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ぽややん

 AT-Xだったか、GPMの 「新たなる行軍歌」 を最近また放送している。 このラブコメが面白い。 本元のゲームはどうだか知らないが、子供達が化け物との戦場に借り出される悲しい重みはあっても、このアニメはどう見ても抱腹絶倒のラブコメである。

ファイル 258-1.jpg おっとりした喋りを重視した石田彰のぽややんが実に良い。 どこと言って取り柄も見出せなく、野心も闘争心も無さそうな少年は、悪い事も出来そうでない一方で優れて役立ちそうにも思えない。 救いは、女子の不幸オンナ・田辺ほども運に見放されてはいない点か。
 キツキツ女・芝村との取り合わせはラブコメマンガにありそうな二人ながら、春霞の如くぽややんとした長閑さを貫く事によってその “天然” の前にキツキツ女が白旗揚げてしまうという、取り柄無き軟弱草食系男子の応援歌に似た呈を為している。

 とにかく、分かってはいてもキツイ芝村の赤面狼狽が可笑しい。 なにせ両名共に相手のあしらいが鈍臭いのだ。 確かにこういう二人が自分達の目の前にいたならば、概ね退屈はしない。
 日々、彼等がどう進展するのか、間抜けな誤解を繰り返して笑わせてくれるのか、少なからず興味を懐かせる。 つまりは周りの衆にとって恰好の見せ物でもある。 野次馬に害が及ばぬ限り、こういうカップルは人々に笑いをもたらしてくれる。 ありがたい存在だ。

ファイル 258-2.jpg このアニメでも例外でないように、周囲の者達の温かな思いやりがじれったい両名をなんとかしてやろうと試みる。 物語はそうであっても、我々の現実ではなかなか思うように事は運ばない。 元よりこういう色恋沙汰に油も水も注ぐのは考えものだ。 黙って見守っておればよいものを、下手にちょっかい出すものだから馬に蹴り飛ばされて大怪我するはめになる。
 こういう面白いカップルが身近にいるのなら一切手出しはせず、上質のコメディを無料視聴できる身に感謝して、ただひたすら鑑賞していればよい。 無論、頼ってこられたのでは突き放すわけにもいくまいが・・・・。

 それにしても水上清資、いい仕事ではないだろうか。