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バード

 ♪~ There is a house in New Orleans. They call the Rising Sun ・・・~ ♪

・・・なんて、下手な歌を口ずさみながら、遠くの山から昇る朝日の 「#fd7d00」 辺りな色に浸って庭に立つ。 日本のド田舎でニューオリンズもないだろうと、しばし己に呆れもするが、人は時としてまったくその場に似つかわしくないメロディを思い浮かべたりするものだ。 そんなことはない、お前さんのアタマがおかしいだけだと言われれば 「ああそうかい」 とふて腐れるだけである。
           
 朝日に照り輝くドウダンツツジの周りが賑やかになる。 ヤマガラが十数羽一斉にやって来て、喰う物の物色を始めるのだ。 彼等は人間をさほど恐れない。 軒下の隅などに巣くう小さな虫を喰ってくれる。 開けっ放しにしておけば平気で家の中にも入ってくる。 薄茶色の羽毛が仏壇に舞い落ちていたりする。 幸いなことにすぐ出て行くから、フンを落とされたという忌まわしい記憶はない。

 が、しかし、オウムだかインコだかを室内に放し飼いにしてフンだらけにされたという人の話を聞いていたので、お前達は家の中には入るなよと、彼等の朝食時は庭でささやかな餌をくれてやる。
 ♪~ Yeah if I could you know that I would fly away with you ・・・~ ♪  と、アン・マレーのカントリーソングでも鼻歌にしたくなる、小さな彼等との手のひら上の挨拶である。



 珍しいことだ、キジがやって来た。 カップルで物置小屋の傍を歩いている。 旦那は惚れ惚れする容姿なのに、カミさんはいつ見ても冴えない色だ。 写真を撮らせてもらおうとケータイで追ったものの、見事な手ぶれ画像になってしまった。 やがてバサバサと下手くそな飛び方で東の藪に消えた。 歩くのはニワトリ並だが、相変わらず飛び方はスマートでないなぁ。