我が国を米国51番目の州として維持していきたい、それが最良の未来である、と考えているフシがある。 長いものには巻かれろ、傘下で安住を求めよ、との志向もそれはあって然るべきだろうが、占領下での隷従根性そのままでは国の理念も文化も尊厳もあったものではない。
政府与党の強行採決騒ぎを見ていれば、若者達でなくとも 「誇りを持った国の政(マツリゴト)」 など行われていないのが明らかだ。 我が国内や国会に何の意思表示もなく、いきなり米議会での 「安保法案成立公約」 には国民みな呆れかえった。 少なくとも当時は呆れるだけで済んだ。 一年余り、大多数の国民が説明不足だと議論要求をする中、ロクな答弁も出来ずに無茶苦茶な手段を講じてまで数にものを言わせた強行採決である。 我等の自衛軍を我等の尊厳と共に米の軍産複合体に差し出したのだ。 うやうやしくだ。
それほどまでに米国に媚び諂うのか。 自衛隊はあらゆる意味での日本の国防を担う。 この美しく民度豊かな列島国を守らんがために彼等は鋭意訓練を積み、国民の傍らに存在する。 米国の利権、軍産複合体の私欲がために差し出すなど言語道断ではないか。 そのようなことに彼等の命と我々の血税を使うなどもってのほか。
我が国有事の際にはたして米軍がトモダチ作戦に見せたような働きをするだろうか。 中国軍と小競り合いがあった? そんなものは当事者同士でまず解決して貰いましょうか、国連安保理に諮らねばウチは動けないからな、明らかに向こうが悪いと裁定されれば安保条約にのっとりましょう、なんていうのが関の山ではないのか。
米中や米ロが戦いたがる訳がなかろう。 核を一発撃てば世界の破滅、通常兵器同士ならば泥沼が延々続くのが解っている。
安全保障は当然ながら国防の話だ。 政府はそこの踏み込んだ話など一切しない。 いかに防衛機密があるとはいえ、空自のスクランブル回数をどう思うのだとか、尖閣の体当たり攻撃がまたあるぞとか、だからこうしたいのだと周辺事態法も同じ土俵に上げて国民に広く議論を喚起すべきところ、何も示さず時間も与えず、国民に対して 「総理は私だ」 の一点張りで 「トラスト・ミー」 を国民に言い続けた。 特定秘密保護法を強引な数の力で成立させた政府を、いったい誰が信用するというのか。
二言目には 「国民から選ばれた数」 を強調するが、では政府与党は有権者の何割に票を戴いたのか。 有権者の6割も支持してくれたのか。 そうではあるまい。 なんでもいい勝ちは勝ちだ、よって好き放題にやらせて貰うとはあまりに国民と国権の最高機関を馬鹿にした振る舞いだ。
この次は何か? 徴兵制は敷かない、憲法違反だからそれは出来ないと言う。 そのような言葉はもはや誰も信用していない。 お得意の 「解釈変更」 でやってしまう腹づもりかも知れない。 悪しき前例を作ってしまったのは他ならぬお前達現政府与党ではないか。
国民は現政府与党によって陵辱されたに等しい。 国を売られ、日本国民である権利も尊厳も毟り取られたのだ。