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MUSIX 2011

 風が止んだのでこれ幸いとばかり有機肥料の施肥をしていたら、汗をかいてしまった。 さびぃ、さびぃ、と襟巻き代わりに首手拭いを結び締めていた昨日とはえらい違いだ。

 夕方、「ANIMAX MUSIX 2011」 とかいうのをやっていた。 ANIMAX のアニソン・イベントらしい。 お馴染みな2、4拍目の 「イェイ!」 で突き上げるオタクイベントの雰囲気は、姪っ子に言わせればアヤシイ宗教集団のエセ・タントラみたいなのだそうだ。 ^^;)  なかなか上手い事を言う。 そうかもしれんと自分でも思う。 彼女にまた馬鹿にされそうだわいと苦笑いしながら、炙った干しイカを引き毟りつつ晩酌の燗酒を舐め、番組を見ていた。 エセ・タントラ、上等じゃねぇか、アニソンはいいぞ、バカヤロゥ、なんてこと思いつつ、時代は変わったものだと痛感する。

 虚ろな記憶によれば、太古の昔は変人扱いされていた趣向ではなかったか。 陰に隠れて 「TVアニメの主題歌を歌う会」 なんていうのが各地に細々あった覚えがある。 大学生や社会人が反体制地下組織の如く寄り集まって社会の冷視線から逃れるように、秘密集会さながらに裸電球の下で主題歌を歌って喜んでいたのではなかったか。 「アニメ」 などという新造語がまだ普及していない時代だ。 恐竜に怯えつつ夜な夜なコソコソと虫を食って生きていた哺乳類先祖のトンガリネズミみたいなものだ。
 今や日本のアニソンは世界中を席巻する。 一般の楽曲提供屋もアニメOPやEDソングに使って貰えればある程度の売りは確約できよう。 売り込みで新曲PVをTVCMに流すカネを使うなら、アニメ製作のプロデューサーにでも飲ませた方が効率いいのではないのか。^^;)

 初出演だと銘打って茅原実里が歌っていた。 今回の目玉のひとつなのだろう。 この声優が歌っている映像を見ていて、この人は面立ちがきれいなのだから私の好きな時代劇映画にでも出てくれないものかと、妙な感慨に包まれる。 姫様役でもいいし、野卑な山賊の女頭領でもいい。 声優という職で演っている以上、役に化ける事ぐらい朝飯前なのではないのかと、ド素人は考える。
 しかし組事務所、いや違った、プロダクション事務所の意向もあるだろうし、本人達も 「声の商売」 にプライドがある。 何が悲しくて好きでもない水を飲まねばならんという思いもあるのは想像に難くない。 なにより、アニメの高度成長期は過ぎたとはいえ、実写世界よりも多元的、多角的展開のポテンシャルで未だに優位性を懐かせる 「アニメ業界の人間」 たる魅力は、他とは比べものにならないのかもしれない。