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 ヒゲ面のおじさん、実は全聾の作曲家でもなんでもなく、他人に書かせて芝居打っていた 「ただの騙り野郎」 だったというニュースは、ショックよりも 「なに? そんな有名な作曲家になりきっていたのかね?」 といった具合で、全然興味はないし、そのような存在を知りもしなかった。

 ゴーストライターの男は良心の呵責に耐えられなかったということか。 或いは、いずれ近いうちにバレてしまうと踏んだのか。 ドラマ 「あまちゃん」 にもあったように、口パクだけの歌手に声の影武者が背後で歌う場合も似たようなものだろう。 それもまた実際にありそうな話で、例えばレコーディングするスタジオ録音風景などは一般に知られることもないのだから、歌手だろうが演奏者だろうが似ていて上手い替え玉なら使ってバレなければそれで良しとする、そんな風潮が部分的にも無いとは限らない。

 良心の呵責に耐えられない人間は隠し続ける嘘など所詮つけない。 それが出来るのは政治屋とか官僚の高官連中だけではないか。 他国はどうだか知らないが、少なくとも我が国の刑罰では他人を騙す行為に対して罰が甘すぎるように思うのだ。 元々この国の道徳観で他人の物を盗んではいかんとか騙してはいかんとかいう教えが浸透していて、誠実に生きる事こそ尊ばれるべきだった。 故に 「そんなえげつない奴もそうおりますまい」 とか感じられて罰則も甘くなっているのだろうか、なんて風に時折ぼんやり考える。

 昨今の詐欺被害はどうだ。 目に余るではないか。 日本の詐欺罪は罰も軽いから日本に行って騙しまくろうではないか、とばかりに外国からそのテの詐欺集団が続々渡来する。 馬鹿な国産チンピラも 「おお、それはいい、オレもやらにゃ損だ」 と考え、我も我もと騙しまくる。 お縄になってもお仕置きは実に軽いのだ。 この惨状を国権の最高機関はどう見ているのだ。 巨大な詐欺集団たる国会議員連中に巷の詐欺団を取り締まれというのも無理な話なのか。

 権力者は常に嘘をつく。 いや、彼等の言葉は嘘の塊と言っていい。 人によっては 「そうでなくては一国を動かせない」 なんて事を力説する。 まぁ実際、どこの国の歴史を教わっても時の覇王は民に嘘ばかり並び立てて今日に至っているかに見える。 ただ、最近の民は知徳に長け、馬鹿ではない。
 滅茶苦茶な手法をもってしても特定秘密保護法案を通したかった安倍ボンは、馬鹿でない国民を知っていて 「嘘八百な国政」 を盤石にしたかったとしか思えない。 年金にせよ原発にせよ非核三原則にせよ、時の政権はみな国民を騙してきた。 今度の消費増税も何に使うのやら暗澹たる気分になる。
 
 ひと昔前なら、折れたタバコの吸い殻であなたの嘘が分かったかもしれない。 だが、最近の嘘つきは健康維持意識が高く、タバコを吸わないのだ・・・・・。