである。 隣の奴がどうなろうがかまわないのだ。 それが組織票を固め、有効投票数の大半を占め、族議員の利権を確約する。
 そもそも能動性を奪われ呆けてしまった人民の堕落が投票率の低さに表れている。 いい歳こいた太っちょオジサン達がAKBの総選挙投票権欲しさに何百万もはたき出しはしても、国政選、統一地方選には見向きもしない。 国民全てがこの馬鹿調子だとまでは言わないが、これでは議会が民衆のために動く筈もなかろう。

 利権構造体は我が世の春を謳歌し続ける。国土と人心が殺伐たる荒廃を見せても責任論などどこ吹く風である。 見ているがいい、震災対策のお粗末さも原発事故の人災も、知らぬ存ぜぬで責任は霞の如く掻き消され、過ぎたることはどうでも良いではないかの論調を御用メディアは流しまくるだろう。 年金問題の責任は一体どこのどなたが負ったのか、うやむやの内に帳消しとなった現実を見れば一目瞭然である。

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梅雨入り

  • 2011年05月26日(木)21時22分

----------------------------------

梅雨の時期に関する近畿地方気象情報 第1号

平成23年5月26日14時10分 大阪管区気象台発表

(見出し)
 近畿地方は梅雨入りしたと見られます。

(本文)
 近畿地方は、低気圧や前線の影響で、雲が広がり雨の降っている所があり
ます。 向こう一週間も、前線や気圧の谷の影響により曇りや雨の日が多くな
る見込みです。
 このため、近畿地方は5月26日ごろに梅雨入りしたと見られます。

(参考事項)
 平年の梅雨入り 6月7日ごろ
 昨年の梅雨入り 6月13日ごろ

----------------気象庁より引用-----------


 台風の連続接近という影響でもあるのだろうが、けっこう早い梅雨入りだ。 デンデンムシもアワくってるだろう。 ただ、畑の水路沿いなどには沢ガニが例年より数多く見られる。 ひょっとすると紫陽花も去年より早めに咲くかもしれない。

 昨年の猛暑並みになるのかどうか、北海道、東北は涼しく、関東以西は暑い夏のようだ。 節電が合い言葉のように飛び交う中、扇風機が売れているのだとか。 言われてみれば、自分などは独り暮らしの身に扇風機が2台ある。 べつに2台同時にぶん回しはしないのだから、電力浪費だと後ろ指さされる覚えはない。

 盛夏の折、空調使えず、さりとて窓の開け放ちも禁止される学校の子供達は辛い。 放射性物質撒き散らかしの罪が一層重くなってくるのはこれからだ。 避難所の方々に於かれても、なんとかこれを耐え忍んで下されと、力ない国民は申し上げるしか術はない。
 

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縮図

  • 2011年05月20日(金)21時02分

 この国難にのうのうと興行カマそうとしたセントラル・リーグに久しくない腹立ちを覚えたものの、始まってみれば我が子可愛さで阪神戦を観る。 馬鹿息子ほど愛おしいと親御さんは言うが、それは子の親でなくば解りはしない。 そこにあるのは、お前達のとことんな馬鹿さ加減をせめて見届けてやるのが長い付き合いの義理だとばかり、半ばヤケッパチな生理現象である。

 阪神タイガースの試合を観てみれば、今の国状をそのまま投影している。 負けが込み、勝率低下が止まらぬ現状にもかかわらず、選手の高年俸は球界一だという。 絶望的な国家の借金、どうみても返せそうでないと国民が天を仰ぐ国家財政状況を連想せざるを得ない。
 さしずめ、高年俸を喰らい続けながら一向に働かぬ高額野手達は我が国の腐れ公務員共であり、素人目にもボンクラだと罵倒されるベンチワークは今の能無し政権、国会である。 それでもなんとか支えねばと、援護射撃の無い中にゲリラ戦を展開して力投を重ねる投手陣。 これ即ち我が国の屋台骨たる中小企業。 日航、東電は保護しても、守っちゃくれない下町の輝原石。
 能見に、久保に、岩田に・・・・ ああ、彼等に陽の光を・・・・・

 しかし、投げても投げてもその苦労報われず、終盤7回、8回で腹切り潰れる中小企業、後を絶たず。 おお悲劇、なんという悲劇。
 高額野手陣は何食わぬ顔で民の税を貪り続け、相も変わらず凡打と三振を繰り返し、与えて貰ったチャンスにも震災瓦礫の如く残塁の山を積み上げる。 ダニかヒルかサナダムシか。 税金泥棒、タダ飯喰らいの公務員。

 それでも希望を失くしたくない罪無きファンがいる。 せっせとグッズを買い漁り、聖なる甲子園に税を納め続ける。 仕事も休んで敵地カードの応援に。 せめて夢だけ見させてくれと、呷るビールの虚しさよ。
 挙げ句の果てには、もはや中小企業経営成り立たず。 有能投手陣は銭に釣られて海外へ、労働力求めて海外へ。 そこでは技術だけを吸い取られ、故郷恋しと戻る頃には干涸らび疲れ果てた哀れなるかなその姿。 見るも無惨な骨皮スジ右衛門。

 見よ! それでもなお、高額の役立たず野手陣は居座り続けるのだ。 能無し政権は変わらずベンチで間抜け采配を振っていることだろう。 連敗に次ぐ連敗、完封負けに次ぐ完封負け。 ベンチと高額野手陣によって構築されてきた利権の安寧はそう容易く突き崩せはしない。

 国廃れて、山河も無し。 そこにあるのは、だらけ太った阿呆面議員共と腐臭を放つ醜悪な公務員だけである。

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洋館の住人達

  • 2011年05月15日(日)00時54分

 ナチスの隠し財宝を追う番組を見ていた。 徳川埋蔵金を探すアレと大して変わらない番組だ。 そんなもの、とうの昔にUボートへでも詰め込んで南米か南極大陸へでも持ってってらぁな、そうでなきゃフライング・ソーサーへ積んで月の裏側の秘密基地へでも隠してるぞ、と思いながら気怠く見ていた。

ファイル 135-1.jpg 「おっ!?」 と注視させられる建物が映し出された。 ナチの親衛隊が駐屯していたという小さいながらも古城である建物だ。 これがプリキュアのベルゼイ一味が棲む洋館と大層似ている。 あのBGM、OST-2の # 20 が聞こえてきそうではないか。 洋館住人のファンでもある自分は少しばかり身を乗り出してその古城に見入ってしまった。

 ほほう、これはいい。あの三人は人間社会に溶け込んでいる間は日本人名を使っていても、真の名はドイツ名であったし、洋館デザインもここら辺りの城やお館を参考にしていたのかもしれんな、なるほど、なるほど・・・・と一人で頷く。 ジュナにナチの軍服を着せればサマになりそうじゃないか、と考えてみる。
 そういえば、ナチの残党を執拗に追うユダヤ諜報機関の映画だかドキュメンタリーだかに、追われる奴の愛人としてレギーネという女がいたな、などと、しょうもない記憶も蘇る。

 ひょんなことから、プリキュア第1作目をまた無性に観たくなってきた初夏の宵。

ファイル 135-2.jpg

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ノッテケ・ベイスターズ

  • 2011年05月11日(水)21時47分

 ノッてきた横浜ベイスターズ。 番長の顔が見られないのは寂しいが、キャプテン村田は元気で溌剌とした感じだし、ヤマグチは絶好調。 先発投手陣の薄さが今後の夏場、勝負どころに辛くもなるが、細かな継投が今のところ功を奏している。 なんといってもチームに活気がありそうに思う。 暗く鬱な空気がないのだろう。ここのところの連勝で一層活気付いた。

 セントラルは、中日、読売、阪神といった昨年の上位が低迷し、まだ5月とはいえ下馬評を覆してヤクルト、広島の強さがリーグを面白くしている。 この横浜の台頭によって更なる団子状態になりそうだ。

 飛ばない統一球であればバッテリー有利。 それだけに僅かなチャンスに得点できるか否かの得点圏打率がモノをいう。 逆に残塁数の多さがそのままチーム勝率に直結しそうだ。 オリックスも楽天も、阪神も読売も、おそらくここでの一打が打てない故の低迷だろう。 擦ってもスタンド入りという昨年までのボールでない以上、野手のいないところに如何に打てるかが鍵となる。

 また打球の速さも違うのか、内野手の球際技能にファインプレーが多く見られる。 昨年まで抜かれていたところがギリギリで捕殺できるというのはスタンドの観衆を楽しませる。 東京ドームのように人工芝が深めだと尚更顕著に違いが分かるのではないだろうか。

 どこまで続くかベイスターズの5月快進撃。 たとえ負けても1敗挟んで再び連勝街道というノッテケ・ベイスターズを続けて貰いたい。 かつての身売り話騒動なんぞなんのその。 なんたってハマの守り神、ミルキィホ-ムズがついているのだから。

ファイル 134-1.jpg

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ローソンが

  • 2011年05月10日(火)19時55分

 クルマの税金納めにコンビニに入った。

 ぅへぇ! と驚いた。 ローソンがアニメイトのようだった。 ^^;)

 プリキュア・オールスターズのやたら賑やかな一団を見れば、プリキュアのAKB化ではないかと思い、オイラのなぎほのがかような烏合の衆に組み込まれるとは不届き至極、言語道断であると憤慨していたものだが、ローソンのアニメショップ化は悪くない。 ^^;)

 けいおん! といえばローソン。そういうイメージを浸透させているからにはしめたものである。 全国の店舗数が圧倒し、他のアニメショップには苦々しい。 ましてや昭和の雑貨屋と相通じるものがあるコンビニだけに、握り飯買いに来たニィちゃんもひょいと 「けいおんカレーパン」 など買っていくかもしれない。 コンビニ業界も、どのアニメ作品を狙うかが実に重要なポイントなのだろう。

ファイル 133-1.jpg

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街の声と世論調査

  • 2011年05月10日(火)05時45分

 まぁ、こんな大変な時ですからね、助け合うって言うんですか、私達もそりゃ少しは我慢しなくちゃいけないと思うんです・・・・。

 大手メディアの流す基本的な “街の声” というやつである。 この際だから復興のための増税は仕方ないですね、というのが世論調査結果で多数を占めているのだと、まず第一にそれを報道のアタマに持ってくる。 「増税やむなしと国民は考えているのである」 との御旗を高々と掲げる。 癒着利権構造の牙城、絶対死守に努める連中にとって思うがままに事は運ぶ。 国が沈みかけている難事に、根本的な悪しき要因に触れもせず、おめでたい話である。

 これが街頭インタビューの結果ですと流しまくるTV報道ほどいかがわしいものはない。 真っ昼間の街中で忙しくもなさそうにプラプラ歩いているオバチャンを取っ捕まえて 「御意見頂戴」 などとやったところで、国家やら外交やら国防だの利権汚職だのを日頃から考えているような人種でないのは明らかだ。 物価下げてくれりゃいい、旦那の給料上げてくれりゃいい、程度が彼女等の世界だろう。 それが大衆の声で御座いますと言わぬばかりに報じる様は、芸能人の浮気話も尖閣諸島・竹島侵略も何ら区別無い議論扱いで、間抜けな毒素を国民に撒き散らかすだけの行為だ。

 小沢一郎の弁ではないが、世論調査というのも、ある程度は誘導尋問的側面を持つだろう。 三択なり五択なりでひとつ選べという質問では、「お前、その質問の仕方はおかしいだろうが」 という声も多いと思われる。 もっとも、短時間で集計しておおまかな傾向を掴むだけの調査なれば、ややこしい斜めからの突っ込みをいちいち受け入れたのでは調査する側がたまらない。
 要はその程度の調査でしかないものの、トップニュースで報じればそこに重みが加えられる点がミソなのだ。 だが実際はその主要問題の背景なり裏側なりに言及した問い掛けは一切なされない。 何を隠そう、彼等は御用メディア故に、オカミに都合悪い質問内容の世論調査はタブーだからである。

 政府の原発事故対応は適切であったか? という投げ掛けはしても、情報の出し渋りと初動対処不手際の第一原因はどこにあったと思うか、次の中から選べ、などという調査はしない。
 責任のなすり付け合いだったのか、政財官によるズブズブダラダラな癒着利権構造を守ろうとしたのか、或いはまったくの能無しばかりだったからか。 それらが世論調査データとして表立ち、夕方のトップニュースで全国民に報じられたのでは困るからである。

 戦争へ戦争へと世論扇動に傾倒し、挙げ句は大本営の嘘八百報道機関に堕落した当時から少しは学ぶものを得ているのかと疑問を懐く。 原発事故に至る責任は一体どこにある、例によって政財官のうやむやで誤魔化しなのか。 過ぎてみればどこも責任取らず、それの追及も無いまま、今やメディアはなりふりかまわず増税へ増税へと煽るかの論調ではないか。 当該の政財官に罪はないのか。 まずお前達が身ぐるみ剥いで国の出費を極力抑えに努めるのが先ではないのか。 それとも不始末責任は国民にありとでもいうのか。
 いつの時代も国家中央からの圧力はある。 だが国民のためのメディアを自負するならば、オカミの顔色伺いな姿勢はいい加減に改めねばならない。 腰のない業界にも少しは正義というものがあるだろう。

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My Girl

  • 2011年05月06日(金)21時02分

 録画しておいた「My Girl」 という映画を観た。 美しい田舎町を舞台に子役が名演。 「近しい者の死」 に幼くして直面する悲しくも胸暖まる話だ。 かつて 「小さな恋のメロディ」 という映画があった。 同じ年頃の少年少女の話だが、あれは少女マンガが好んで取り上げそうな、キュートでコミカルな作品だった。 ビージーズの曲を全編に用い、さながらビートルズ映画の子供版という趣だった。

ファイル 131-1.jpg 少女を産んだ直後に母親は亡くなった。 自分が産まれたがために母は死んだ、母を殺したのは自分だと、物心ついた頃から少女は実に重いものを自らに課している。
 父の仕事が葬儀屋である故に、否が応でもあの世に旅立つ人々の姿を日々見ることになる。 毎日の遊び相手である少年と互いの血を混ぜ合わせる行為をもって “絆” とするのにも、生きている今の自分から漠然と人間の “死” を考えているのが窺える。

 ある日、葬儀屋の父の元へ美容師募集広告によって一人の女性が訪ねてくる。 父は葬送する遺体の美容師を要していたのだった。 日本で言う 「おくりびと」、納棺師である。
 戸惑いながらも死化粧に取り掛かるその美容師は、何のための化粧なのか解っていない。 こうした方が魅力的になると、街中の美容室そのままに化粧を施してしまうくだりがある。 雇い主である少女の父は 「そうではない」 と美容師を諭すのだ。

 折しもNHKだったか、震災の被災地にボランティアで出向く納棺師の女性をニュース番組で取り上げていた。生前のその人の写真を脳裏に焼き付け、死後硬直して変色した御遺体を出来得る限り生前のその人の容貌に甦らせる。技能もさることながら、逝く人に対する敬虔な姿勢がなければ出来ない仕事だろう。


ファイル 131-2.jpg 小さな少女に視点を当てた物語では往々にして妖しい小悪魔的要素が盛り込まれる。 しかしこの作品にそれはない。 母の乳房の温もりを知らぬ葬儀屋の一人娘が、人間の死に直面しながらひとつの扉を開ける。 父の再婚話や自分の身体に降って湧いた初潮の到来、そして友の死と、矢継ぎ早に自分を襲う嵐のような出来事。 静かで平穏であった世界が一変する中、現実的で生々しくもある成長過程が描かれる。

 総じて十歳前後の子供時代では少女の方が成長が早く、体つきもやや大きい。 取っ組み合いしても少年の方が劣勢であったりする。 主役の少女も然りながら、相手役の子役少年がいい。 奔放な少女のペースに少年は振り回され、後ろを付いて回る弟のように見える。 それがリアルで微笑ましく、遠い昔の郷愁を呼ぶ。
 初潮に驚き、性についての教えも受けるが、身体の成長と知識を得た事によって反射的に相手の少年を退け突っぱねる辺りは、これを観る者が女性ならばおそらく頷ける行動ではなかろうか。

ファイル 131-3.jpg 子供ならではの律儀さを持つ少年は林に入り、少女が落として失くした指輪を彼女のために捜す。 そして帰らぬ友となる。 棺にすがる少女の姿に貰い泣きせずにはいられない。
 母が逝った時の状況を知らず、葬儀という儀式は父の仕事であって、厳かながら淡々とした業務の流れに映っていた。 友の急死によって少女は失うことの悲しみを、取り残される者の苦しさを初めて知る。 思春期に踏み入った少女を通して、人が生き、人が逝くとはどういう事であるのかを切々と説くような、重みある一作である。

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子供の日に

  • 2011年05月05日(木)11時23分

 GWには上野動物園のパンダも大勢の来園者を集めているのだろうか? 70年代に初めてお目見えした際には日中国交回復の象徴として結構な賑わいだったそうだ。 今、改めて何故の上野パンダなのかと、ジャイアントパンダがさほど珍しくもない紀州からいささか冷めた目で眺めている。
 パンダは確かに愛嬌がある。 ゴロゴロノソノソしながら竹を囓っている。 猫のようだ、とは言い得て妙である。 気候などの環境条件が適合しているのか何なのか、中国本土以外でジャイアントパンダの出産、育成にここまで成功しているのは日本の白浜だけだという話だ。

 中国お得意のパンダ外交なのだろうけれど、それが上野にやってくるとして各メディアの異様な報道ぶりが不思議だった。 今、空港に着きました、只今どこそこを走っています、などと、ヘリまで投入したさながら故・ダイアナ妃訪日の如き追っ掛け報道には呆れてしまった。 40年も昔じゃあるまいし、東京の人達はそこまでパンダが好きなんだろうか? とも思った。

 レンタル料は2頭で年間8千万円近いらしい。 希少な動物の保護支援費には違いないが、近年ただでさえ赤字経営に苦しむ動物園にとって軽視できる金額でもない。 上野は公立園ではなかったか? 都立の動物園なら大金持ちの東京都財政だけに可能な経営だ。
 紀州白浜のアドベンチャーワールドは企業経営だ。 パンダ飼育施設はテーマパークの一部だが、業界一人勝ちのオリエンタルランドなどと比べれば業績内容に於いておそらく雲泥の差があるだろう。 余計なお世話ながら、この長引く不況下で債務超過ライン付近の綱渡り的経営を余儀なくされているかもしれない。 これは全国殆どのテーマパークで同様の状況だろう。

 昨年だったか、南紀の太地町から名古屋の水族館にシャチが1頭売り渡され、可哀想にもすぐ死んでしまった。 5億とも言われる売買だ。 尾張名古屋のシンボルはお城のシャチホコなのだろうけれど、それにしてもド派手な尾張文化だ。 以前にも5年間2億5千万でレンタル契約し、病死させている。 どうあってもシャチにこだわりがあるらしい。
 買い付ける側もそうだが、売る側も売る側だ。 シャチを何だと思っているのか。 梅や蜜柑の苗木とは違うだろう。 このような真似をやらかしているからイルカ漁映画でバッシングされるのだと批判されても仕方ない。

 湾内の入り江を利用して飼育している太地に比べ、各地の水族館プールをいくらそれ用に作ったとしても所詮は金魚鉢のオバサマ程度でしかない。 急激な環境変化、棲息条件の劣化を与えるのは明らかで、それは太地にて飼育している者が最もよく知っている事ではないか。 札束で横っ面張られれば手塩に掛けて愛しんできたシャチを死地に向かわせるのも厭わぬのか。 移送先各地の水族館に於いて次々と死んでしまった事実には 「惨いことをするものだ」 としか言いようがない。

 子供の日の祝日、動物園や水族館ではそれなりに子供達の輝く眼差しがあるだろう。 大人共のよからぬ思惑を子供達が知らぬ事だけが救いである。

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