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余計なお世話

 アニメではクリスマスに雪を降らせなければならない。ところがこいつは豪雪だとあまり具合良くない。多くの作品を見ていれば、舞い落ちて来るが積雪には至らない程度がベストらしい。膝まで積もって歩けやしないのでは、ロマンチックを通り越して厄介な環境でしかない。街灯に明かりが灯り、雪舞う歩道に寄り添う恋人達とまではいいが、その横をグレーダーやタイヤショベルがぐぁーと雪を掻き、オラオラどけどけ除雪の邪魔でぃ、なんて叱られたのではあまり好ましい甘蜜の雰囲気でない。こういう場合はさっさとホテルへしけ込んだ方が賢明だ。

 東北では雪が降り続く傍ら、太平洋側では豪雨だとか。勘弁してくれ、もう年の瀬だぞと言っても気象の現実は容赦無い。師走のとんでもない豪雨は自分も経験したことがある。張った氷の上に 200mm もの雨に見舞われた。長い年月にはそういう事もあろうかと思ったものだが、近年の頻度は増しており、これはもはや異常ではなくなっているのかもしれない。

 クリスマスの恋人達よ、濃厚な抱擁と口吻に身体を火照らすのはそれはそれは良きものながら、待ち合わせ前に気象情報だけは確認しておこうではないか。天候がこれだけ芳しくないと、シティホテル、ラブホテルだけでなく安旅館までもが混み合いそうだ。一人暮らしならばいっそどちらかの住まいで一夜を過ごす事をお勧めしたい。 なに? 余計なお世話だ? 左様で御座るな、これは申し訳ない事で御座った。