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アニメのスイーツ

 最近のTVアニメにはやたら旨そうなものが描かれる。コンチキショー、オイラだって喰いてぇじゃねぇかと、キャラ達が羨ましく、ちょっと悔しい。 酒の肴は元より、甘いものにも目がないので、可愛い少女キャラ達がスイーツを口に入れているのを見せられたのでは、近くにあんなもの売ってる店はないのかと探す羽目になる。

 不思議なもので、飲み物や食い物をいくらCMで押し付けられようとも食指にまでは至らない。それよりはドラマやアニメの中で登場人物がウマそうに飲み食いしている様を見せられた方が唾を飲み込み喉が鳴る。
 夏になれば海やプールを背景にビールCMが画面を賑やかすものの、ああそうかい、オイラなんぞはもっと暑い中で毎日仕事しているのだと、自分にはCMの効果が薄い。夜になって映画やTVドラマを見ていると、主人公がビアホールでジョッキに口を付けている。或いはショットバーでロックのグラスをグイとやっている。大概の場合その傍らにいい女がいる。これはたまらん、飲みたくなってくる。

 昔と違ってTVアニメの美術もそれはそれは美しく写実的になった。PCの力は偉大である。またそこに出される食い物の描きは半端でなく、これ見よがしなくらいに描き込んである。もっとも、自分の見るアニメの殆どが美少女キャラ作品なので、なんたらパフェだ餡蜜だロールケーキだ、或いはウサギさんカットのリンゴ入り手弁当だといった自分の喰いたがりそうなものばかりで、それがまた乙女チックにカラフルなものだから、お前、あれはな、アニメの中の絵なんだよと言われても、馬鹿言うな、こんなもの見せられてじっとしてられるけぇ、となってしまう。

 元より美少女にはカラフルなスイーツがよく似合う。いわばあの美味そうな絵は彼女等の脇役、引き立て助演を務めている。故に手を抜かない。しっかりと描き込む必要がある。「けいおん!」では更にその上、楽器というものの描きが加わった。これで彼女等は無敵となった。
 ニコ動にある「海外オタク達の反応」というのが面白い。寿司は日本では高級料理だったのか、だからキャラの彼女達は喜ぶのか、とか、Bento というのはなんて羨ましい文化なんだ。考えてもみよ、あのキャラが手作りでそれを持ってきてくれるんだぞ・・・・といった具合。それもこれも、作品中で実に美味そうに描かれているからだ。

 他人が美味そうにそれを食している情景は食への欲求を呼び起こす。コマーシャル映像でなぜそこまでの力がないのかと考えるに、これは商品宣伝であるという既成概念が脳内にへばり付いているからだろう。某ニンニク卵黄のようにドラマ仕立てのCMにして大いにウケた例があるように、ケーキ屋さんなどはアニメで取り上げてくれればそれで良し、さもなくばアニメ作品と結託して劇中で採用した方が購買意欲をそそるのではないかと、あらぬ事を想像する。 さりげなく、あくまでもさりげなく、である。

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