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陽だまりの樹

 NHKが実写時代劇で「陽だまりの樹」を放送するらしい。 かつて手塚治虫のこの原作マンガを喫茶店で読むのが楽しみだった。 蘭方医術と漢方医術の争いが描かれていて、手塚治虫の実曽祖父が主人公で身内の自伝的作品でもあった。

 Vap と小学館がマッドハウスをもってアニメにした作品は、原作からの逸脱も目立たず、トグサでお馴染みな山寺宏一の声が気に入っていた。 このアニメではインデックス、レールガン、シャナなどの水上清資もけっこう重要なところで脚本を書いている。 また、ナレーションを入れているのが俳優の中井貴一だった。

ファイル 234-1.jpg 伊武谷万二郎の頑ななまでの真っ直ぐさは、武士はこうあるべきと育てられればそうなのかと頷けるものの、手塚良庵の柔軟さや視野に比べれば、なんとも融通の利かぬ、原理主義をコンクリートで固めたような人間に見える。 が、しかし、そのカタブツ武士道が大層魅力的である。

 NHKでは成宮寛貴と市原隼人がこの二人を演じるらしい。 TV時代劇は嫌いでないから興味もあるが、原作やアニメに見るそれぞれの強烈な個性を和らげないで戴きたいと思う。