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第一幕  辺路寝湊のなぎ次郎








「どうだ! この野郎!」

「なんの! 屁っ放り腰め、くらいやがれっ!」

「イテテテ! やりぁがったな、畜生め!」

「やい、孫六! 腰を入れろぃ!」








「やいやいやい! てめぇらどいつもこいつもだらしねぇぞ! 
腹ァ減ってんじゃねぇのけぇ!」

「親分、メグ蔵がまいんち鍛えてやすからね。見て下せぇ、道具も
まともに振れねぇでいたマキ五郎ぁあそこまでになりやしたぜ」

「いや、志穂松、ありゃあな、こンめぇの格闘一家との出入りで
親分の一言が効いたんでぃ。野郎め、あれで化けぁがった」

「そういやぁそうだな。親分のあれにゃあオラっちもえれぇ
おでれぇたけんどよ」

「そうけぇ? オレのハッパがそれほど効いたけぇ」

「そりゃそうでやしょう。あれでオトコ見せにゃあ今迄親分が
目ェ掛けてきた甲斐がねぇってもんでさぁ」













「野郎ゥ!」   ジャイーン! シュバッ! ガキッ!

  「そらそらそら・・・! 力で勝負しようってかい!」

「クソッ! クマみてぇな奴等め! このォ・・・ウウッ!」

  「へへ、おめぇさんを封じてしまやぁこっちのモンでぇ!
       野郎共! 押せ! のし掛かってやっちめぇ!」

「う、ぅわぁ! ち、チキショー!」
  








「見ろぃ! 奴等ァ退いたぜ、ガハハハハー!」

「何が街道一でぃ、こっちから見りゃ赤子じゃねぇけぇ!」

「ケケッ、ガキの棒振り遊びだ」

「そろそろカタぁつけるぜ! でけぇヤツ前へ出ろぃ!」

「おぅ! 弾き飛ばしてぶった斬ってやらぁ!」








「・・・・・・・」

「親分! やつら相撲取りみてぇなのばっか
揃えてきぁがった。
おまけに親分に張り付きぁがってよ。
あれじゃ岩壁と変わりゃねぇでやすよ。
親分に仕事させねぇ魂胆でぇ」

「そうでやすぜ。
親分の斬り込み止められたんじゃあせつねぇ、
このまんまじゃあよぉ・・・」

「う〜む・・・やりぁがるな格闘一家め・・・・、
よぉし、上等じゃねぇけぇ、見てぁがれ!」








「やい! マキ五郎! てめぇがアタマで斬り込めぃ!」

「ええっ?! あっしがでやすか?!」

「そうともよ! 奴等ァこのオレを抑えんのに躍起ンなって
やんでぃ。幸いおめぇの面ァさほど割れちゃいねぇしよ、
あのバカでけぇ野郎らァオレが引き付けとくんでな、
やってみろぃ! まぁ見てなぃ、おめぇがいきなり行きゃあ
慌てやがンぜぇ!
アタマで突っ込んで引っ掻き回してやれぃ!」

「い、いや、親分、そんなでぇじな役目、莉奈吉兄貴とか
メグアニィとか、志穂松兄貴もいなさるんだし・・・」








「ベーロォー! てめぇオレの言ってる意味分かっちゃ
いねぇのか! この喧嘩、おめぇにくれてやるってんだ!」

「ええええーっ?!」

「いいか、こいつら叩きのめしたあと御高倶山とのケリィ
つけたらオラァ隠居する! そこらの兄貴連中も残さねぇぞ。
跡目ァおめぇだと言ってんでぃ!」

「そ、そんな! いきなり・・・! 親分!」

「うっせぇ! オレが決めたことだ、肚ァ括りやがれぃ!」








「オラァな、おめぇから隠居の餞が欲しいのよ。
おめぇがアタマぁ張る初喧嘩、このマナコでしっかり
見届けさせて貰うぜ」

「お、親分・・・!」

「メグ蔵が付いてるんだぜ、莉奈吉も志穂松もな。
それにな、おめぇの後ろにゃこのオレが控えてんのぉ
忘れちゃいけねぇぜ」








「お、親分・・・! あっしぁ・・・あっしぁ・・・!」

「ベーロォ、なに泣いてやがんでぃ。
さっさと、その道具に清めくれてけぃ!」

「ヘェ! やりやす! やりやすぜ親分・・・! 
あっしぁ・・・やりやすぜ!」


    グビッ! プフォォォーッ!








「野郎共ォー! 聞いての通りだ、
この喧嘩ァ、たった今からマキ五郎がアタマぁ張るぜぃ!」

「おーっ!」

「てめぇらこいつに恥ィかかすんじゃねぇぞ! 
こいつをオトコにしてやれぇーぃ!」

「オオオオーーーッ!」











( フ・・・・そうけぇ・・・
 あン時ぁ苦肉の策ってぇ言われてもしょうがねぇ喧嘩
 だったんんだがな・・・
 あの野郎もいっぱしの面になりやがったぜ・・・
 これもメグ蔵、おめぇのおかげだ、ありがとよ・・・ )

( これで御高倶山叩いちめゃあ、
 もうやり残した事もねぇか・・・
 そのあたぁ、おめぇに任せたぜ、マキ五郎・・・ )








            「いくぜ! マキ五郎! でやぁーっ!」



「おっとどっこい、屁でもねぇやな! どんなもんでぃ!」

「おっ、てめぇ、やるようになったじゃねぇかい」

「あたぼうよ。メグアニィにいつまでも兄貴面されてちゃあ
面白くねえやな!」

「ケッ! ぬかしやがれぃ! 口の減らねぇ野郎だ」









「やいやい! 野郎共、いい加減にしやがれ! 出入りの支度ァもういい、やめろぃ!」

「親分、そりゃねぇですぜ。相手は御高倶山、永沢一家ですぜ」

「ベーロィ! 喧嘩なんてなぁな、腹さえ減ってなきゃあ勝てるんでぃ!」

「いや、親分はそうかもしれやせんが・・・」

「ベーロィ! やめろやめろ! とっととけぇってドンブリ飯でも喰らいやがれ!」








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      恨み辛みぁ御座いやせんが 避けちゃ通れぬ勝負の掟  道具のダンビラぁ振り回し ケリをつけるが男の意気地