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ウィッチーズの正義

 アフリカの星・マルセイユまで登場したウィッチーズ。「アフリカの星」とは敬意と賞賛の称えだ。逆にハルトマンなどは「悪魔」と言われたのなら、それは友軍から戴いた二つ名ではなかろう。敵軍がそのように恐れたに他ならず、それだけえげつない程に強かったのだろう。ヤツに出くわしたのが我々の不運、という訳だ。

 押井守の「スカイ・クロラ」では人類に提供するゲーム戦として実弾の空中戦を行う。墜とされる機は操縦席もぶち抜かれ、敗者は瞬きする間に血飛沫と共に肉片となって宙に舞う。戦争を知らず兵役義務もない我々には想像でしかないが、例えば、20mm機関砲をもろに受けた場合、腕や頭など容易に吹っ飛んでしまうのではないか。一口に20mmと言うが、とんでもない大きさだ。その点、あれはかなりリアルな映像ではなかっただろうか。ちょっと目を背けたくなる。

 エーリカ・ハルトマンは実に愛くるしい。墜とす相手が訳の分からんネウロイという非人類故に罪深さもなければ悲惨な思いもない。懐かしのインベーダーゲームと遜色なく、見ている我々にとってはまことに都合がよい。愛らしき彼女が勲章ものの撃墜王だと聞かされても、ああそうなのか、それは凄いなと受け入れる。その数だけ人間を殺めたのではないからだ。

 人間同士の殺し合いをしているのではない、というのが正義なれば、これはパンツでもスクール水着でもない、“ ズボン ”なのであると主張して止まないのも作品の正義というものか。

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