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広葉樹を植える

 岡山の美作市で 「ドングリの森基金」 創設の条例案が議会に提案されたそうだ。 10 ha の市有林を広葉樹に変えていく計画らしい。 クマの生活環境を少しでも良くしてやろうというクマ被害面からの対策案でもあり、落葉広葉樹ならば今あるスギ・ヒノキより CO2 をよけいに吸うだろうし、山の表土保全にもなり腐葉土が保水力を持たせるとの環境側面もある。

 それはいいな、もっと広くやってしまえないのかと言っても、市有林の面積は限られている。 せめてこの 5 倍から 10 倍の広さが欲しいと思うが、他の民地は手が付けられない。 周囲はろくにカネにもならぬ荒れ放題のスギ・ヒノキが放置されているままなのだろうと勝手に想像する。
 しかし、このような試みは喜ばしい。 ヨーロッパ辺りだとこの類の運動はさほど珍しくないのではなかろうか。 我が国でもたとえ 10 ha からであろうと、始める行為に意味がある。 どうかお山の再生に使って下されとの寄付金に胸打たれた感激も否定出来ないにせよ、まずは行政から公費にてやりましょうという発案はいい。

 我が家の親父とお袋さんが僅かばかりながらドングリの苗を育てている。 家の周りとか畑の周囲になるべくそれを増やしたいのだそうだ。 山は用材でなく雑木が一番だというのが二人の共通な感覚であるらしい。 秋には葉を落とし春に芽吹き、四季と共に色を変える山でなければお山らしくないというのが口癖だ。 そいつは良い事に御座いやす、されど苗を植えて見事な枝振りになるまで少々年月が要りやす、御自愛なさってそれまで長生きしとくれやす、と言ってやった。
 だが、いいトコあるではないか、さすがはこのオレ様を産み育ててくれた両親だわいと、ビールをがぶ飲みしつつ込み上げるほくそ笑いを隠せない。

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