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ダメだ、こりゃ!

 ♪~ レトロモダンなた・べ・も・の  に・ん・きも・の! ~♪

 なんて鼻歌で、おでんを摘みにして今宵も飲む。 あの真っ黒な静岡おでんが懐かしくもあるけれども、なんだっていい、飲めりゃいいんだ、飲めりゃあ。 ^^;)

 親父殿の物忘れがかなり多くなった。 これは認知症の類だろう、アルツハイマーだ。 そのくせ飯時は忘れねぇでいやがる。 先に座って酒瓶開けて、湯飲みに注いでやがる。 とんでもねぇ爺ぃだ。 ^^;)  それでもオレ様の親父だからして、しょうがねぇ。 山へ棄てるわけにゃいかねぇ。 ^^;)
 しかし、カッターなくしたとか愛用の草刈り鎌どっかへ置いてきちまったとか、ウチの爺さんなんぞ我が国の政府与党のすらっトボケに比べれば可愛らしいものだ。

 ラジオつけっぱなしにして機械整備していたのだが、共産党議員の突っ込みにひとつとしてまともに返答できないのは、わかっているにしてもお粗末すぎる。 挙げ句には後ろの席から自民の西田が援護ヤジを飛ばしまくる。 ひと昔前なら考えられない光景だ。
 もう国民は少し退いた場所から笑うしかないだろう。 おかげで分解したキャブの組み立てでネジ一本どっかへ転がってしまって、探すに往生こいちまったじゃねぇか、どうしてくれるんでぇ、この野郎! ^^;)

 

冬の夜に思う

 古舘伊知郎が 「それでは、また明日・・・!」 とお辞儀をしてもまだやっている。 なに、近所の学習塾である。 駐輪場に置かれた自転車はこの時間になってもあまり減らない。 大変だなと思う。 入試も近いからではあるにせよ、何時までそこで猛勉強するのか。
 もっとも、自分達が子供の頃にも 「三当四落」 だの 「二当三落」 だのの言葉があった。 三時間も寝るようでは受からずに落ちるぞというわけだ。 実に不健康。 大学受験というものを知らない身には 「そこまでやるのか」 と唖然たる思いで眺めていたものだった。^^;)
 意気込みはけっこうながらこの寒さ、悪性インフルエンザも流行っているのだから、親御さんや周囲の人達は当落は勿論、当人の身体の心配も尽きないだろう。

 エラい積雪のようだ。 豪雪地帯と言われる地方ではそれなりの耐積雪強度でもって家を建造しているのだろうけど、あの雪下ろしという作業をなんとか楽に済ませられるいい方法はないものか。
  山村では若い衆が少なくなり、屋根からの転落事故で亡くなる人が増えている。 アタマのいい人達がこれまで一生懸命考えてきたにしても、昔ながらの雪下ろし作業を大転換できるような発想は出てこないだろうか?  近くに温泉の熱湯でもボコボコ湧いていればまた別なのだが、こう何日も陽が射さず、降雪ばかりではたまらない。

 

低気温

 北海道では-30°という低気温らしい。 自分はせいぜい-15°に冷え込んだ冬の夜しか経験がないので、そこまで気温が下がれば寒いというより痛いのではないかと、ちょっと想像に難しい寒さだ。

 A香港型のインフルエンザが各地で流行り、心配されている。 子供と年寄りは特に注意されたい。 不思議なもので、あんなろくでもない野郎が罹りゃいいんだわい、と陰口たたかれる者にかぎってこういう時は悠然たる風に見える。 実にけたいクソ悪い。 憎まれっ子世に憚るの喩え通り、悪徳にも国民の血税を不当に搾取し続ける連中にはウィルスも寄りつかぬのだろう。

 冗談はともかく、体力の弱い者には危険である。 朝まで飲んで、飲み屋から直接職場に向かった若き頃の頑健さを今の自分に求めても、それは無謀でしかない。 いつまで20代のつもりでいやがる、と嘲られてお終いだ。 よって、最近は安酒を朝まで飲み明かすような真似は自然と控えるようになってしまった。 身体には優しいのだろうが、実に寂しい。

 クソ暑い中、草刈りで忙しいくらいの方がいいなぁと夏場を遠くに望む。 が、しかし、先の冬至から比べればかなり日が長くなった。 沖縄では田植えが始まったそうだし、彼岸桜も咲いたという。 鬱陶しい話題ばかりな世の中ながら、これから季節は徐々に暖かな方へと向かうのだし、日は確実に長くなる。 ちったぁ明るく暖かな先でも想像せにゃやってらんねぇわな、とばかり、バーボンに熱湯を加えてグイと呷る。
                   けぇ~っ! キクぜぃ!

 

中学生日記

 NHKの 「中学生日記」 が終わるようだ。 湯浅実の教師が懐かしい。 東野英心もやっていたなと想い出す。 子供達のTV離れなのか、あまりな長寿番組のためネタ詰まりなのか。
 大人への反抗もあれば、夢を持てずにどんよりと重い空気を漂わせる内容もあったように記憶している。 金八さん並にクローズアップして激しい突っ込みの部分はないにせよ、なるほど、日常ありそうな考え方や行動に苦笑いさせられるものも多々あって、なにかの拍子に当該番組に行き当たれば、そのままチャンネルを変えずに見ていたものだ。

 素人の子供達が主役だった番組はそれなりに新鮮味もあった。 TV放送業界の中にはこころよく思わぬ人々もいたそうだが、現在に見るAKBだのなんだのという48組あたりは、それこそ素人の学芸会一座ではないのか。 彼女等が途方もない売り上げをもたらすのは、そこが最大の “売り” であるからだろう。
 特別の才を持った別世界の者でない、ファン参加型の身近な一座。 その意味では大衆演芸に近いのかもしれない。 いい歳こいた太っちょオジサン達が選挙投票権欲しさにCDやDVDに殺到するというのを聞けば、下町の玉三郎が追っ掛けオバサンに万札レイを首に掛けて貰う様と似ている気がする。

 「けいおん!」 に見る子供達は、やがて成長していく娘達の一時期だ。 学園内の話とはいえ、彼女等も特別な異世界を求めるのではない。 学園祭の講堂ステージという極めて仲間内な場所が彼女等の檜舞台なのだ。 アニメ作品の出来の良さは横に置いておくとしても、やはり素人の身近さが大いにウケたのだと思える。 ちょっと見渡せばその辺にいそうな娘達。 同年代にとっては友達がアニメでギター弾いて歌っている感覚かもしれない。

 「中学生日記」 の終了は、放送形態、媒体の進化でもある。 ネット社会なれば、視聴者対象であった中学生自らが動画を撮影し、編集して自分をアピールする。 ブログで日記のようなものを公開して自分を顕示できる。 それらは殆どリアルタイムで可能だ。 そこに特別な世界は存在しない。 ありのままを表現するに、もはやTV番組としてわざわざ制作する意味がない。 番組終了決定は時代の要請でもあり、時代が 「無用」 と結論付けたのだろう。 それにしても、長く続いた番組だ。

 

紅白

 数日前の強風で近くから飛んできた杉の枯れ枝を片付けていたら目に付いた。 我が家の裏のツバキが花をつけた。 こいつはいつも正月前に咲くのだけれど、今年はかなり早い。 この時季、殺風景な身の周りにこのような花は目立って映える。 気付けば冬至も近い。 やけに日が短いと感じるのは当たり前だ。

 大晦日の紅白はどうたらこうたら、ラジオではお笑い芸人の早口がどうでもいいような話題に興じている。 NHKが本当に “黒い交際” の歌手排除に取り組むのなら、有名どころの演歌歌手は軒並みアウトではないのか。 立て前だけ先走って中身のない我が国の政党と同じではしょうがなかろうに、と思う。

 スカパー! のアニソン紅白というのもまたやるらしい。 なんで紅と白にせねばならんのかよく解らないが、しょうもないメドレーのオンパレードでは見る気も失せよう。 楽曲というヤツはフルでこそだ。 カラオケによくあるなんたらメドレーなんていうのをプロがやってどうするのか、とブツクサ言っていれば 「オヤジだねぇ」 なんて馬鹿にされるのか。 ^^;)  ま、当日の会場が盛り上がればそれでいいのだろう。

 

御用だ、御用!

 我が家の近所でも休耕田があり、そこはお山の獣が入り放題にしてあるから、毎日のようにイノシシが田面をほじくり返している。 ちょいと横を見れば刈り取った稲を干してあるのだけれど、そこへは溶接金網が張り巡らされていて侵入できない。 奴等だってフラストレーションは溜まる。 抗議のデモでも行ったかのような凄まじい荒し方だ。 草ボウボウだった休耕田はイノシシによってあらかた除草され、雨上がりなどは泥風呂として使った跡もある。

 あそこは奴等の遊び場にしておけばいいと地主は言う。 機械化耕作として使い辛い小さな田であるし、彼等もこの辺りを彷徨いてタダで帰るんじゃ腹の虫が治まらんだろう、と笑う。 山に食い物がない以上、里へ降りてくるなと言う方が酷だ、大事なものはくれてやる訳にはいかんが、休耕田をほじくり返すぐらいはさせてやってもいいだろう、と。
 地主はチラリと遠くの山々を一瞥する。 無理ぁねぇわいな、と呟く。 いつ手入れされるのか、いつ用材として切り出されるのかさえ見通しのない植林の山だらけ。御先祖様からの山は手放させない、かといって管理する費用も出せないから放置しっ放し。 結果、獣は住めなくなり降雨災害にも脆くなる一方だ。

 ウチの親父に言わせれば国策の間違いだとする。 確かに一理ある。 資源の少ない島国に於いて、富国強兵から始まって敗戦後の復興までの間、用材を植えよ育てよとした国策は無理からぬところながら、その後の安価外材輸入と対外政策の反面で、農林省は国内の山林保持について何か手を打ってきただろうか。 林野庁の統計で将来への懸念が少なからずあったにもかかわらずだ。 政治がやってきた事と言えば、せいぜい土建族議員が高速道路用地を秘かに先行買収してきた程度だろう。


 長野ではクマ、静岡ではシカが住宅地に現れて大捕物だったようだ。 怪我をされた人もいて、警察官も大変だ。 特に子供や年寄りにとっては脅威。 外から帰ってきたらクマが漬け物桶を漁って 「おぅ、こいつぁ今朝漬け込んだのか? まぁ浅漬けもいいやな」 なんて言いながら座り込んでいたという話も冗談には聞こえない。
 「ちょっと借りてるよ、坊や」 とパズーのテーブルを占領して食卓を広げていたのはドーラおばさんだったが、「おめぇ、もっと若いうちに摘んでこいや」 とかほざきつつ、シカがそこで生野菜喰ってたっておかしくはない。 「やい、来年からはな、無農薬にしておけよ」 とふんぞり返っているかもしれない。

 大捕物なら警視庁も無法自転車の一斉取り締まりを実施したそうだ。 一昔前の中国じゃあるまいし、こんなろくでもない連中を放置しておいたのではいけない。 大半が交通法規無視と自覚した上での行為なのだから、とっ捕まえたらまず2,3発張り飛ばせばいい。 その上で悪質な危険運転として50万ぐらいの罰金をむしり取る。 罰が甘いからつけあがるので、そのくらいの法改正は急務だろう。
 本人だけでなく、世帯主と勤務先へ赤切符を突き付けるようにした方がいい。 自転車であるという事で軽く考え、自転車なら許されるという甘ったれた性根を世間に晒してやらねば、ノータリン共のアタマは理解できまい。

 

キラキラ白湯鍋

 スーパーの鍋コーナーで、なんだ、こりゃあ?! ってんで、手に取ってみたらお蝶夫人ではないか。 なになに、鶏の白湯にコラーゲンを溶け込ませた白湯鍋スープ・・・?

ファイル 179-1.jpg 畑作業で真っ黒、というよりもはや土色と化した男に美肌もクソもないのだが、コラーゲン摂取で悪いこともなかろう。 だいたい、丸大食品めが、リューザキレーカやオカヒロミを使おうなんていうのがいいじゃないか。 開発部のお姉様達が考えたのか、入れ知恵した広告会社でもいるのか、集英社が今ぞとばかりに持ちかけたのか。 お肌に衰えを感じ始めるオバサマ方には恰好の年代キャラだ。

 面白いからひとつ買ってきた。 ^^;)  この週末は白湯鍋で一杯やるかと思うものの、「オイシイ女子会」 だの「 がんばれ!女子」 だの 「美麗系」 なんて書いてあるのを見れば、なんだか女性の化粧品を秘かに触っているような、いささかの気色悪さは拭えない。

 女子会というのが流行りだそうだから、ターゲット市場はそこなのだろう。 小汚い男共を排除して気遣いなくコラーゲン鍋を囲んで飲み明かそうではないかとするなら、それは結構なことだ。 自分が思うに、お蝶夫人を知る年代の女性ならばもう子供達も片付いたオバサマ方の寄り集まりになりそうで、女子会というより婦人会の趣でありそうな気がする。 ^^;)

 

草刈り終えて

 今年はこの先、もう大々的な草刈りも必要ないだろうと、徹底的に刈り込んでやった。 少年の頭をバリカンで坊主にしてやる気分だ。 あとは残してあるススキの具合を見計らって刈り入れる。

 家の生垣にしてあるウバメガシの刈り揃えには八方刃のディスクを使う。 こいつで植木屋よろしく方形に整える。 さすればお袋さんの恰好の物干し台にもなり、見た目の他になにかと都合良い。
 生垣剪定やススキ刈りなどを除き、自分はまず金属刃を使わない。 草はもっぱらナイロンコードで刈ってしまう。 近所でもこれを使う人は増えたが、いかんせん作業着が汚れてしょうがねぇ、と嫌う人も多い。 刈った草葉のチップがビシバシ自分の方にも飛んでくるからだ。 イラクサなどの雑草を侮ってはいけない。 彼等も立派に樹液を持っている。 故に洗濯しても落ちにくい。
 だが、屋外の仕事で汚れぬ仕事なんぞあるものか。 汚れてもいいから仕事着なんじゃねぇかい、お前さんらはお公家さんかえ? と自分は思う。 ^^;)

 農業への企業参入がもっと活発化されれば、そこではこういった作業も様変わりするかもしれない。 当該企業の下請け、孫請けに相当する人々が行うことになる。 個別農家も重層下請けに組み込まれる場合が生じる。 農作業に対するマニュアルというやつが文書化される。 経営上の企業責任、いわゆる品質管理規定や安全管理規定だ。
 いいものを作ろうと考えて個々一人親方の手弁当でやっているのが多くの農家なのだから、品質管理マニュアルはそれぞれのアタマの中にある。 企業の重層体系になったところで、作り出す高品質のものに対する考えはそうたいして変わるものでもなかろう。 ただ、安全管理に対してはちょいと厄介かもしれない。

 トラクターをひっくり返したとか畑の土手先から滑り落ちたとか、ハウス屋根の修理中に落下したり草刈り機で怪我したり、そういった労災関連の事故を企業は未然に防がねばならない。 つまりは工場労働者や建設労働者のような安全管理マニュアルに従えということになる。 例えば単純な草刈りひとつとっても、飛散物防護カバーはどうだの専用防護服とゴーグルは義務付けだの、下手すればヘルメットまで着用しろと謳うだろう。 労基署は間違いなくそういう指導をする。
 自分なら、何が悲しゅうて真夏のクソ暑い畑のど真ん中で防護服に鉄カブトなんだと怒るだろう。 つまりは一人親方の 「怪我は自己責任」 「怪我と弁当はてめぇ持ち」 な根性が染み着いているからだ。 しかし、考えてもみよ。 そこの畑の段差は2m程ありそうだから手すりを設けろ、労働安全衛生規則だ、などとやられた日にはたまったもんじゃない。 そんな邪魔なモン作って、仕事になるかぁー! ^^;)

 

卜伝

 数日前の雨以降、めっきり涼しくなった。 ようやく長袖のシャツが程良い。

 涼しくなる前のある日、畑の近くの沢付近で一匹のカエルがシマヘビにロックオンされていた。 ああ、こりゃあ絶体絶命だわな、かえぇそうによ、ヘビに睨まれたカエルたぁ、よく言ったもんだわ。 成り行きを見守りながらそう思った。
 ところが、アタックと当時にカエルが跳ねて逃げた。 絶妙の間合いだ。 み、見事なり・・・・!  思わず呟いた。 静止状態から瞬時に跳ぶ瞬発力、間合いの計り合いでカエルが勝った。

 ヘビというやつは飛び掛かりに一度失敗するとザマはない。 体勢を整え直すに多少なりとも時間を要する。 その間に連続ジャンプのカエルは遙か彼方を跳んで行く。 おのれチクショー、待たんかコラァ!  諦め悪くクネクネ地を這って追って行くも、追い付ける筈もなし。なんちゅう鈍臭いやつだ、おめぇはよ、一族の間でも落ちこぼれじゃねぇのか。 草むらに消えていくヘビの尻尾を少し哀れみの目で見た。


 BS時代劇の 「塚原卜伝」 が始まった。 こういうのを好きだ。 幼少の頃のチャンバラごっこに似た胸の高揚がある。 小山ゆうの 「あずみ」 を読み始めた頃の面白さに近いものか。 剣豪の物語故に、芝居がかった大袈裟な殺陣でない。 返す刃で短くトンッと内股を斬るなんぞは素晴らしい。 「七人の侍」 で凄腕の久蔵を演じた宮口精二の姿をちょっと想い出す。 それの米国版でジェームス・コバーンがナイフ投げを演じて人気を博した。 川添珠姫の突き技も同様。 これみな静から動に変わる瞬時の凄味だ。

 このNHKによる若き日の卜伝、小田原で変則の相手と戦う。 カエルのように這い蹲り、跳んで攻撃してくる。 一世を風靡した世界チャンピオン・輪島功一のようなものだ。 苦戦するも勝利を収めるのだが、これがもし、あの日のカエルのように跳んで逃げて行く相手であったなら、卜伝は倒せただろうか。 畑の情景を脳裏に浮かべ、とりとめもない空想に馳せる。 まったく、卜伝もいい迷惑だ。

 

マツタケ

 気象庁の台風進行速度で、「ゆっくり」 とはどのくらいの速さなのか。 速度が5ノット (≒ 9 km/h) 以下で進行方向が定まった場合に適用させるらしい。 同5ノット以下でどっち向いて行くのか今のところわからんという場合は 「停滞」 になるそうだ。
 紀伊半島の土砂ダムはいつ決壊するのか危険な状況だし、沖縄ではいつまでも居座る台風でたまったものじゃない。 おそらく日本近海の海水温も高いままだろうから、台風の勢力が弱まるのはまだまだ先に違いなく、見通しは宜しくない。

ファイル 170-1.jpg マツタケが一時期の冷温でけっこうヤラれてしまったそうだ。 幸いにして全滅だという話ではない。 もっとも、貧乏人の口には入らない。 いつだったか、ウチへ訪ねてきた飲み連れがやり過ぎてへべれけになった際、アガリにこれでも飲んだらどうだと永谷園の吸い物に湯がいたエリンギの切れ端を数枚入れ、三つ葉散らしてくれてやったら、お前はなんちゅう贅沢をしておるのか、どこにそんなカネがあるんだと喜んで啜った。
 哀れなるかな、我等貧乏庶民とはその程度のものである。 今度あいつが酔いに来たら、同様にエリンギの炊き込み飯を用意しておいて欺してやろう。 世の中には酩酊によって極度に鈍る味覚の持ち主もいて、ささやかないたずら心を刺激してくれる。

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