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スポンサー不足

 『ふたつのスピカ』なんて好きだったのに、と残念に思う人も多かろうグループ・タックの自己破産。「坊やよい子だねんねしな・・・」で一世を風靡したのからあだち充の野球ラブコメなど、70年代以降の日本アニメを引っ張ってきた制作会社のひとつだ。

 体力の弱いものから倒れていくのが現実で、かといって本業以外にも幅広く展開して「なんでも屋」ならば生き残れるというものでもない。少子化もありTV離れもあるだろう。アニメに限らず、スポンサーとなる企業そのものに体力が無くなっている。法人税で持って行かれるよりは企業イメージに注ぎ込もうなどという遙か昔の夢物語的余裕などありはしない。

 DVDやBDの売り上げでアニメの占める率は高い。我が子のために買ってやる父母の出費よりは、自分の手元に特典付き高画質製品を置いておきたい“そのテ”の購買力がものを言う。だが、オタク共の出費がアニメ制作会社を支えているなどという話は聞こえてこない。やはり制作に関わるスポンサー不足により、カネの流れも無ければモノ作りの流れも滞ってしまうのが、業界の厳しさの根源なのだろう。
 世の中、好景気ばかりでもあるまい、これも淘汰のうちだ、と言われれば確かにそうだが、ごく少数の大手だけが生き残る活気無い業界であるならば、ファンとして歓迎したくない未来に思う。