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INDEX Ⅱ 第2話

 当麻君は女難に次ぐ女難の人生に違いない。当人は不幸だ不幸だと嘆いてはいるが、いかに厄介でややこしい連中であれ次々現れる魅力的な女性達を眺めれば、その辺に転がっている大多数の少年には垂涎ものの境遇ではないか。
 その昔、御坂妹達に取り囲まれたのも然り、黒装束のシスターがこれだけ揃い、「女の子臭くてしょうがない」 などという思いをもしも懐くとしたなら、それすらけしからん心情に思えてくる。ああ一度でいいからかように女難の日々を味わいたいと、羨みにやっかみの眼差しでこの第2期も見るはめになりそうだ。

 どこかのネジがちょいと緩んでそうなシスター、オルソラ・アクィナスとバス停で出会った。なんとも疲れる尼さんだが、色白の美顔をその香しきフェロモンに包まれそうな程に近付けられて、これまた芳香漂いそうなハンカチで頬の汗を拭き取って戴ける当麻君を見れば、こヤツはこの上ない幸せ者ではないかと指でもしゃぶらねばならない。

 ちょいとした事故の結末とはいえ、ローマ教会のアニェーゼ・サンクティスの股ぐらに顔を突っ込んで、あられもなくおっぴろげられた股間の下着をまじまじと目に焼き付けてしまう彼の光栄には、なぜお前さんだけそれほどいい思いに与るのだと、羨ましさを通り越してやや立腹する。

 また、ローマ軍は駐車場を占領しての野営を決め込む。自衛隊のテント風呂にナメクジが這うのも実にリアルながら、少女達の入浴裸体をガードするは毎度お馴染みの憎むべき白い湯気である。風よ吹け、団扇はないのかと叫んだところでこればかりはどうなるものでもない。ここでも当麻、お前だけが見たのかと、やっかみはいつしか歪んだ被差別待遇の意識と変わり果て、てめぇコノヤローと口走る始末である。主人公相手に何を喚いているのかと、我に戻るまでいささかの時間を要してしまった。


 トーマは全然遊んでくれないし! という聞き慣れたフレーズが心地良く、警備ロボの上で相変わらずグルタングルタン回転する舞夏を見ると我が家に帰ってきたような気分にさせられる。明治か大正の女流歌人を思わせるローラ・スチュワートや、言葉尻に少し下賤の色濃いアニェーゼ・サンクティス、重要人物ながら本人はアサッテの方を彷徨いていそうなオルソラ・アクィナスなど、おかしなキャラクターの多様さは前作に引けを取らない。

 川田まみが歌うOPの 「No buts!」 もシリーズにマッチしている印象だ。こういうOPの曲はイントロが大事なのではないかとも思う。このシリーズにはバラード調やR&Bでは視聴者はノッて入り込みにくいだろう。キュートでとんでもない能力を持つ連中が繰り広げるアクションだけに、レールガン同様、高揚感を誘うリズムを底面に走らせた方が効果的に思える。