なりふり構わず縋り付く・・・の名場面。
「頼む、ナツ子ォ~、オレを見捨てねぇでくれぇ~!」
「しつこいねアンタも、いい加減にしとぉくれ!」 ドスッ! バキッ!
「ぅぐぁっ! おめぇも去年はその気だったじゃねぇか。
な、なんでいきなり邪険にすンでぃ!」
「フン、イチさんならともかく、あたしゃね、アンタに気があるなんてこたぁ、
ひとっことも言った覚えはないさ。世間様も見えないこの能無しが!」
「な、なんだとぉ・・・!」
「アンタのやってることはなんだい! 長屋からイチさんを追い出そうってンだろ。
あン人はね、ウチの父っつぁんのお墨付きなんだよ。知らないのかい、唐変木!」
「そ、そりゃ、大作爺とイチ野郎の仲は知ってらぃ! け、けどよ、このまんまじゃ
オレぁ首括らにゃなんねぇんだ! 頼む、ナツ子ぉ、オレを助けてくれぇー!」
「うっさいね! ヤだったらヤなんだよ!」 ボカッ! ボカッ! バキッ!
それにしても哀れである。 ストーカー用GPSを足首に巻かれないうちにナオ吉は退散した方が身のためではないだろうか。