「やっちめぇ!」

 「野郎ォ!」

チィーン! カィーン! ザシュッ!

 「ぐぇっ!」

「割ってへぇるぞ! 付いて来い!」

 「ヤローッ! させるけぇ!」

「うおおおーーっ!」








         バシュッ!

          「げぇっ!」

           「マキ五郎!?」

          「でぇ丈夫でぃ! 畜生め!」

           「割り込まれちまったぞ!」 

          「挟んじめぇ!」

           「ぶった斬れぇ!」








「野郎ォ! 火薬玉だ! そいつを止めろォ!」

 「は、速ぇ・・・!」

「待ちぁがれ! 行かせるけぇ!」

 「行けぇー! 振り切っちめぇ!」

「志穂松ぅ!」

 「クソッたれぇ! このォ・・・!」
























                ブンッ!

                 「あ! 畜生、てめぇ!」

                   「お、追い付けねぇ!」








「うぇ! 奴等、速ぇ!」

 「志穂松が倒せねぇ・・・!」

「クソッ! やりぁがる!」

 「斬れぇー! そいつを止めろォ!」








チィーン! カィーン! ザスッ! バシュッ!

 「ぐわあっ!」

「げっ! どっから湧いてきぁがった?!」

 「このっ・・・! すばしっけぇ野郎だ!」



「今だ! 火薬玉こっちへよこせぇー!」








 「うわっ! 勝蔵! いつの間に!」

   「こいつォ喰らいぁがれぃ! うりゃああーー!」

        「やべぇ!」








「だぁああーーーー!」    ブヒューッ!

 「あひゃー!」




          ドカーンッ!


 「げぇぇ! 砦にぃ・・・!」








「ククッ・・・見たか、なぎ次郎! 
これからの喧嘩ぁ速さよ! 火薬玉よ!」

「たぁんとあるからな、あと五、六発ぁぶち込んでやるぜ。
砦ぶっ潰されりゃあてめぇらぁ大混乱の末に意気も萎え
ちまうだろうよ。刃こぼれの棒っ切れみてぇなダンビラに
せいぜい頼るこったな!」

「よし、奴等ぁ呆けてる間に回り込んで一旦退くぜ!
立て直しだ!」

「おおーっ!」








「ヤラれやした・・・替えの道具ぁ半分駄目ですぜ。
奴等ぁ相当こっちの動きを読んでやす。砦を狙ってやがる
みてぇでやすよ」

「まぁしんぺぇすんねぃ。手の内見してくれたと思ゃあ
いい。それより怪我人はどうでぇ?」

「孫六が肩口ぃイカれやした。平七ぁ左腕斬られてやすが、いずれもかりぃもんで、まだ行けまさぁ」

「そうけぇ、そいつぁ良かった」

「奴等、火薬玉ぁ仰山持ってそうでやすね」

「こっちも幾つかぁ持ってきてたな?」

「へぇ・・・五つでさぁ」








「へへ・・・そうけぇ、そんだけありゃあ上等よ」

「使いやすか?」

「オレに一個よこせ。あたぁおめぇとよ、志穂松、メグ蔵、マキ五郎に持たせろぃ」

「へぃ、まざぁ奴等の鼻っ先へ一発くれてやりやすか!」

「勿体ねぇ。野っ原へくれてもモグラぁ仰天するだけでぃ。人間様ぁぶった斬る方が確実よ。狙うなぁ奴等の砦だ。あの野郎らぁいっぺぇ持って来てるんならよ、ぜってぇどっかへまとめて置いてやがるに違ぇ無ぇ」

「なぁる! そけぇぶち込んでやりゃあ・・・!」

「お山の噴火みてぇなモンが見れるぜぇ」








「てめぇらぁ、まだオレの合図に鈍い!」

「へぃ!」

「今ぁ上手くいったがよ、今度ぁ奴等の目が慣れてくる。
いいか! 二度目からぁぜってぇ機を外すんじゃねぇぞ!」

「へぃ!」




「親分! 来やしたぜ! なぎ次郎だ!」








「ぅおりゃあああーーー!」

 「止めろォ! そいつだけぁぜってぇ通すなァ!」

 「ヤロォッ!」

   
カイーン! カイーン! チンッ! チンッ!

「どけぇー! このサンピン!」   
ズバッ!

 「ぐわぁっ!」

 「そいつぁアタマだ! なぎ次郎だ! 斬れぇ!」








バシュッ! ザスッ!

 「げふっ!」
 「ひぃっ!」

 「つ、強ぇ・・・!」

「どけぇ! このザコらぁ!」

   ズバッ! チィーン! キンッ! ザシュッ!

 「がぁっ!」
 「ぐぇぇっ!」

 「ひえぇ! ば、バケモンだ!」








  「怯むなァ! 馬鹿野郎! まとめて掛かれぇ!」
  ぜってぇ通すんじゃねぇぞ! 持ち堪えろォ!」

  「東手ぇー! 今のうちに突っ込めぇー!」




        「げっ! なんだ、ありゃ!」








ブンッ!  ザッ!

「おっとどっこい!」

 「あっ、この野郎め!」

 「しまった・・・!」

「へへ、わりぃな! あばよぉー!」








      「おおっ! うめぇ! 行けるぞ!
       よし、突っ込めぇー! 志穂松ぅーっ!」

      「おお、お、おっ・・・・! 行っけぇー!
       ぶち込んでやれぇーっ!」








「ク、クソッ! 野郎ォ、待ちぁがれ!」

 「ひえぇ! 誰か来てくりょおー! はっ、はっ!」

 「後ろだ! 来てンぞ! 志穂松、走れぇ!」

「逃がすか! この野郎!」  
ブンッ! ブンッ!

 「ひえぇ・・・!」

 「もういい! そっからぶち込んでやれーっ!」








「よ、よし! 喰らえ、このぉーーっ!」  ヒュッ!

「あ、あれっ?」








       ヘロヘロヘロォ〜・・・・・・

        「げっ! しくじっちまったぃ・・・!」




       「うぇ! なんてこったぁ! 勿体ねぇ!
            でぇじな一個だったによぉ〜!」

       「あのバカッ! やっぱり、志穂松でぃ!」










 「ばぁかめぇ〜・・・! へへ、ざまぁみやが・・・

   ・・・・・れ・・・・・・・・・・・・え? ええっ!」


  「ひっ!」




        ドカーンッ!








「ウヒョー! 当たりやがったぁ! どんなもんでぃ!」
これが志穂松様よぉ!」





「逃げろ、志穂松! 囲まれンぞォ!」

「うひゃー!」








「や、奴等も・・・持ってやがったンすね、火薬玉・・・」

「・・・忘れちゃいたぜぃ。なぎ次郎は船ぇ握ってやが
ったんだよな。こりゃあ向こうも同じぐれぇの玉ァ
持ってると踏んだ方がいいぜ。守りを固めろぃ!」

「へぃ! にしても、あの野郎、火薬玉ァあんな放り方
するたぁ・・・・えれぇ業師でやす」

「おぅ、志穂松ぁダテになぎ次郎の三羽烏張っちゃいねぇ。訳の解らんヤツだからな、何してくるか分からねぇ。まさかの隙を一人で突っ込んできやがった。並の手練れじゃ
ねぇぞ、一人で勝負すりゃあ危ねぇからな」

「へ・・・へぃ!」








「どれくれぇヤラれたんでぃ?」

「なぎ次郎に五人イカれやした。くたばっちゃいやせんが四人ぁ使いモンにならねぇんで藪ン中へ引き摺り込みやした。砦の火薬玉ぁ幸い無事でやす」


「そうかぃ、あいつに五人も斬られちまったか・・・。
ヤツを止めるにゃ受けに回らせるしか手はねぇな」

「あ、あんななぁ初めて見やした! ありゃあ人間じゃねぇでやすよ! ば、バケモンみてぇに強ぇ・・・・」

「ヤツに攻めさせるめぇに攻めるぜ! てめぇらの足が頼りだ、オレの合図を見逃すな!」

「へぃ!」
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第十二幕  火薬玉



      
      恨み辛みぁ御座いやせんが 避けちゃ通れぬ勝負の掟  道具のダンビラぁ振り回し ケリをつけるが男の意気地