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石田の指令席

 3月に奥歯の被せものが外れ、ついでになんだかんだとGW明けまで歯医者通いしてしまった。

 いや、オイラ、今年は初診でも数年前にここで世話になったのだからカルテはある筈だ、と申告しても、まあまあよいでは御座りませぬか、あれから方々にガタがきているかもしれませぬ故、一応レントゲンを・・・・と妖しげな装置の部屋に通され、原発事故作業員でもこんなの着ないんじゃないかと思える鉛のベストをずしりと着せられる。
 はい、そこにアゴを乗せて下さい、の指示があり、じっとしてろの言われるままに目ン玉だけキョロキョロさせていれば、うぃ~んとカメラが首の周りを一周する。

ファイル 252-1.jpg この画像は私のデスクトップ壁紙のひとつにしている石田咲良である。 この石田の指令席を見ていると歯科医の治療椅子を連想させられる。 真ん中に突き出ているのがディスプレイで、ここに上記で撮った自分のされこうべが表示される。 されこうべと言っても口の周りだけである。 しかし自分のガイコッツをしげしげ見るのもオツなものだ。 ・・・ですからね、ここをちょいと削ってああしてこうして・・・・とまぁ懇切丁寧に治療方針を説明してくれる。

 これで型を取りますからしばらく噛んだままで動かさないで下さい、てな段階になると画面を切り替えて地デジ放送などにしてくれる。 お子様向けのDVDも流す。 アンパンマンやドラえもん。 おお、プリキュアファイブもあるぞ、なるほど、お子様方にじっと座っていてもらうためには、こりゃあいい。

 近年の歯医者には恐怖感がない。 ぎゃあぎゃあ泣きわめきながら診察室から出てくる子供さんもいない。 昔のように痛みを伴う治療が無いのだ。 また昔の治療機器はあのアームにカバーなんぞ無かったから、動力伝達ワイヤーのメカが剥き出しで、チュイ~ンとあれが回り始めると今から切り刻まれそうな恐怖があった。 傍らにはペンチのようなものやらバールのようなものが並べられているし、生きた心地がしなかったものだ。 言うこと聞かないと歯医者へ連れて行くぞ、という躾の脅しも多くの親御さんが使っっていたりした。

 一人の女性スタッフに話してみた。 てぇしたモンですなぁ、こんだけ子供さんがいて、怖がったり痛がったりする子が一人もいねぇじゃねぇスか。 対して彼女が言うには、今はいかにじっとしててもらうかが大変なんですよという内容だった。 確かに、怖い歯医者さんでなくなったにしても、学級崩壊の世の中なれば、言われたとおり大人しくしている子も多くはないのだろう。

 恐れ入りますが当院のアンケートに御協力願います、と用紙を渡された。 さしつかえなければ今回当院を選択された理由をお聞かせ下さい、というのやら、治療に御不満な点が御座いますれば、というのやら、御意見・御要望があれば御記入下さい、などと、もう歯医者もサービス業だ。
 ここに来た理由なんて、数年前に治してもらったから、また来ただけの話だ。 治療に不満など無い、いたって快調だ。 御意見・御要望か、そうだな、私はアンパンマンやドラえもんよりプリキュアが好きだ、と記しておいた。 ^^;)