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10年目

 でっかいクイーンに真っ黒けな大化け物。 スマイルプリキュアをたまたま見てみたら、おお、ジャアクキングではないかと初代御本家が想い出されて懐かしくなり、見入ってしまった。

ファイル 300-1.jpg スマイルは戦隊プリキュアながら昨年の初回放送時点からどことなくシリーズ第一作のオリジナル風味があった。 イェイ! イェイ! イェイ! のダンスもそれはそれは可愛らしかったし、プリンセスフォームとかいうピラピラ衣装には勘弁してよとまったく閉口するものの、京都への修学旅行や運動会リレー、お好み焼きなどもあり、ファイブのようなお伽噺空間でない我々が見慣れた日常を携えていた。
 制作会議で初代オリジナル世界への回帰がひとつ挙げられていたことだろう。 かといって、なぎほの作品のように少年や大人達も喜びそうなコンセプトではない。 あくまでも女児にウケてオモチャやパンツを買って貰わなければ意味がない。

ファイル 300-2.jpg エアマスターの派手なアクションを採用した事もあって、初代なぎほの作品は意図せず大人のオタクまでもが飛び付いてしまったのだ。 セーラームーンのようにオタクが群がるのを目の当たりに嬉しい悲鳴を上げたまではよいが、所詮尻すぼみで行き詰まりは目に見えている。 成長の早い女児にウケ続けるためには1年毎を 「世代」 と考えるのはなるほど、いい中期計画ではないだろうか。

 ドキドキ! で10年目になる。 過渡期の媒体的役割を果たし、人気と売り上げで割を食った咲と舞は、そのお役目の重さに反して気の毒な作品だった。 私のようななぎほの信者から見ればいかにも幼く、なぎほの作品をある程度トレースせざるを得なかった 「2代目の難しさ」 が窺える。
 続くファイブはセーラームーン終了からほぼ10年。 満を持しての登場戦隊と言えなくもない。 だがこれにて私などは完全に篩い落とされ、掃き出された感がある。 本来あるべきカラフルな王道女児アニメ戦士となったのである。

 それでも、オタクというヤツはいつまでも夢を見る。 伝説の戦士プリキュアといえば白と黒。 おっちょこちょいなラクロスエースと求道者たる天然ウンチク女王なのである。

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