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INDEX Ⅱ 第4話

 足で小突き回されながらも凛として正道を崩さぬオルソラの倫理観に掻きむしられ、アニェーゼは真っ当な反論も出来ずに苛立ちだけが募る。惨めな命乞いに泣き喚く姿を見たいところが、大勢の部下共の前で自分の方が追い詰められている。まったく立場がない。当麻君の結界破りによってアニェーゼの方が救われたのかもしれない。

 姫を救うべく敵のアジトに殴り込む四銃士、とでもいう雰囲気。五和を筆頭に天草式の面々は強い。蹴散らされるローマ正教軍。めまぐるしいばかりに動きの多い第4話である。
 日本映画で言えば四人の風来坊素浪人がそれぞれの理由を持って再び同じ場所に結集する一場面。米国西部劇ならお尋ねの無法者達が1ドルにもならないそれに義勇心だけで向かっていくパターン。各自、他をあてにしていないところが良いので、なんだお前も来たのかという善玉の余裕に拍手喝采となる。その実はそういう行動を取る可能性を互いに読んでもいる。「場所は分かってるのかぃ?」 というステイルの問いは既にコンビニの話ではない。

 カッコつけのキザな行動だけでなく、これがまた滅法強いというのがお定まりを外しておらず、痛快気分にさせてくれるであろう期待を裏切らない。よくもオルソラを足蹴にしぁがったなと、見ているこちらは高サンダルのアニェーゼに恨み骨髄である。当麻君の必殺右ストレートに吹っ飛ぶ姿を見ても「まだ足りんぞ当麻」と嗾けたくなる。
 流れるような五和の舞い、これは絵になっている。フィギュアにすれば売れそうだ。 ド派手に火炎を操るステイルといい、一閃で数名をなぎ倒す建宮の余裕といい、インデックスに指一本触れること叶わずバタバタ倒れるローマ正教軍に溜飲が下げられる。

 インデックスの能力・シェオールフィアを見ていると、ウィルス駆除のワクチンプログラムか、はたまたガン細胞を選んで喰っていく特殊な酵素のように思えてくる。これは敵に回さぬ方がいいと建宮などはさぞや驚いたことだろう。
 しかし玉砕覚悟の魔術とはいえ、ルチア達が万年筆を自分の耳に突き刺す凄惨さはグロだ。気色のいいものではない。飯時には見たくない映像である。捨て身のローマ正教軍、シェオールフィアを回避できるのか。

 天草一党を導く者はまた救う者でもあろう。神裂さんの御登場を次回まで心待ちにしよう。