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TOEI ANIMATION (無印)

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朝日放送 PreCure



BANDAI CandyToy (無印)

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講談社 デジなか


   PreCure §12    少女達よ    〜作品を彩る少女達〜



 この作品ではなぎさ・ほのかの他にペアの少女達が登場します。 ラクロス部の久保田志穂と高清水莉奈、ニセプリキュアでお馴染みの森京子と越野夏子であります。 また後の MaxHeart ではなぎさとほのかに憧れる1年生・加賀山美羽と多幡奈緒の二人組が九条ひかりの友達になります。
 いつも二人でいる情景。 互いにその相手と居れば安らげるのでしょう。 彼女と一緒なら楽しい、という感覚が始まりでありましょう。 やがてそのうち 『必要な相手』 に変わってきます。 近年はどうであるのか判りませんが、かつてはこの年頃の女生徒達に多く見られる行動ではありました。

 なぎさがプリキュアとなる以前、志穂と莉奈はなぎさを加えた三人で仲良しの連れ合いだったようです。 そこに雪城ほのかが加わって四人組になるという単純な足し算にはなりません。
 三人組とほのかの間はあまりにも隔たりがあるのです。 元より雪城ほのかは 『かなり変わった子』 で、極めて少数派の 『ヘンなヤツ』 というイメージ先行があったでしょう。 成績が良くて下品でもないから男子にそれなりの人気はあるものの、冗談も通じそうでないクソ真面目さは面白味も無く、あの周囲を顧みないウンチクの連発には参るよね、とでも思われているのが正直なところでしょう。

 なぎさがほのかとお友達になった事実は周囲を大変驚かせる天変地異な出来事だったに違い無く、志穂と莉奈にとってはただ唖然、あり得ない様を目の当たりにした事になります。 神の遊び心にしては冗談がきつ過ぎるその状況は、それでも現実として受け入れねばならず、かといって自分達には “あの雪城ほのか” でしかない。 ほのかへの接触がなぎさ同様には出来ません。 風変わりな優等生 「雪城さん」 でしかないのです。 余所余所しいその呼び方は 『自分達とは違う子』 という認識から脱却出来ず、所詮世界観も進む道も異なるのだと、敢えて親密な交わりを求めない姿勢を表しているものです。

 ラクロス部に於いてなぎさが頭抜けたスタープレーヤーになっているのも志穂・莉奈にとってペアの結びつきを強めている要因のひとつに思えます。 同期で入部した彼女等三人の中でなぎさがいち早く頭角を現してエースになったからには、運動能力、技術、スター性等に於いてなぎさにはかなわないと一目置かざるを得ません。 志穂と莉奈は同レベルなプレーヤーとして時にライバル視し、助言し合うなど同じ時を共有する頻度も増えていったことでしょう。


 夏子と京子は趣味を共にする二人であるように映ります。 コスプレであります。 科学研究発表会の会場で虚ろな眼に捉えたプリキュアを即座に真似る芸当は、コスプレ少女の素質としか云いようがありません。 どうやら彼女達は衣装をネット通販で買うような手抜き少女でなく、端布を買ってきては自ら縫い上げる筋金入りだと見え、文化祭演劇の見事な衣装も彼女達の手によるものであります。 出番は少ないものの、彼女等は微笑ましく愛すべきペアです。



 なぎさを好敵手と見なすのが学園のマドンナ、最上級生の小田島友華です。 才色兼備なる大金持ちのお嬢様。 何でも人並み以上にこなさねばならず、日々マドンナで在り続けねばならない孤独で苦労も多い先輩です。 股広げて階段に腰掛けるような真似は出来ず、大口開けて弁当にがっつく事も叶いません。 それ故に、自由奔放に振る舞っても “華” のあるなぎさが羨ましくもあるのです。
 彼女はなぎさと競うことによってのみ燃える事が出来ます。 体育祭ではリレーアンカーとしてなぎさと勝負、溌剌とした姿を見せます。 MaxHeart では行き詰まった自分を取り戻すべくわざわざなぎさの前に現れます。 華麗なる学園のフェアレディもその実は与えられた己の環境下で懸命に努力精進を重ねているということです。


 ラクロス部の中川弓子主将と大先輩・藤田アカネさんを見れば、歴代ラクロス部キャプテンは赤いバンダナがトレードマークであったのかもしれない、などと要らぬ想像まで致します。
 アカネさんの前向きな生き様はラクロスで培われたものでしょうか。 アカネさんの魅力が引き出されるのはやはり次年度の MaxHeart で、九条ひかりの保護者としての暖かな母性、なぎさ達に見せる自立した社会人女性の姿です。 かつて主将として部員を引っ張った経験が商社OL時代の彼女を支えたと思われ、商社での後輩中尾君も登場して、ありしOLの日々も垣間見せます。


 構成の基本としてあるのでしょう、この作品には 『憎たらしい嫌なヤツ』 が登場しません。 観ている子供達が嫌悪感を抱くようなひねくれた性格の級友などいないのです。 誤解があり、それぞれの想いも交錯しますが、ドツクゾーンの連中まで含めてみな肩の凝らない連中、人々です。 これは前作 『明日のナージャ』 にてローズマリーにかなり酷い事までさせてしまった視聴者反応を踏まえての事かもしれません。
 寄ってたかって自分より弱い者を叩きまくるという現実社会のドロドロした汚らしい部分など微塵も感じさせず、理想郷のような学園がベローネであります。
 それは子供達にとって最も現実になって欲しい夢であろうと思われ、この作品を毎回楽しみに観て育った子供達は少なくとも他人に対する思いやりを懐ける人となるであろう事を信じたく、またそうなって貰わねばと願いつつ作品を回想する次第です。

 次年度作 『ふたりはプリキュア MaxHeart』 と共にぜひ御堪能下さい。 たかが女児アニメと侮ってはいけません。 気が付けばきっとあなたの中になぎさやほのかがインストールされていることでしょう。










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