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無党派層

 辿り着いたらいつも雨降り・・・。 そんな歌があった。 「ああ、この気怠さは、なんだ!」 という叫ぶが如きメロディが耳に残る。 拓郎だったか ?

 折しも梅雨の夏至。 最も日が長いというのに、この空模様では昼間の長さの有難味など無い。 雨降りばかりなのでTVのニュースなんぞを繰り返し見るはめになる。 それがまた気怠い。
 
 政権与党内では執行部側と小沢側で、並み居るジャガイモ目掛けて脅しの掛け合いが熾烈になっているらしい。 力は数なり、数を得るには脅しとカネなり、だ。 執行部側は当落線上の際どいジャガイモに分配金を用意しているとかいう話もある。
 民主党に限らず自民党もその繰り返しだった。 裏を返せば、政策理念と自ら実行意志を持つ議員は殆どいないということだ。 チルドレンやガールズに代表されるように従順な頭数だけが求められての当選議員なのであって、当人達に何ら国会議員能力があるわけではない。 そんなイモ連中を当選させてしまう歴史を繰り返しているのだから、ここの辺り、我等は一人の有権者として自虐的な考察に陥らざるを得ない。

 では、まともな候補などいるのか、と見れば、どれもこれも消去法で消していけば無くなってしまう。 いつも通り自分は無党派層と称される部類になる。 だが、有権者としてはそれもひとつの権利だ。 こんな腐ったイモの中からひとつ選べとは甚だ無理難題。 せめてひとつひとつひっくり返して転がしてみて、裏も表もよぉく吟味させてもらおう。

 自民の伊吹が言う。 そんなものね、今、解散なんてすれば、ここにいる人達みんな帰って来れなくなりますよ、子供じゃないんだから、みんな分かってますよ・・・。 沈みかけ政権への擦り寄り、寝技の一環だとしても、野党の派閥親玉が中継国会で総理に向かってそう語る。
 野党になりきれぬ故の吐露なのか、四面楚歌な呆け総理の肩をここぞとばかり抱きに行ったのか、どうであれ、最も大事なのは我々国会議員の議員資格を死守することだ、あんたらは尚更にそうだろう、違うかね ? というものだ。

 相も変わらぬ国民無視の姿勢にはうんざりだが、互いに無党派層の取り込みが難しく、有権者のうち最大割合を占めるその票がどう動くのか読めない。 実に厄介だから、あんた、今ヤケクソ解散だけはしない方がお互いのためだぞ、と釘を刺しているかに見える。


 霞ヶ関の御用マスコミ共が口を揃えた 「何も決められない政治」 は、消費増税案を通す事によってひとつの目的を果たす。 ああ御用マスコミ共の望み通りに消費増税、おめでとう御座います、とでも皮肉っておこう。 社会保障、行政、その他諸々の改革はお蔵入りだ。 全ては霞ヶ関の操るがままに事は運ぶ。 まったくもって順調だ。 原子力ムラも安泰だし、ヌケ作揃いな外務省も突っ込まれずに済んでいる。 胸を撫で下ろしているだろうと思われるのが前国交大臣の前田で、どさくさに紛れて公職選挙法違反から逃げられそうな雰囲気だ。

 決められない政治、ねじれ国会が悪政の大元だと言わぬばかりな御用マスコミの論調はおかしい。 ねじれて前に進まないのは政権与党の責任が大だろう。 民自の大連立待望論を書き連ねる暇があるなら解散総選挙、再編でも謳ったらどうなのだ。 だから 「マスゴミ」 などと国民の敵扱いに非難されるのだ。 もっとも、大本営御用達の時代から何も学んでいそうでないから、タブーだらけの御禁制テーマ封じに従順であり続けるのではあろうが。

 我が身を正当化するつもりはないけれど、有権者の無党派層が多いのは悲観する状況ではない。 国民はまんざら馬鹿ではないということだ。
 決められない政治を生んでいるのは他ならぬ無党派層だ、などと訳の解らん事を言う愚か者もいる。 おそらく白い衣装でも着せられてアタマに電流通され、霞ヶ関か永田町でイニシェーションを受けたのだろう。 さしずめ流されるテープは 「増税するぞ、増税するぞ、増税するぞ、・・・・・・」

 この国難に密室談合で増税だけを先行手打ちし、霞ヶ関のお褒めを賜った自・公・民。 それを連日 「修正協議」 などと真っ当な国会運営であるかの如く書き立てたマスコミ。 政権与党の哀れな内紛騒ぎも含めて、これらを苦々しく見ている事しかできなかった国民有権者にとって、無党派であることは今の政治屋共を見る限りむしろ健康的な反応だろうと自負するに至る。

 無党派であるならばいっそ投票棄権、投票権を行使せずにいてもらいたいのが連中の腹の内。 「投票日に雨でも降ってくれれば助かる」 と本音を漏らしたのは自民の森元総理だった。 どうやら投票率の上がるのが困るらしい。 現在のように無党派層の占める割合が高ければ尚のこと投票権を放棄して欲しい。 従って、ネット投票の選挙などは以ての外だ。

 有権者はすべからく馬鹿でいてもらわねばならない。 我が党の信者以外はなるべく投票所に足を運んで欲しくない。 世論調査に協力はしても、実際の投票行動は面倒臭がってくれるに越したことはないのだ。
 それ故に、底意地の良くない自分は手軽に投票できるネット投票選挙に賛成である。 連中の嫌がる投票率アップが実現する世の中にせねばと考える。