記事一覧

10人死傷事故

 世の中はなんとも不安で物騒である。 ストーカー被害を訴えたところで、警察は自分らの慰安旅行が大事なので取り上げて対処もしてくれず、案の定殺害されてしまったではないかと怒りをぶつけたところで、権力組織はそやつらを懲戒免職にするわけでもないのだ。

 晒せ、吊せ、殺してしまえ・・・・憤りが過激な言葉で並ぶネット上。 道交法や少年法の壁に苛立つかのような反応は素早い。 被害者の方々が赤裸々に晒されるのに対し、犯罪者たる加害者が社会への情報流出を保護される現行法の理不尽さ、それが 「黙ってられるか」 を突き動かす。
 おのずと隠されている加害者特定に向かうことになり、法がだらしないなら我々が社会的制裁を加えねばならん、まずはそいつを晒し者にせよと沸騰する。

 国民はみな法律家ではない。 無論、法治国家なら法を遵守するのだが、小難しい法律の分厚い書物を誰もが携えているのではない。 法律云々以前に、我々は社会が構築する一般良識を基に日々を生きている。 裁判にしても裁判員制度を設けたのは変革の一歩ながら、現行法の壁は如何ともし難く、その事は度々取り沙汰される。 人々の心内にある “世の掟” と現行法の乖離はもう誰も否定できないところに来てしまっている。

 ただでさえ 「信用できない政治」 への鬱憤が溜まりに溜まっている。 立法府である中央の国会が能無し議員共によってあのざまである。 早急を要する現行憲法論議や自衛隊法、外国人土地法等々の見直しなどどこ吹く風で増税と利権保持、政局第一に躍起な現状では、立法府機能はまったく働いていないと糾弾されても仕方ない。

 政治屋も役人共も信用失墜。 マスメディアは大本営御用達で、そこには触れぬ 「タブー」 事項だらけの腑抜けプロパガンダ記事で御機嫌取りに終始。 TVでは夜のニュース番組に総理が出演、U-35の御意見拝聴と看板だけは一丁前ながら、やっていることは当たり障りない台本トークによる現政権のCMだ。 メディアを使ったこんなみっともない猿芝居は中国共産党でもしないだろう。 そんな暇があればさっさと法整備して、狭い列島を外国人に買い占められている状況をなんとかせよ。 これが世の声だろう。

 この事故報道も無茶苦茶だったらしい。 加害者の親元へ押し掛けるだけならまだしも、被害者が搬送された病院へ押し掛け、制止を振り切って病室やら霊安室にまでカメラ、マイクを持ち込んで騒いだようだ。 非道極まりない。
 被害者の傷口に塩を擦り込むような 「被害者叩き」 もネットで蔓延っているが、ワイドショーだかなんだかの報道連中もそれと同類、人の道から外れすぎている。

 道路事情にも事故原因があるとする見方は、完全否定できないまでも妥当ではない。 道路がどうあれ、最後に事故防止を委ねるところは運転側の良識と技能である。 古い港町や漁師町へ行ってみるがいい。 こんな所、自動車を通して良いのかと思える狭い道路だらけだ。 亀岡市の当該道路は国道の抜け道になっているから事故が起きたのではない。 そんな道路をバイパス代わりにすっ飛ばす連中が非難されるべきであり、無免許少年の居眠り運転が殺人的事故に至ったのだ。

 少年法で未成年の将来を守るというのも必要だろう。 だが、それ故に悪質な犯罪でも適用される現状はおかしいというのがネット中心の世論ではないのか。 例えば死亡させた交通事故で故意があったとしても、それを否認すれば道交法適用で終わるのか。 無免許運転は違法承知の上での所業。 それは明らかに犯罪意図を持った行為だと言えなくもない。

 百歩譲って、少年故に行き届かぬ分別の為せるものとされるのか。 では、この殺人事件に匹敵する無免許運転事故を起こした少年の保護者責任は問われないのか。 少年法で未成熟な者を守るというのであれば、裏を返せば、大人になるまでのその期間、指導監督する保護者が必要であるということではないのか。 罪と責任はどこへ消えてしまうのか。 素粒子の対消滅に見る如く、跡形もなく消え失せるとでもいうのか。 そんな馬鹿な話があるものか。