「おぅ、よぉ、なんでぇ、あの酔ったよなふざけた会見表明ぁよ?」
「はぁ? ああ、東電の値上げ表明ですか」
「とんでもねぇこと言いやがってよぉ。 なにが値上げでぇ、馬鹿野郎!」
「原発事故収束宣言の直後ですしね、これも筋書き通りですかな」
「収束だぁ? どこがだぁ? 素っ裸で建屋ン中へぇったってかまわねぇってのけぇ?」
「いや、ですからね、それもこれも台本通りにやってるんでしょう」
「国民の皆様によぉ、こんだけ迷惑掛けて御厄介になってんだぞ。 当のてめぇらぁ、いってぇどんだけ身ぃ削ったんでぃ?」
「そうですなぁ、身勝手と言いますか、国民の生き血を啜るような連中ですわな」
「あんにゃろうらぁ、役員の首切りと報酬返上ぐれぇやったのけぇ? 企業年金ぁ廃止だろうが。 社員給料も半額だわな。 ゼータクな固定資産の売却もよぉ、送電網の売り飛ばしもよぉ。 そういうこたぁ、全部済んでんだろうなぁ、ええ、おい?」
「そんなのあるわけ無いじゃないですか。 ボーナスも貰ってるでしょうなぁ」
「なんだと、この野郎ぉ!」
「お分かりの筈ですよ。 あの手合いは官僚、政治屋と変わりませんから」
「てめぇらの身を削るなんてこたぁしねぇんだな。 代わりに国民の生き血を吸い上げるってのか」
「当然でしょう。 たとえ小惑星が衝突してきても・・・ですな」
「クソッタレ! このまんまじゃ腹の虫が治まらねぇやな」
「じつは私、“デスノート” とかいうの持ってるんですけど・・・・」