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国民は声を

 「キャピタリズム」 という映画を作ったのはマイケル・ムーア。 先頃米国では大規模な 「反格差」 集会もあった。 資本主義国家で貧富の差がけしからんというのも妙な話で、儲ける奴もいれば損ばかりしている奴もいて不思議でない。 彼等は格差があってはならないと叫んでいるのではなく、一部の癒着利権と国策操作によるところが自由社会を蝕んでいる現状に怒っているのだろう。

 マイケル・ムーア流に言えば、国は大企業を救っても中小企業や庶民に手を差し伸べない。 くたばりかけた大企業なり金融業界などを放置したのではその影響計り知れずと見るのが国側の見識。 故に公的資金を湯水の如く使ってでもそれらの存続、延命に助力を惜しまない。 なによりも、持ちつ持たれつの大事な利権お仲間であるからだ。 カネヅルの樹が枯れかけたのでは一大事。 国民の血を吸い上げ、水代わりにその血を注いで生き長らえさせる。

 では、恐れ多くも国民の皆様方から頂戴仕った多額の税金を投入、その施しを賜る当該企業の社会的責任は一体どこへ消え失せてしまうのだろうか。 義侠心に奮い立ち、その後は国民のために奉仕に等しい活動を行った、などという話は聞いたことがない。 むしろ、何事もなかったかの如くふんぞり返っている姿しか我々は知らない。 そう考えると、大企業というヤツは国民にとって可燃性の危険物に等しい。 国を富ませる動力に使える一方で厄介な爆発物でもある。 トラブれば国民が多大な出血と苦難を覚悟せねばならん。

 3月の忌まわしい震災から数えて幾月か。 もう正月ではないか。 放射性物質さえバラ撒かなければ復旧復興はどれだけ迅速化できただろう。 この先も長い年月に亘ってこのおぞましい現実と我々は向き合わねばならない。 日本国は馬鹿だの愚かだのと世界から嘲られながらだ。
 「なにせ津波が悪い」 と言い続ける電力屋と政府の誤魔化しはもう国民に通用しまい。 東京や大阪で始まったという原発是非を問う署名運動などはそのいい例だ。 「地震には耐えた」 の報告も白々しすぎて子供ですら信じない。 揺れの最中に夥しい配管がバラバラと落ちまくり、生きてる心地がなかったという作業員の多くの証言は消せはしない。

 原発利権の “原子力村” が築いてきた今日の組織構造、国費横領構造は、一度焼け野原にでもしてしまわねば如何ともし難いのではないか。 発・送分離や自由化が一部で提起されはするものの、民主にせよ自民にせよこれだけ業界と結託している有様では旧態依然を求めこそすれ、改革の 「か」 の字も発しはすまい。



 驕慢に腐敗、堕落と怠慢にとうとう怒った国民が自民党に制裁を加えたのが政権交代劇であったのならば、その壮大な実験はとんでもない悪政を生んだだけだった。 外交は出来ず防衛も出来ず、数ヶ月も経たぬうちにその無能さから官僚組織に丸め込まれ、霞ヶ関の傀儡、木偶人形としての値打ちしかない有様だ。 国政を軽んじ、腹を切る覚悟を持った者も一人としておらず、ネット上では売国の徒とまで非難されるまでの間抜けぶり。 実際、こやつらに政権延命させておけば、支援団体があやしいだけに、本当に国を売られてしまいそうではないか。
 民主党は腐敗凋落の自民党に代わって天秤仕掛けの如く政権を手中に出来ただけの、票田維持、延命第一な張り子政権でしかなかった。 欺された多くの有権者が悪いのか。次から次へと展開される謳い文句とは真逆の言動に国民は怒ろうとも、素知らぬすらっトボケはある意味、大したタマではある。 開き直りもここまでやれば “芸” の域だ。

 元より十把一絡げな寄せ集め。 あやしげな団体から援助を得ている魑魅魍魎の類。 この国をどうすべきかなどと策も展望も持ってはいまい。 総理の器もいなければ懐刀の実務屋も持ち合わせぬ。 旧態自民の派閥よりも更に質の悪い党内抗争に明け暮れ、挙げ句に党内融和だのと称した抜擢閣僚は、どれもこれも霞ヶ関に都合よいヌケ作揃いな面子である。 現財務相などは、あれで務まるなら近所の小学生でもやれそうではないか。



 政治の表舞台で国民は野党の奮起を期待するしか術はないというに、最大野党、まったく懲りてなさそうな旧政権・自民党は、国民の信用を取り戻すために何かしらの努力をしたのだろうか。 何もしておらず、何も変わっていない。 甘汁の夢よもう一度、のアタマしかなさそうだ。 与党のお粗末な防衛相は言うまでもないが、それにかこつけたクイズ出題ないたぶりごっこで遊んでいる場合ではないだろう。

 大阪市長選後の慌てふためきを見ていれば、何の政策も何の信念も持ち合わせぬ馬鹿っ面だけを世間に晒し、自浄能力の無さを国民に知らしめるばかり。 お前達は政権の座を奪い取られ、野に下り、この数年間その現実から何を学んだのだ。 貴様らはいいかげんにせよと国民に頭を叩かれても学習機能がまったく働いていない。 叱られてすねた落ちこぼれのふてくされ小僧と同じで、顧み反省することもなく、相も変わらぬ創価学会票をアテにした恥知らず集団のままではないか。 アホ面さげた谷川だの竹本だのが大阪府連の重鎮だと言われているようでは、それはまぁ橋下総統の靴先でも舐めたくはなるだろう。 もはや哀れでしかない。



 増税の必要性は大多数の国民がそれを認めている。 だがそれを急ぐのはなんだ。 いかに財務省様の勅命とはいえ、何かに取り憑かれたような傀儡総理の言動は異常ではなかろうか。 本当に消費税を上げるのは国民に体力が無い今なのか。 無茶苦茶ではないか。 預貯金があるだろうというのは年寄りの話だ。 子供手当のバラマキで誤魔化そうというのか。 その前に為さねばならん事があるだろう、切るべきものを全て切ってしまってからにせよと国民は怒っているのだ。

 一刻も早く潰してしまった方が国家のためかもしれない民主党と自民党。 これら腐りきった大所帯は早く解体せねばならん。 廃品の中から少しは拾って使えるのもあるだろう。 ただ、これらが国民の信用を僅かながらも取り戻せそうな機会はあった。 少数野党が出した議員報酬3割カットと公務員人件費2割カット案を通せばよかったのだ。 ならば多くの国民から賛同を得られたことだろうし、後生大事な票田も安泰化に向けられた筈である。

 あにはからんや、半年だけ50万カットしましょうとした体裁だけのおのれ等の議員報酬は元に戻し、この暮れには例年通りなボーナスまで懐にせしめているのではどだい話になりもしない。 そもそも議員共のボーナスというのはなんなのだ? 休まず遅れず仕事せずな公務員ボーナスというのもおかしな話ではないか。 本会議場で催涙ガスをぶちまける朝鮮半島辺りの血の気が多い人々であれば、永田町なり官舎なりに武装テロリストが突入していても不思議でない。 なぜならば民意に反した公金の横領であるからだ。

 夥しい人数の天下りとその受け入れ先の天下り擁護組織。 それに流れる恐ろしいまでの公金の額。 原子力村をはじめとする癒着利権団体。 仕事はしません銭をくれ、の公務員労組。 地方への一括交付金とは聞こえがいいようだが、地方議員と地方公務員労組が喰ってしまうのでは民意に反しよう。
 いつの頃から始めたのか、これらはマスコミに 「無駄の削減」 と言わせている。 そうではないだろう。 「無駄遣い」 などと言えば子供の小遣いやオヤジのパチンコ代を連想させ、大したことではないような軽さを植え付ける。 事の本質を間違えてはならぬ。 そのような生易しいものでなく、これは民意に反する公金横領の犯罪行為なのだ。 やはり腐れ二大政党は潰してしまわねばならん。

 大阪の橋下は総統閣下のままでいい。 そのくらいでなくば風穴も空きはしない。 しょうもないスケベ根性でも出せば怒りの市民が後ろから撃てばいいのだ。 橋下の辣腕は大都市とはいえ地方の組織故に発揮でき、効果も得られる。 府民、市民の目による監視がある程度ゆき届くからだ。
 これが国政となれば国民が見張れない。 何をやっているのか解らない。 マスコミはすべて御用使いで、料亭政治が焼鳥屋政治に変化しただけである。 つまりは国民の目の届かぬ場所で何もかもが動かされる。 国民の声は届かず、当選議員はせっせと公金横領に励むのみである。

 今、消費税増税など許してはならん。 故郷を追われ、避難生活を送る人々の頭上に雪が降る。 土地を棄て、牛を棄てざるを得なかった人々に先の保障は見えない。 プレハブのすきま風に震える手を擦り合わせている人達を尻目に、原子力村の連中は暖房の効いた部屋で旨酒を舐めていることだろう。 国民は声を上げねばならん。

 

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