「プラタナス並木の木漏れ日があなたを優しく包む午後のひと時・・・
いかがお過ごしでしょうか、細川俊之です・・・」
というような語り口で始められるラジオ番組が好評で、その二枚目の甘いトーンがとりわけ大人の女性を虜にした。当該番組冒頭の語り掛けを聞くだけでジワッと潤んだという女性ファンは少なくなかった。大袈裟に言えば、声だけで女性をイカせられそうな、少し危険な誘惑感を含む魅力。もうあのようなラジオ番組は二度と作れまい。
「一条家の使いで参りました」 という決めゼリフでタコ八郎と絶妙な可笑しさも見せてくれた。あのTVドラマでは途中から主役連中を喰ってしまっていた。細川俊之とタコ八郎の凸凹コンビが玄関にいつ現れるのかと、視聴者は心待ちにしたものだ。
思えば多才。それだけ人知れぬ努力もされたことだろう。 心に残る名優に哀悼の意を表したい。