日ハムが何故詫びを入れるのか。謝るくらいなら、最初から希望指名なんぞしなければよい。 現行制度ではドラフト対象選手は俎上の鯉でしかないのだから、なにも指名したからといって先方に詫びる必要など無い。
見事にしてやったりな気分かもしれないが、読売様の御意向に刃向かったのだからまずは頭を下げておくのか。 米国の顔色伺いしか出来ぬ日本国政府のようなもので、まさか 「トラスト・ミー」 なんて囁いているのではないだろうな。
掟破りだの憲法違反だのと、まぁ蜂の巣突いた騒がしさ。 事前に指名意志を伝えておかねばならないのが掟であれば、くじドラフトの意味などあまりなかろうに。 あくまでも唾付け優先、水面下工作のウェイトが大ならば、公共事業の談合とさしたる違いはない。 察するに、一本釣りだのなんだのという手法には、年月掛けた “栄養費” なり支度費なりが相当使われているのだろう。 それが暗黙の了解、即ち唾付けであり 「掟」 という訳だ。
ドラフト当日のいきなりな指名が現行制度を犯しているのなら問題、そうでなければ、それに異を唱えねばならぬ制度運用こそが批判されるべきだ。 今回の騒ぎは、監督の身内という人情話が暗黙の掟の上に乗っかっていて、よけい目立つのだろう。 どうであれ、読売にすればタカを括っていたナベツネ王国が砂を掛けられた事態ではあろうし、制度見直し論をまことしやかに浮上させるかもしれない。
しかし、日ハムもオトせる自信がある故の指名だろう。 読売は球界の威光を第一に振り翳すのなら断固入団拒否をさせると思われる。 どうなるにせよ、最後は俎上の鯉たる本人次第。
ただ、オトせる確率が極めて低い難攻不落な相手に挑むのは現有戦力に余裕があるから出来ること、ウチじゃ出来ん、と言ったオリックス監督・岡田の発言は、ドラフト参加当事者としてごもっとも。