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反政府デモ

 東欧の旧共産圏崩壊を見ているようだ。あれから約20年、アラブ諸国に広がる反政府デモはどうなるのか。言いたい事も言えない抑圧された世界の、これが運命でもあるのか。
 日本企業もそのような情勢にもっと敏感にならねば危険だろう。とりわけ中国。この大国は言論情報統制に更なる重しを掛け、共産党中央はギラついた目で徹底監視に努める。彼等にとって最も有効な手立ては、ガス抜きの矛先を日本などに向ける事だと思われる。反日教育はそのために延々続けられているのであって、他意は無かろう。

 大陸に進出或いは画策している企業は、中国の現状圧制下とバブルの浮かれ景気ならばアラブのようなああいう民衆エネルギーも弾けまいと踏むのだろうか。しかし所詮は綱渡り、博打である事を忘れてはならない。
 今のところ、マッチもライターも取り上げてしまっているかの如き中国政府の統制である。せいぜい竈で湯沸かしの火がチロチロ燃えている程度。政府はこれを火事にしてはならないと躍起なのだ。特に民族ナショナリズムに沸き易い貧困層からの出火は絶対許すわけにいかない。

 あの天安門事件。中国の若い衆は民主化に餓え、新しい世界を夢見てエネルギッシュだった。銭金に踊る今の沸騰とは本質的に違う。 騒乱の中、軍の水平発砲に傷付いた血だらけの若者が他国の報道カメラに向かって叫んでいたではないか。 撮ってくれ、これを撮ってくれ、全世界に見せてくれ、と。 せつなく、狂おしいまでの欲求がそこにあった。ああいうエネルギーというものは、日常生活が少々豊かになったところで完全消滅したとは到底思えない。 なにせ、自分の意見を自由に述べられる世界が奇異に映るというまで洗脳教育を施し、それで体制保持しようとしている国なのだから。