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とりとめなく思う

 東京で春一番が吹いたとされる。 この訪れは平年並みなのか、それともやや遅めなのか。 四季の移ろいは日々じわじわと確実なステップを踏むのではない。 季節が変わったかと思いきや、いきなり前の気候に戻ったり飛び越えて先を行くような気温になったりする。 そうやって彷徨きながら大筋で次第に変化を見せていく。 株価グラフのようなものだが、突如の大暴落はない。 それがあるとすれば小惑星の衝突だ。

 昨今の週間天気予報はけっこう当たる。 狭い範囲のピンポイント予報もありがたい。 しかしこの季節の変わり目だけは少々厄介。 いわゆる、気まぐれだ。 こちらが望む時間内だけ降らなければそれで良し、照ろうが曇ろうが、上から落ちてこなければいいとするものの、幾分神頼み的な作業を自らに強いることもしばしばだ。

 溶鉱炉の上に薄っ皮一枚の蓋をして、その上にへばり付いているのが地球上生物なのだから、なんとも物騒な一生には違いない。 宇宙ステーションを設け、月面に基地を造る、やがては火星の惑星改造だとする一方、自分達がへばり付いている天体さえ手に負えない自然界。 人類は深海のどこまでを知っているのか。 地球のマントルまで行って戻った者などいやしない。 つまりは紙風船の薄っぺらい表皮だけが我々の世界。 火山噴火も大地震も事前になんとか抑え込もうなどというのは、神でも仏でも無理な話だ。

 地震による被災を無くす事は出来ない。 災害規模が極力少なくて済むよう準備しておくだけだ。 一度それが起きてしまったならば、救える命を救うことに全力を挙げるしかない。 ニュージーランドへ急ぎ派遣された日本のレスキューは優秀だという。 御苦労はさることながら、なるべく多くの人命が救助されることを祈りたい。
 古き良き町並みを残す遺産保護と耐震の備えは両立させられないのだろうか。 そんなことはない。 我が国ではかなり前からそれに取り組んでいる。 第一、古い建造物に見る耐震構造には現在の我々が教わることの方が多かろう。

 昼夜貫徹で寝ずの救命作業が行われている同じ時刻、独裁者が自国民を虐殺している国もある。 戦闘機で空からぶっ放せというのだから無茶苦茶だ。 生物学上は同じ人類かもしれないが到底そうは思えず、ただ嘆かわしさだけが込み上げる。

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