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戦う秘密組織

 日経エンタテインメント!とAT-Xによる 「アニメで戦う女の子!!」 という企画は、日本アニメの素晴らしさを伝えていく秘密組織なのだそうだ。 「アニメで戦う」 とは穏やかでないが、アニメ高度成長期の華やかさを今一度というか、衰退させてはならないこの文化をさらに世界へPRしていくらしい。

 謳い文句は日本のアニメ文化を背負って立つぐらいな意気込みに聞こえるものの、アニメ好きなトーシロ女子を集めてキャンペーンガールをさせながら、メディアミックスで彼女等自身を売り込もうという、アイドル路線にアニメの力とアニオタの趣向を利用したい戦略に思える。 おそらくアニメ関連のあらゆるイベントに顔を出し、あわよくば楽曲もバカ売りして独自のコンサートイベントにまで漕ぎ着けたい。

 秋元康の学芸会軍団による驚異の売り上げや、アニソンイベントの異様なまでの盛り上がり等々を見れば、流行りの声優ユニットではないアニオタの娘達を集めようと考えるのも自然な流れか。
 ただ、そのおかげで有料チャンネルAT-Xにくだらん彼女等の番組が組み込まれるのは如何なものか。 アニメ専門チャンネルに於いてアニメ作品以外のトーク番組やバラエティもどきが増やされるのは、視聴者にとって決して歓迎できるものではなかろう。

 それはともかく、アニメ好きのキャピキャピ娘達を集めて一団を形成するなら、その 「裏軍団」 もついでに作ってはどうか。 プロレスの善玉と悪役のようなものだ。 気色の悪い腐女子ばかり集めるのだ。 どよ~んとドロドロしたオーラの一団にBL系マンガやアニメの宣伝させればいい。 ゲテモノ好きな外国人もいるだろう。 さすがは日本のアニメ文化だと喜ぶかもしれない。

 

キセキ

ファイル 240-1.jpg 下田市観光協会がどこまで参画しているのか、流行りの御当地アニメによるPRとなるならば、資料提供やロケハンの御協力というだけでもあるまい。 無敵のアニメタイアップ戦略で突き進むローソンとも上手くおつきあいといったところだろうか。
 下田の黒船祭は確か五月頃。 アニメはその先である夏の下田を描く。 半島の港町なれば、やはり夏が良い。 自分も幾度か行ったが、いずれも夏の盛りだったように記憶している。

 珍しい大きな石を御神体とする神社がそこにあるのかどうか、乏しい覚えでは聞いたことがない。 しかし実際にあっても不思議でない。 岩や大石を御神体とする神社は多い。 大概それを祀り始めた際の伝説がついて回る。 これは神が蹴り割った岩であるというのもあれば、一夜にして突如この大岩が出現したのだというのもある。
ファイル 240-2.jpg 四人の娘達が願い事を祈る 「御石様」 も、何故そこに加工されたような石が鎮座していることになったのか、興味深い伝説を伴っているだろう。 ヒストリーチャンネルの 「古代の宇宙人」 辺りな番組ならば、これはその昔に宇宙人が飛来して残していった物だとか、謎のパワーストーンはUFOの道標的役割を担っていたのだとかまくしたてそうだ。

 それにしても、この御石様、ストーンカッターとブラスターで切り削りすれば素晴らしい一枚岩のテーブルになりそうではないか。 十二国記のアニメにドでかい石の庭テーブルが登場したのを想い出す。 鈴(すず) と祥瓊(しょうけい) が出会うシーンだったが、ヤバい荷の受け渡し場所にしてはその庭に巨大な石のテーブルがあり、上面を削っただけの一枚自然石の値打ちがこれ見よがしに誇示されているようで、印象深いものだった。 もっとも、中国やロシアのような大陸の人間はなんでも作る物がデカいので、あちらに行けばあんなものはゴロゴロ転がっているのかもしれない。

 四人の少女達が通う学校の制服はああいうデザインのスカートなのか、昔で言うところのシミチョロにも見えて、やらしいオジサンは少々視線を奪われる。
 アイドルになるのが夢だという四人組の語りを聞けば、そこにこのアニメのそちら方面な販売戦略が剥き出しなため、いささか興醒めで退いてしまいたい気にもなる。 が、下田の風情を背景にした田舎娘達がいきなりピラピラアイドルになるのでもなかろうし、インターリンクのオタク川柳さながらに、一話目で切って捨てたアニメが神展開とまでは行かずともけっこう面白かったりすればけたいくそ悪い。 また、かつてペリーがエラソーに歩いたという通りや海岸線などは夏の陽射しが浮かび上がらせる馴染み深い風景で、ああ下田の夏が懐かしいと思わせるので2話目も見続けている。

 旅館の娘・優香という子はレールガンに於ける佐天さんの役どころに見える。 田中雄一によるデザインなれば、さもありなん。 この快活な娘とおっとり型・凛子の取り合わせがいい。 ボケ~とした巫女さんも悪くはない。 えてしてこういった 「なにを考えているのかよく解らない子」 はシャーマンに打って付けかもしれない。 神の使いでも簡単に憑依しそうだ。 神社の娘が母親をママと呼ぶのには参ってしまうが、この母さん、若作りで実に宜しい。 神道儀礼の装束に身をやつした母さんを楽しみに待つとする。 ^^;)

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ぐだぐだ

 三様のキャラクターがそれぞれ個性的な発言を交えるティータイム。 「ぐだぐだ」 と称する割には煙ったさが無い。 居酒屋で愚痴り合うオヤジ共や、とりとめない能書き垂れまくる当管理人の方がよほど 「ぐだぐだ」 だろうと思われる。
 この可愛らしいデザインの妖精達の会話を見れば、学校帰りの高校生がそこら辺でダベっているのと変わりない。 いわゆる放課後ティータイムではないだろうか。

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 妖精達がダベる異界の森、天空の庭とも言うべきそこは地震も津波も台風も関係なさそうで、さすがにフェアリーズ。 こんなところでお茶していれば、それは楽しいことだろうと思わせる童話の世界。 ナンセンスマンガ的味付けながら、展開される安上がり3Dの絵はお伽の絵本で、なによりキャラデザインが可愛らしく秀逸。 それこそほんのひととき、戦士の休息にいかがだろうかというショートコントアニメ。

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陽だまりの樹

 NHKが実写時代劇で「陽だまりの樹」を放送するらしい。 かつて手塚治虫のこの原作マンガを喫茶店で読むのが楽しみだった。 蘭方医術と漢方医術の争いが描かれていて、手塚治虫の実曽祖父が主人公で身内の自伝的作品でもあった。

 Vap と小学館がマッドハウスをもってアニメにした作品は、原作からの逸脱も目立たず、トグサでお馴染みな山寺宏一の声が気に入っていた。 このアニメではインデックス、レールガン、シャナなどの水上清資もけっこう重要なところで脚本を書いている。 また、ナレーションを入れているのが俳優の中井貴一だった。

ファイル 234-1.jpg 伊武谷万二郎の頑ななまでの真っ直ぐさは、武士はこうあるべきと育てられればそうなのかと頷けるものの、手塚良庵の柔軟さや視野に比べれば、なんとも融通の利かぬ、原理主義をコンクリートで固めたような人間に見える。 が、しかし、そのカタブツ武士道が大層魅力的である。

 NHKでは成宮寛貴と市原隼人がこの二人を演じるらしい。 TV時代劇は嫌いでないから興味もあるが、原作やアニメに見るそれぞれの強烈な個性を和らげないで戴きたいと思う。

 

素晴らしい!

 これは驚き、実に見事な、いやまったく凄いとしか言いようのない 「サニーの火の球ダンス塾」。 ^^;)  かなり詳しい振り付けの解説、絵もまたすこぶる上手い。 作成者さんの情熱、好き具合の “濃さ” が我々を圧倒する。

 このEDのダンスでは 「イェイ! イェイ! イェイ! イェイ!」 とか 「ワック ワックゥ」 辺りの動きがまず脳味噌にこびり付き、虜にする。 お嬢ちゃま達はたまらない。 大人が思うより子供達ははるかに容易く我がものにしてしまうのだろうが、TVのEDに合わせて踊るお子様を持つ親として、お母さん達にはこの詳細な振り付け図解はありがたいに違いない。

 幼稚園のお遊戯でいかがか? OLのお姉さん達が花見の宴会でやってみるのも一興だ。 AKBの真似するよりウケそうではないか。

 この作成者さん、あかねちゃんのサニーで解説しているのがまた心憎い。 嬉しさのあまりオジサンもオトさせてもらって戴いてきた。 なに、自分も踊ろうなんて意欲があるわけではない。 図解があまりに立派だからだ。
これは渡りに船だ、秘かに踊ろう、などと、私は断じてそのような・・・・。

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稲上晃

ファイル 228-1.jpg なんと! 作画監督に稲上晃の名がある。 なぎほの、咲舞らをデザインした生みの親。




 なんだったか、ビジュアルファンブックだったか、稲上晃が無印のキャラクターデザインするにあたり、ティーン誌をどっさり渡されて研究したとか書いてあったと思う。 総作画監督という肩書きはどこまで手を入れるのか知らないけれど、無印及びマックスハートの全話で 「作画監督」 という担当名で稲上の名を見ることはなかった。

 稲上 - 川村と変わり、次の香川久では懐かしのセーラームーンばりの体型になり、続く馬越嘉彦ではおジャ魔女のようになったプリキュアのデザイン。 今期、5人組なら川村だという訳でもなかろうが、再び川村敏江のデザインになると、どこかプリキュアらしくハマるところにハマって見えるから、なぎほの至上主義の偏見もここに極まれり。 やはりセーラームーンの伊藤、プリキュアの川村、といったところではないか。

 どうであるにせよ、川村デザインのプリキュア作画監督に稲上晃の名があると、なかなかどうして、スマイルも捨てたモンじゃなかろうと単純に喜ぶアブナイおじさん。 ^^;)

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DX

ファイル 225-1.jpg ANIMAX で 「プリキュアオールスターズ DX みんなともだちっ ☆ 奇跡の全員大集合!」 をやってたので見た。

 今更何を隠そう、なぎほのの扱いがぞんざいであれば 「気に喰わん」 と言い、白黒プリキュアの動きがそれらしくなければ 「なんちゅうこっちゃ!」 と画面に向かって文句言うであろう事は自分でも解っている。 だが、それでもなぎほのの勇姿を見たいのだ。 ^^;)
ファイル 225-2.jpg そもそもファイブ以降のプリキュアは、どれが何というシリーズ作で何という名のキャラであるのかさえよく解らない。 十把一絡げで 「最近のプリキュア」 と呼ぶことにしている。 自分のアタマの中では初代のみがプリキュアなのだから仕方ない。 二代目の咲と舞は知っているものの、ファイブになるともう五人の名前を全部並べろと問われても 「りんちゃんに、かれんさんに・・・・え~と・・・・」 なんて調子で、まったくおぼつかない。

 ブツクサ文句垂れるのなら全員集合映画なんぞ見るな、と諭してくれる人もいる。 いやいや、恐れ多くもなぎさ殿とほのか殿が御出演なされるのであるぞ、美空ひばりさんのファンである方々は未だ定期的に集まって、大スクリーン画面に映し出されて歌う今や亡き希代の歌姫、そのお姿に酔いしれるではないか。 ファンというものはかくなる生き物なのだ。
 オールスターズと称するからにはまさか本家本元抜きにはしまい。 画面上でなぎほのの御両人が動いて喋って飛び跳ねてくれれば、それだけで値打ちものの作品、見る価値は充分にある。


ファイル 225-3.jpg これは最初の全員集合映画なのか。 青山充の絵が随所に見られる。 主役扱いは当時放映中だったのだろう三人組、これは何というプリキュアだ、桃にブルーベリーにパイナップルらしいから 「フレッシュ」 というヤツか。 その割には与える印象が薄い。 キャラクターデザインにもよる。 目立っているのが前年まで2年間放映されたファイブで、S☆Sと初代は御隠居扱いに近い。

 が、ひょうたん岩は無しにしても PANPAKAパン店の外観は懐かしく、太ったネコが日向ぼっこしていて、中では満が店員をしており、キントレ男が買いに来るんじゃないかと想像させる。 マックスハート御一行がそこで美味そうなものを仕入れ、大樹の陰でなぎさがホクホク顔にて食べようとするくだりは微笑ましい。 また、タコカフェにファイブの面々が賑々しくやってくるというのも集合映画ならではの取り合わせ。 莉奈と志穂がそこにいるのもいい。
 ブラックの 「ぁだだだだだ!」 なマシンガンアタックが見られ、ホワイトによる豪快なぶん投げもある。 ターミネーター並の変幻自在軟体化け物は無印の黒い巨人そのもので、その声は誰あろう美墨家の御主人、なぎさのお父さんだ。



 あなた達もプリキュアなのねと問うシーンがある。 こともあろうにファイブの緑が初代御本家様に向かって言うのだ。 なんということだ。 その物言い、無礼千万も甚だしい。 それは初代様のセリフであろう、けしからん、実にけしからん。 ^^;)
 


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 この映像が・・・・







ファイル 225-5.jpg 今や映画 「プリキュア オールスターズ New Stage」 ではこのようになるのだそうで。

 それにしても、ウンカかバッタの大群だ。 これだけウワッと襲い掛かって来られたのでは、敵の化け物も怯むのではないだろうか。
 おーい、なぎさとほのかはどこにいるのだ、どこにいるのだぁー! 

 

DNA

 悪い奴等は世界の未来をバッドエンドにしようと企むのか。 世界の政治屋共や軍産複合体には耳の痛い設定だ。

 夕日に染まる河川敷での猛特訓。 星空さんに日野さんは、おっちょこちょい娘とめげない関西人なのか。 シリーズをろくに見てもいないのでよくは解らないが、かくなる情景というのはS☆S以来な気がする。 やはりこういった生徒達の日常世界にありがちなシーンは好みである。

ファイル 214-1.jpg 何が驚きかといって、この子達は変身に際してお化粧をするのである。^^;)  戦(いくさ)化粧だ。 バンダイさんの玩具には本物の化粧品が使われているのだかどうだか。 もっとも、ままごとでは調理の真似や化粧の真似もするのだろうからして、幼い皮膚に影響ない幼児用パウダー程度であれば大丈夫なのか。

 このスマイル・プリキュア第2話では作画監督にポール・アンニョヌエボ、フランシス・カネダの名がある。 いやいや、久しぶりに見てみたら懐かしい名前だ。 EDの原画担当も外国人名が先に並ぶ。 プリキュアシリーズは主にフィリピンへ下請け発注ではなかったか。 そちらへのウェイトが昔よりかなり大きくなっているという事なのだろう。

ファイル 214-2.jpg どうあれ、アンニョヌエボさん、いい仕事ぶりではなかろうか。 キャラクターデザインはいかにも川村敏江といったところだが、川村敏江自らけっこう手を入れているんじゃないのかと思わせるまでな、作画に見る安心感は実に心地良く、評価に値する。 何年にも亘って川村絵を描き続けてきたのだから、お手の物になっているのかもしれない。 川村絵のDNAは確実に海を渡っている。


 出でよアカンベー! などはプリキュアの原点回帰を思わせる。 希望のスマイルで退治しなければならない。 が、しかしこの星空さん、DNAはこともあろうに遙か昔の月野うさぎのものと見受けられる。 大層なドジっ娘らしい。 気合いだ、気合い! で、カスミンの腕まくりの如くハッピーシャワーをぶつけるものの、当たらないし、二発目はプスン、パスンとエネルギー切れだ。 まるでチャガーマにおちょくられるチビムーンではないか。 しばらくはこの調子に違いない。 今よ、セーラームーン! なんて後押しされねば攻めどころを掴めない主役なのかもしれない。

ファイル 214-3.jpg 関西弁使いの日野さんは、ファイブに於ける夏木りんちゃんのようでもあるが、なになにどうしてどうして、この娘は誰あろう美墨なぎさ殿のDNAを受け継いでいる。 なんやようわからんけど、と言いつつも表情やポーズがまことに宜しい。 5人組戦隊なれば、ガンガン目立ちまくりというわけにもゆかぬが、「謎のプリキュアおじさん」 たる我が胸を大いに擽ってくれる。 川村のデザインとアンニョヌエボの仕事に拍手を送ろう。 めっちゃ恥ずかしのあかねちゃん、ええで、ええでぇ・・・! o(=^v^=)o

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MUSIX 2011

 風が止んだのでこれ幸いとばかり有機肥料の施肥をしていたら、汗をかいてしまった。 さびぃ、さびぃ、と襟巻き代わりに首手拭いを結び締めていた昨日とはえらい違いだ。

 夕方、「ANIMAX MUSIX 2011」 とかいうのをやっていた。 ANIMAX のアニソン・イベントらしい。 お馴染みな2、4拍目の 「イェイ!」 で突き上げるオタクイベントの雰囲気は、姪っ子に言わせればアヤシイ宗教集団のエセ・タントラみたいなのだそうだ。 ^^;)  なかなか上手い事を言う。 そうかもしれんと自分でも思う。 彼女にまた馬鹿にされそうだわいと苦笑いしながら、炙った干しイカを引き毟りつつ晩酌の燗酒を舐め、番組を見ていた。 エセ・タントラ、上等じゃねぇか、アニソンはいいぞ、バカヤロゥ、なんてこと思いつつ、時代は変わったものだと痛感する。

 虚ろな記憶によれば、太古の昔は変人扱いされていた趣向ではなかったか。 陰に隠れて 「TVアニメの主題歌を歌う会」 なんていうのが各地に細々あった覚えがある。 大学生や社会人が反体制地下組織の如く寄り集まって社会の冷視線から逃れるように、秘密集会さながらに裸電球の下で主題歌を歌って喜んでいたのではなかったか。 「アニメ」 などという新造語がまだ普及していない時代だ。 恐竜に怯えつつ夜な夜なコソコソと虫を食って生きていた哺乳類先祖のトンガリネズミみたいなものだ。
 今や日本のアニソンは世界中を席巻する。 一般の楽曲提供屋もアニメOPやEDソングに使って貰えればある程度の売りは確約できよう。 売り込みで新曲PVをTVCMに流すカネを使うなら、アニメ製作のプロデューサーにでも飲ませた方が効率いいのではないのか。^^;)

 初出演だと銘打って茅原実里が歌っていた。 今回の目玉のひとつなのだろう。 この声優が歌っている映像を見ていて、この人は面立ちがきれいなのだから私の好きな時代劇映画にでも出てくれないものかと、妙な感慨に包まれる。 姫様役でもいいし、野卑な山賊の女頭領でもいい。 声優という職で演っている以上、役に化ける事ぐらい朝飯前なのではないのかと、ド素人は考える。
 しかし組事務所、いや違った、プロダクション事務所の意向もあるだろうし、本人達も 「声の商売」 にプライドがある。 何が悲しくて好きでもない水を飲まねばならんという思いもあるのは想像に難くない。 なにより、アニメの高度成長期は過ぎたとはいえ、実写世界よりも多元的、多角的展開のポテンシャルで未だに優位性を懐かせる 「アニメ業界の人間」 たる魅力は、他とは比べものにならないのかもしれない。

 

泣いてたまるか

 と言っても、渥美清や坂上二郎、はたまた西田敏行のドラマではない。 「パパ聞き!」 というヤツだ。 正確には 「パパの言うことを聞きなさい!」。

 倉本聰に言わせれば 「この業界はなんでも簡略に縮めて言い表す」 のだそうで、最近頓にやたら長いタイトルが流行りだからよけいに縮めなければ面倒なことこの上ない。 そのうち 「じゅげむじゅげむ・・・・・」 なんて恐ろしいほど長いタイトルのマンガやノベルやアニメが現れないことを祈る。

 特に毎回興味を持って見ているのでもないが、この 「パパ聞き!」 第3話、泣かせるではないか。 これはまったく人情浪花節な話で、この絵柄でそれは反則だろうと、ホロホロしながら見てしまった。


 ついでに、朝日のこれまた縮めて言うところの 「朝ナマ」 を見てみれば、橋下総統は独裁なのかどうなのかと議論の場を設けていた。 この内容、視聴者にどのような感想を懐かせるだろうかと考えるに、殆ど議論になっておらず、早い話がアンチ橋下の面々が馬鹿なのかトロいのか、橋下の議論レベルに届いていない。 これでは咬み合う筈もなく、総統の苦笑いだけが印象に残る。
 橋下総統の強さをクローズアップさせる維新応援企画ならいざ知らず、何もアタマになく、ネガティブキャンペーンでも張るしか能がなさそうな連中ばかりアンチ側に並べたところで仕方なかろうに。 橋下に食って掛かろうと重箱の隅まで虫眼鏡で探して意味不明な反対論を展開しようとする姿はあまりにも情け無く、一種の哀れみさえ禁じ得ない。
 
 「パパ聞き!」 第3話は「泣いてたまるか」だったが、この 「朝ナマ」 見る限りは、反橋下派よ、もう少し考えて喋ったらどうなのだと、嘲笑をこらえる橋下の 「笑ってたまるか」 だったように思う。