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彼女は何もしていない

 「今日のあすかショー」 を一挙放送していた。

ファイル 349-1.jpg 社会通念から少し逸脱しているような行動をとる女子高生に大人達が手玉にとられ、翻弄される。 それがたまらなく痛快で、可笑しい。 大人が少女に動転して狼狽するなど、最も顕著なのはやはり小悪魔的で且つ生身の “青い色気" を見せつけられる場合ではないだろうか。

 どぎまぎして狼狽える大人を横目に、この少女はあくまでも天然の自然体である。 わざとパンツを見せびらかしていたのではない、自分は快適さに包まれて気付かなかっただけなのだ、などと彼女自身の中ではあっさり片付けてしまうのだろう。 もしかして多大な不快感を与えてしまいましたでしょうか? と仔猫のような表情で見上げられたのでは大人達に言葉はない。 彼女にとって何ら恥ずかしき異常事態でなく、朝のホットミルクをマグに注ぎ損ねた程度の出来事に過ぎないのだ。 それがこの子の “自然な日常" に違いない。

 

凡庸な日常観察から得ている女子高生像を持って大人達は彼女の反応を想定するも、蓋を開ければあさってを向いていたり虚を突かれたりで、即座にこの少女を理解することは難しいと思われる。 結果として大人は手玉に取られているのだが、彼女は何もしていない。 大人達がその青い性の香りに自分で酔って自分で勝手に踊っているのである。 これが笑わずにおられようか。 くだらぬ芸人の楽屋話などに付き合わされているTV視聴者は、こういう作品で笑っていただきたいものである。

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