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トロンボーン奏者の谷啓

 加藤茶が漏らしていたように、ドリフは兄貴分のクレージーから色々ギャグネタをパクったそうで、クレージーキャッツがあったればこそドリフの道も開けた。兄貴達から戴けるものは戴いたというのは加藤の本音だろう。

 クレージーキャッツメンバーだった谷啓が亡くなった。竹中直人が秘かに通う音楽教室でトロンボーンを手にしてジャズの初歩を教える教師役を演じていたのはつい5,6年前ではなかったか。
 ハナ肇がドラム叩かねばもの足りないのと同様、谷啓といえばトロンボーンで、それを手にしていないと谷啓らしく見えなかった。一発ギャグをカマしている姿より、演奏している谷啓を好きだったファンも多いと思われる。

 泣く子も黙る天下のナベプロ。映画ではクレージーキャッツとしての喜劇ものがメインだったろうが、ときたまTVドラマなどで違った面も見せていた。男爵ジャガイモのように丸っこく、人の良さそうなあの顔が見られないのは寂しい。私には「ガチョ~ン」の谷啓よりもトロンボーン奏者の谷啓だった。