記事一覧

こんこん

ファイル 345-1.jpg 伏見稲荷である。 豊穣のお狐様、白狐である。 有名な千本鳥居は千本どころかその十倍はあるのではないかという。 「京都なんたら殺人事件簿」 なんて二時間ドラマなどにもよく使われる場所だ。 なぎほの信仰のプリキュアンなら、九条ひかりがオーメン少年と出会った場所としてこの鳥居参道を覚えてもいるだろう。 関東方面で生まれた人ならば、修学旅行で訪れたかもしれない。

 先日、私の姉がここの前にあるせんべい屋でせんべいを買ってきた。 せんべいだのクッキーだのというやつを喜んで喰わぬ自分でも、これは美味かった。 店の前にちょいとばかりの間クルマを停めたら、せんべいを焼いていたたせんべい屋のオヤジと目が逢ってしまったので、駐車料代わりの愛想に買ってきたのだという。
 焼いていたのがデカいきつねせんべいだったというから、どうやら某い○り屋の前にでも停めたに違いない。 どうせならそのケツネせんべい買って来りゃよかったじゃねぇか、と言えば、いや、味は絶対こっちの方がいい、と威張りやがった。

ファイル 345-3.jpg お狐様は白狐なのだが、御立派な尻尾を持っているのだし、ケツネには違いあるまい。 お山に増えて貰ってイノシシのウリ坊を少しは喰って貰わねば、豊穣どころか獸害による凶作になりかねない。 お狐様総本山なれば久しぶりにいなり寿司でもお供えしてケツネ繁殖をお願いして来ようかと思ったりもする。





 原作マンガは少年誌なのか。 最近マンガを殆ど読まないから何も知らないが、このTVアニメを見る限り典型的な少女マンガだと評してもおかしくないラヴコメではないか。 恋などというのを口端に出すのもこっ恥ずかしい歳になってしまった身には、己の思春期時代を想い出すのにしばし時間が掛かる。
 しかしながら、そうであったなと過去を穿れば芋づる式に当時が脳裏に展開される。 世界は今ほど広くはなく、寝ても覚めてもその相手の事を思っていた、単純ながら一途で美しい程に真っ直ぐな世界。 それだけに無防備で折れ易く、サインカーブのように感情が起伏する。

ファイル 345-2.jpg 主人公・いなりも、うか様も、両名は実に可愛らしく共に危なっかしい。 苗木若葉のようないなりは当然として、当該神社の女神・うか様におかれては、恋を夢見る乙女が如く、使い狐共をゲーム機にしては嬉々たる表情で男と女のラヴゲームに興じている。 酸いも辛いも知り得た女神の見識、知徳にはいささか遠いように覗える。 発展途上の新米女神なれば、この先いなりと共に恋の渦流に翻弄されるであろう事は明白で、タイトルに 「恋いろは」 があるからには、惚れて惚れられ、若さ故に擦った揉んだ悩んでは成長してゆくのだろう。 また、清々しい恋心を扱うアニメはそうでなくては面白くない。


 
ファイル 345-4.jpg