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ヤマモモ

 ヤマモモの実が食べ頃になり、ポトポト落ち始めた。 こいつを焼酎に漬けてエキスを出すと、ほのかな色のヤマモモリキュールになる。 面倒臭いからやらないだけで、学生時代に級友が我が家から持参してくれたのは大層美味だった覚えがある。

 少々の荒れ地でも厭わぬ生命力を持つ樹で、ほったらかしにしておいても逞しく育つ。 「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」 でリオがイノシシと一戦交えながらも採取してきたヤツだ。 あれも岩場な痩せた山に生育していた。 あの設定はまんざら嘘でもない。 あんな処でもこの樹は実を付ける。
 よくしたもので、これが実を付け始めると、それまでその木陰に停めていた自転車やバイク、クルマは一斉に姿を消す。 そこに2、3日放置しておけば赤紫の斑点だらけになってしまうからだ。 雄だか雌だか見た目では分からないし、売っている苗では接ぎ木で雌雄一本にしてあるのもかなりあるらしい。 それならば花粉が飛ぶ飛ばぬにかかわらず無条件で実を付ける。

 酸味と微かな甘み、独特の香りが特徴だ。 残念ながら喰い代が薄くて少ない。 5、6個まとめて頬張らねば喰っている気がしない。 種を吹く方が忙しいくらいだ。 しかしこれも季節モノ。 こいつをガバッと口に入れないことにはまた夏が来た実感もない。

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