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タナベや野明

ファイル 330-1.jpg あれは梅雨明けの頃だったか、よく立ち寄るコンビニにクルマを停めると店内の異様な色に気付いた。 ぎっしり詰まった客の服がみな黒っぽい。 なんだおい、近くに葬儀でもあったか? と思いきや、よくみればみなお嬢さん達で、一様に着込んだリクルートスーツ姿だったのだ。 なるほどな、そういえば近くにある大学生のお姉さん達がよく来ている店でもあったなと想い出す。
 普段の彼女達の印象がメモリにあるので、どうにも調子が狂う。 いつもは 「なんだえ、これからキャバクラへでも出勤かえ?」 とでも思うような出で立ちの娘さん方なのだからして、清楚なリクルートスーツに身を包んだ御一統様にはアタマをポリポリ掻くしかない。



 いつもは真っ茶っ茶な長い髪を颯爽と靡かせて、セクシーなおみ足を尻たぶが覗ける程にまで披露し、どうだこの野郎と言わぬばかりに豊満な胸を半分程さらけ出しては揺らして歩く彼女達のイメージ。 それが、地味な色に戻した髪を真後ろに束ね、個人の判別が付かぬ程の一様なスーツ姿。 手にしている資料らしき書類まで同じである。 就活の出陣式でもあったかのようだ。

ファイル 330-2.jpg デブリ屋初出勤のタナベも初々しい社会人姿であったなと想い出す。 この夏、CSでまた放送が始まったので、ゴールデンタイムでもあり性懲りもなくまた見ることにした。
 プラネテスのタナベとか特車二課の野明のようなキャラを好きである。 男共に交じって前向きな娘さんが奮闘する。

 男女の世界に関して何かと目くじらたてる人も多いが、根本的に男と女は肉体構造の違いにて何もかも同じ土俵で考えるのは間違っている。 鍛え上げた婦警さんがでかい図体のエロオヤジを投げ飛ばした事例はいくらでもあるものの、かなりな筋力を要する作業では女性に男性並みな能率を求めても無理なのだ。
 ただ、機械文明な世になってその操縦であるとか段取りであるとかで、かつて男だけの職場とされてきた中に女性の登用がかなり多くなった。 ソ連じゃ女のクレーン運転手が多いらしいぞ、なんてことを話してたまげていたのは遙か昔だ。

ファイル 330-3.jpg タナベも野明も男共のバックアップに甘んじているのではない。 全く同じ仕事をこなす。 一担当員として要求されることに性の区別はない。 そこにあるのは男も女もひっくるめた個人能力の差だけである。 実社会でもこの傾向はますます伸びていくだろう。
 戦後に女と靴下が強くなった、などと未だに呟いているのは前時代のポンコツ爺さんだけだ。 彼等が旧態の社会構造を崇拝、死守してやまない限り急速な社会変化は難しいにせよ、あらゆる分野への女性進出、男と同等若しくはそれ以上の能力を発揮するからには、いずれポンコツ爺さん達も現実にひれ伏すしかあるまい。

 ただ、自分の身の周りを見渡してみると、女房殿の方が稼ぎが良い夫婦はえてして旦那がだらしなくなっているのが多い。 若い夫婦は特にである。 多くの分野で女性達が活躍するのは大変喜ばしいが、世の女性達にはスキルアップ、己の能力を磨くのと同じように、「男を見定める眼力」 を同時に養って戴きたいと願う次第である。 ^^;)

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