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プリキュア・アクション

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 懐かしい 「エアマスター」 を放送していたので見てみれば、今更の感覚ながら、これがそのまま 「ふたりはプリキュア」 に移譲されたアクションであるのを再認識させられる。 言い換えれば、エアマスターなくしてプリキュアはあり得なかったわけで、この派手で且つ流麗な空中殺法を女児玩具販促アニメというおよそ場違いに思われるジャンルに採用した企画には、改めて驚かされる。
 
 
 
ファイル 206-1.jpg 仕掛けは鷲尾プロデューサーなのか。 エアマスターの格闘に目をつけ、そのまま監督の西尾大介を引っ張ってくるのだから、制作会議でけっこう路線議論があったのではないか。
 考えてみれば、強烈な蹴りを入れられ、ぶん殴られるのは崎山香織でもなく坂本ジュリエッタでもない。 なんとも可愛らしい中学生のなぎさとほのかなのだ。 さすがに鼻血を出したり顔がボコボコに腫れ上がったりという絵には出来ないので、エアマスターでも使った十文字受けの防御を多用することになる。 しかし、ガードしても吹っ飛ばされる。 顔面から地面に叩き付けられ、リングのマット上のようにバウンドまでする。




ファイル 206-2.jpg 変身モノ女児アニメで 「それはないだろう」 の殻を破ったアクションには違いない。 変身後の少女達が魔法のバトンをひと振りして悪者を退治するのが常套だったそれまでを見れば、鷲尾による 「汗をかく変身少女達」 は奇抜だった。 鷲尾や西尾によるその方向性は、元を辿れば柴田ヨクサルの描いた女子高生ストリートファイターがそこにあり、柴田は後のプリキュアを形作る格闘技の生みの親と言っていい。
 確かに、徒手空拳格闘は肉体を駆使した暴力ではあるだろうし、世のお母様方の中には眉間に皺を寄せる人もいただろう。 だが、子供達の反応は違った。 人間が道具やアイテムに頼らず跳んで走り回る映像は、人物キャラクター動画が持つ本来の楽しさを備えていた。 変身はするが魔法は使わない主人公達。 鷲尾の言った 「汗をかく」 どころではない、大変な運動量なのである。 ^^;)