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秋色

 暑いのも寒いのも彼岸までだなんて、昔の人は上手いこと言ったものだ。 残暑はすっかり消え失せ、サルスベリの花もいつの間にか終わってしまった。 田圃では稲刈りの匂いがし、彼岸花は一日と違わずきっちり彼岸に合わせて咲き並ぶ。 午後の日向もこの間までとはまったく違う色になった。 陽に照る樹木や草花の色が炎天下のそれではなく、実に柔らかい。 紅葉はまだ先であるものの、世の中全てが秋色になっている。

 夏の終わり頃のニュースで、スズメバチが凶暴になりがちな年気候だと聞いた。 幸い我が家の軒下には見当たらないが、ウロウロと場所を探すかのように単独飛行している奴は確かに多かった。 いつもなら震え上がるあのオオスズメバチは二度ほど目にしただけだ。 あいつは日ハムのシャウエッセンぐらいの大きさがあって、赤味というよりどす黒いので見るからにヤバイ。

 この時季、今年も庭へヤマガラが頻繁にやってくるようになった。 庭花の根元辺りの土を突っついている。 この小さく可愛らしい鳥も、学者に言わせれば恐竜から分かれた 「分家」 のひとつなのか。 このヤマガラとかメジロを見ている限り、ラプトルなんぞとはちょっと結び付け難い。

 鳥の背のラインを好きである。 頭から背中、尾羽の先に至る曲線。 自然界の為せる技か、サメの流線型と同じく溜息の出る美しさだ。
 見事なプロポーションを持つ女性のボディライン? 何を言うか、もちろんそれに勝るものはないに決まっておる。 ^^;)