PreCure §1 始まりのとき
OPに表される二人の少女。 彼女等の擦れ違い。 体育系、文化系という対比にそれらしい相違が充分に見出せるものの、これはさほど珍しい対極の在り方でもありません。
ベローネ学院という私立学園中等部に在籍する両名の中学生徒たる学園内位置付けがまずここに見られます。 ラクロス部員達と賑わいながら移動してゆく美墨なぎさに対し、一人黙して書物を読み耽りながら交差方向に擦れ違う雪城ほのかが描かれ、互いが見知らぬ異世界の人であるかのように、二人の今の“在りし場所”が提示されています。
コの字形の校舎本館に囲まれた中庭でもある広い通路、及びその真上を横切る形に位置するガラス張りの渡り廊下が映されます。 校舎内周回せずともコの字に開いた先端部分を最短で渡れるよう設計されたそのブリッジは、採光が余すところ無く行き届くよう視界良く配慮されており、そこからの眺めも良いことから、後に数々のエピソードでロケーションスポットとして用いられることになります。
どこでも見られる構造体ながら、ここでは異なる宇宙を繋ぐワームホールのようにも窺え、少々興味を惹く部分でもあります。
真上からの平面視ではクロスに交わりながら正面からの立面視では決して交わる事の無い中庭通路と渡り廊下の構造。 それは互いに双方が目視確認出来ようとも、声掛け合って意志の疎通が可能であろうとも、共に同方向には進む事の無い、歩むべき
“異なる道” の存在を我々に意識させてはいないでしょうか。 またそれは、所詮二人は似通っていず、互いに異なる人間像なのだというこの作品に於ける
『始まりの理念』 を知らしめるかのようにも映ります。
『伝説の戦士・プリキュア』 という名の下、半ば強制的に邪悪な化け物との闘いを余儀無くされることがなければ、この両名はそれぞれの分野に更なる没頭が出来たであろうし、大火無くそのまま卒業に至る未来が待っていたものと思われます。
片方に於いては夕暮れの上空からすっ飛んで来た小物体が自分のアタマに激突し、もう一人はほぼ同時刻に愛犬の導きによって我が家のお蔵で似たような物体を発見します。
かくして伝説の戦士たる称号を否応無しに与えられ、普段の平穏な日常ではまず相交わる事も無いであろう対照的な二人により紡がれる幾多のエピソードがここから始められるのであります。
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