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沖田十三

 晩酌に酒を燗して湯豆腐を啄みつつTVをつけたら、なんとヤマトのTV版一挙放送というのを流している。古代進が沖田艦長の代理に任命されるというからには、かなり終盤に近い。
 何なのだこれは。つまりは平日の真っ昼間から始められている一挙放送という事ではないか。「どこの誰が見ること出来るっちゅうんじゃい、だぁほめが!」 と、ファミリー劇場に少々立腹。「ンにゃろぅ、こんなもなぁ夕方から始めろぃ!」 と毒突いても仕方ない。 おかげで、あの赤ぇロボットにスカートめくられる森雪を見られなかったじゃねぇか、などと下品極まる悔しさも手伝って、グイ呑みを呷りつつ、どうにも面白くない。

 今年の夏に探査機・はやぶさが地球に戻ってきた一大イベントがあった。国内があれだけ騒ぎ、感動に涙する人もいたのはこの 「ヤマト」 と無関係ではないように思う。先頃、そのカプセルが持ち帰った微細な粉塵にイトカワのものらしいのが多々認められるとJAXAが発表した。幾多の苦難に耐え、コスモクリーナーを持ち帰ったヤマトと否でも応でも重なる。

 己は死すともそれを持ち帰る任務を全うする探査機の姿は沖田十三そのものである。また最後に、帰還した故郷・地球の姿をカメラに納めるというくだりは、沖田の最期をそのまま踏襲したといってよい。ヤマトと共に育った世代はこの探査機の壮絶な帰還、華々しい最期に、沖田の生き様を見たのだ。 ああ、思い返す度に泣けてくる・・・・。