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キセキ

ファイル 240-1.jpg 下田市観光協会がどこまで参画しているのか、流行りの御当地アニメによるPRとなるならば、資料提供やロケハンの御協力というだけでもあるまい。 無敵のアニメタイアップ戦略で突き進むローソンとも上手くおつきあいといったところだろうか。
 下田の黒船祭は確か五月頃。 アニメはその先である夏の下田を描く。 半島の港町なれば、やはり夏が良い。 自分も幾度か行ったが、いずれも夏の盛りだったように記憶している。

 珍しい大きな石を御神体とする神社がそこにあるのかどうか、乏しい覚えでは聞いたことがない。 しかし実際にあっても不思議でない。 岩や大石を御神体とする神社は多い。 大概それを祀り始めた際の伝説がついて回る。 これは神が蹴り割った岩であるというのもあれば、一夜にして突如この大岩が出現したのだというのもある。
ファイル 240-2.jpg 四人の娘達が願い事を祈る 「御石様」 も、何故そこに加工されたような石が鎮座していることになったのか、興味深い伝説を伴っているだろう。 ヒストリーチャンネルの 「古代の宇宙人」 辺りな番組ならば、これはその昔に宇宙人が飛来して残していった物だとか、謎のパワーストーンはUFOの道標的役割を担っていたのだとかまくしたてそうだ。

 それにしても、この御石様、ストーンカッターとブラスターで切り削りすれば素晴らしい一枚岩のテーブルになりそうではないか。 十二国記のアニメにドでかい石の庭テーブルが登場したのを想い出す。 鈴(すず) と祥瓊(しょうけい) が出会うシーンだったが、ヤバい荷の受け渡し場所にしてはその庭に巨大な石のテーブルがあり、上面を削っただけの一枚自然石の値打ちがこれ見よがしに誇示されているようで、印象深いものだった。 もっとも、中国やロシアのような大陸の人間はなんでも作る物がデカいので、あちらに行けばあんなものはゴロゴロ転がっているのかもしれない。

 四人の少女達が通う学校の制服はああいうデザインのスカートなのか、昔で言うところのシミチョロにも見えて、やらしいオジサンは少々視線を奪われる。
 アイドルになるのが夢だという四人組の語りを聞けば、そこにこのアニメのそちら方面な販売戦略が剥き出しなため、いささか興醒めで退いてしまいたい気にもなる。 が、下田の風情を背景にした田舎娘達がいきなりピラピラアイドルになるのでもなかろうし、インターリンクのオタク川柳さながらに、一話目で切って捨てたアニメが神展開とまでは行かずともけっこう面白かったりすればけたいくそ悪い。 また、かつてペリーがエラソーに歩いたという通りや海岸線などは夏の陽射しが浮かび上がらせる馴染み深い風景で、ああ下田の夏が懐かしいと思わせるので2話目も見続けている。

 旅館の娘・優香という子はレールガンに於ける佐天さんの役どころに見える。 田中雄一によるデザインなれば、さもありなん。 この快活な娘とおっとり型・凛子の取り合わせがいい。 ボケ~とした巫女さんも悪くはない。 えてしてこういった 「なにを考えているのかよく解らない子」 はシャーマンに打って付けかもしれない。 神の使いでも簡単に憑依しそうだ。 神社の娘が母親をママと呼ぶのには参ってしまうが、この母さん、若作りで実に宜しい。 神道儀礼の装束に身をやつした母さんを楽しみに待つとする。 ^^;)

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