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ありがとう、スーちゃん

 歌手の本田美奈子さんが亡くなった時にかなり寂しい思いをしたものだった。 スーちゃんも然りだ。

 てめぇなんざぁたった今でもくたばっちめぇ、世界の誰も惜しいたぁ思わねぇや! なんてこと言ってやりたい穀潰しほど長生きするものだ。 ウチの婆さんが生前よく言っていた。 ろくでもない嫌われ者ほどいつまでも達者で、死ぬまで人様に迷惑かけるもんじゃ・・・・と。 それでも、スーちゃんには長生きして欲しかった、と思う。

 キャンディーズが人気を博したのにはTBS系列の怪物番組 「8時だよ! 全員集合」 にほぼ準レギュラー扱いで出演していたこともある。 今の世なら 「キャンディー」 などは使い古しの臭いイメージでしかないが、当時耳にする 「キャンディー」 は甘酸っぱい少女マンガイメージをそれでも保っていた。 またそれだけ彼女等は生娘な処女性を湛えていた。 後に登場するピンクレディーの悩殺的振り付けとは明らかに一線を画する。

 ラン・スー・ミキと聞けば、おお、しゅごキャラ! と反応する今の時代。 思えばキャラクターに対する思い入れの分別化というものはキャンディーズ全盛時代にも既に確立されていた。 スーちゃんを好きな人は、ランちゃんを、ミキちゃんを好きな人は概ねこういう性格であろうというのがそこらの雑誌誌面を賑わせていた。
 魅力的な三人の内から一人を選べと厳しい詰問が投げ掛けられたなら、何を隠そう、自分はスーちゃんを好きであった。 解散後、やがて彼女は映画やTVドラマで見掛けることになる。 ああ、いい女優さんになっていたのだなと思ったものだ。

 自分にとっては、やはりキャンディーズのスーちゃんだった。 今はただ、ありがとう、と惜別したい。

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