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GS

 あちらこちらのガソリンスタンドが経営に苦しんでいるそうだ。 昔のように突っ立ってるだけで客が燃料買いに来る時代ではなくなった。 都会暮らしの若い人はクルマなんぞ持たなくなったし、省エネだエコだで、燃料ばらまいて走るようなクルマも殆ど見ない。 この自分のなんぞは一般公道でリッター20km以上の燃費なのだから、燃料屋泣かせには違いない。

 スタンド経営にとって芳しくない要素ばかりが目立つ。 クルマは動産であるにせよ、税金や車検費用が高すぎる。 つまりは贅沢品の部類なのだからして、こんなもの、若い人達に買えと押し付ける方がおかしい。 ましてやビール一杯引っ掛けて運転できる訳じゃなし、田舎暮らしの 「足」 でない限りさしたる必要もなく、むしろ 「銭喰い虫」 でしかない。

 スタンドで扱う燃料は危険物だ。 タンクなどの設備が老朽化すれば使用停止を喰らう。 窮々した中で無理な設備投資をするか店を畳むかの選択に迫られる。 昼夜無休のセルフスタンド利用者も増えた。 旧態依然だった今までの売り方からサービス面などの付加価値を全面的に見直さねば、客は安い方へ流れるに決まっている。

 よく立ち寄るスタンドでは洗車コーティングを売り物にし始めた。 ちょいと小綺麗なカフェを備えた店もある。 子持ちの若い奥様方や年寄り夫妻が行きそうな業種とのタイアップも考えられることだろう。

 ただ、田舎ではGSの付加価値などあまり望まれない。 灯油配達などの確実性が何より求められる。 実際、我が家の灯油も宅配ローリーで来て貰わねば、人間も作物もお手上げだ。 ところが、近くのスタンドのおっちゃんが昨年亡くなってしまった。 あれには弱った。 取扱い資格を持っている奥方が代わって配達してくれているものの、後継者不足が影を落とす。 災害や豪雪で配達が機能しなくなった地域も大変だろうと思う。 行政はそういった有事の対策をどこまで考えているだろうか。